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Day2【名詞-否定文】

14回にわたって、JIC協会の新しい講座『JICオンライン日本語教師養成講座』に含まれている、初級文法約200項目の文法知識(インプット)教材の一つのメール解説情報の一部を無料公開いたします。
日本語教師の皆様のお役に立てれば幸いです。

【始める前に】
文法知識を「知る」だけにとどまらず、初級文法を「頭の中に体系的に入れる!」ことを目的としています。

文法が体系的に頭に入っていれば(=暗記していれば)、外国人の皆さんが必要とするタイミングで、必要な情報を、頭の引き出しから取りだして自由に教えることができます。

どうぞこのような見方で、14項目をお楽しみいただければと思います。

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『1章-2』
間違った情報を否定する (名詞-否定文)


①私は日本人じゃありません。
ここでは主に昨日の「1-1」の情報を否定する文型として練習します。

ここで否定の概念ですが、「否定」とは、「肯定」を否定するものです。というのが前提です。当たり前かも知れませんが。


ですから、一人が肯定として思っていること、
「石井さんは日本人ですよね。」という情報が違っているので
「いいえ、日本人ではありません」となりますよね。


ここでの練習も、形は1-1の否定版ですが、概念は「肯定の情報」を「否定する」ですから、そこをしっかり意識して場面作りを行って下さいね!


「ミラーさんはフランス人ではありません」(国籍)
という例文も、よくよく場面を考えてみると


A:「(クラスでフランス語を話しているミラーさんを見て)先生、ミラーさんはフランス人ですか?」

B:「ミラーさんですか?あ、いえ、ミラーさんはフランス人では(じゃ)ありませんよ。イタリア人ですよ。」

A:「あ、そうですか。イタリア人ですか。」
   (*可能なら、「フランス語が上手ですね。」など)

B:「ええ。ほんと、上手ですね。」

というような会話が想像できませんか?
もちろん、学習者のレベル次第で、ここまで教えることは難しいかもしれませんが、話せなくても聞き取れるようにしておいたほうがいい表現もあります。


そして、教える、教えないは別として、こうやってまずは自然な会話の流れを想像することで、接続詞や相づちを打つときの一言などを教師自身が思い出すことができます。


こういう表現が「自然な日本語」に必要で有り、「使える日本語」になります。

多くの学習者の日本語学習の目的は「使える日本語」です。


進学目的であっても、試験対策であっても、「使える日本語」は全ての学習者の目的です!

基本文型をしっかりおさえながら、それをできるだけ実際にある場面のイメージを通して教えることによって、覚えやすく、忘れにくい場面練習へと繋がります。(あくまでも「基本」→「応用」という流れは必要ですが!)

こうすることによって、学習者の
「学校で習う日本語と、実際の場面での日本語が違うから分からない!」
という切実な悩みを解消する手助けになります。


あと、日本人って、直接的に否定すること、避けませんか?


例えば
「竹田さんは 会社員ですか。」
「いえ、会社員じゃありません。銀行員です。」

よりも
「いえ、(違います)。銀行員です。」

を使っているような・・・。

情報を否定しているという意味では
「じゃありません」も
「違います」   も 同じですが、

「ありません」という否定の形を取らないので、なんとなく否定されている感じが弱い気がしませんか?

微妙なニュアンスですが、日本語って、日本人って、この「微妙な・・・」を大切にしている文化ですよね。

相手の発言をやんわりと正す、という気遣いですよね。

学習者の国の文化や言語と大きく違う部分は教えやすいですが、こういう「ちょっとしたニュアンス」は、感じにくいし、教えにくいですよね。

でも、私は、こういう部分に本当の日本人の心が宿っているような気がします。

どうぞ皆さんも、日本語にちりばめられた日本人の感覚を伝えられる、教えられる日本語教師を是非目指して下さいね!

あ、最後に
「です」→「では(じゃ)ありません」は、学習者にとっては結構長くて言いにくい表現です。

長くて言いにくい時は後ろから切って、リピートさせながら言わせます。

(T:教師  S:生徒)
T:「ありません」
S:「ありません」

T:「ではありません」
S:「ではありません」

という風に、後ろから前に繋げていきます。
数回練習すると、かなりスムーズに言えるようになります。

【JIC協会より講座のお知らせ】
『JICオンライン日本語教師養成講座』


〜日本語教師の「固定概念」を「新しい価値観」へ導く世界を!〜

◆対象
・オンラインで日本語を教えたい人。
・臨機応変に教えられる実践力を本気で身につけたい人

◆講座目的
資格や学歴にとらわれず、「実践力」を身につけたい人達のために、「分かる」ではなく、「できる」を目指し、技術を自信を身につけた人材を育てる。

◆修了時に達成していること
文法知識と実践力と臨機応変な対応力

【募集に関して】
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尚、今回は「初回お申し込みキャンペーン」と致しまして、「250,000円」➡️「198,000円」(税込み:217,800円)で、募集させていただきます。
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