日本人が知らないロシア・ウクライナ情勢(2年前のcargoさんのブログを拝借)
Amebaブログより
cargoさんという方の丁度2年前の記事をご紹介します。
ソ連崩壊以後のウクライナとEUやロシアとの関係、
ウクライナの問題点、
それからロシアでいう特別軍事作戦、
日本でいうウクライナ侵攻までの経緯についてです。
既に2年前、軍事衝突開始の3日後に、この内容でブログを書かれていることを最近知って驚きました。自分も流れを時々追っていたので、cargoさんのブログに書かれている流れは大体知っていましたし、この内容の通りだと思います。
が当時の自分はと言えば、2年前の今頃はショックで寝込みそうなほどでしたから、自分で資料を集めて書くなど考えには及びもしませんでした。
元ブログの丸々全コピ、加筆等無しで全文お借りし貼り付けます。元ブログご確認ください。ところどころペーストの失敗があり、元ブログと同じようになるように手を加えました。
なお最後の動画がリンクされていなかったので、YouTubeから同日で同名の動画を挿入しました。(テレ東の動画の内容は、前半のウクライナの描写でわずかに不満な所もありますが、中立に近いと思います。)
↓ 以下、目次の後がリンク先と全文です。
99.999%の日本人が知らないロシア・ウクライナ情勢【閲覧注意】
2022-02-27 10:27:19
テーマ:政治経済
浅学ではあるが、ロシア側の視点を提供したい。
以下ではあえてロシア視点に振り切ったストーリーとして展開するが、これは彼らの正しさを証明するものではない。
「別の視点」を提供する試みとなる。
日本人はあまりにもCNNやBBCなどの関テレ同様の偏向メディアを妄信する。
「大量破壊兵器がある!」というデマを喧伝し、イラクで100万人を虐殺させたのは誰なのか考えてほしいところだが、本記事は、日本人の殆どが聞いたこともない話が多く、信じがたい思いにかられるだろう。
◇◇◇◇◇◇◇◇
最初に共有しなければいけない認識が、ロシアにしてみれば、対ナチスドイツとの戦いで約2000万人が死んだ第二次世界大戦の経験もあり、ウクライナのキエフ、クリミアの不凍港セヴァストポリが落とされれば、次はモスクワ、サンクトペテルブルグと侵攻され、ロシアが終わるという確信的な論理がある、ということだ。
(同様のことは、ナポレオンとの戦いやクリミア戦争でも経験している)
そのあたりの歴史的視点を提供してくれる動画があったので、知らなかった方はぜひ閲覧してほしい。よくまとまっている。
▼ 「ロシアの論理」で読み解くウクライナ危機
上記動画を観た方は、なんとなくロシアの歴史的事情がわかったと思うので話を進める。
【目次】
・ アメリカの二枚舌とNATOの東方拡大
・ アメリカCIAに演出された「オレンジ革命」
・ プーチンによるオリガルヒの駆逐
・ ネオナチの偽旗・狙撃事件が起こしたクーデター
・ 自作自演による虐殺事件「オデッサの悲劇」と、ネオナチ軍「アゾフ大隊」の誕生
・ ロシアのクリミア併合とドンバスの虐殺
・ アメリカとNATOのステルス侵略
・ アメリカの挑発とロシアのウクライナ侵攻
アメリカの二枚舌とNATOの東方拡大
1991年にソ連が崩壊し、ワルシャワ条約機構も解体されたが、そのとき米国側とは「NATO領域を拡大しない」という約束をした。
米側はこの約束に関して無視を決め込んでいるが、実際に密約はあったと考えられる。
下記画像は、ゴルバチョフ大統領とベイカー国務長官のやりとりを記したアメリカの公文書からのもの。
プーチンも2月21日の演説で上記ベイカー発言を引用している。
・・・・・・・
In 1990, when German unification was discussed, the United States promised the Soviet leadership that NATO jurisdiction or military presence will not expand one inch to the east and that the unification of Germany will not lead to the spread of NATO’s military organisation to the east. This is a quote.
1990年、ドイツ統一が議論されたとき、「米国はソ連指導部に、NATOの管轄や軍事プレゼンスは東側には1インチも拡大せず、ドイツ統一がNATOの軍事組織の東側への拡散につながらないことを約束した」。これは引用である。
https://www.voltairenet.org/article215783.html
・・・・・・・
ところが米国クリントン/ブッシュ政権は、ソ連崩壊後の国内の争乱や大不況に対応するロシアをしり目に東欧諸国を懐柔、次々とNATOに取り込んでいき、最後にはウクライナ・ベラルーシ・カザフが残ったという構図となった。
ソ連崩壊以降、1999年にはポーランド、チェコ、ハンガリーなどがNATOに加わり、その後にルーマニア、ブルガリア、2004年以降はバルト三国やスロベニア、スロバキア、アルバニア、クロアチアらも加わっていった。
http://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j6-1_4.pdf
米国のミサイル防衛網(MD)はNATO加盟国に配備され、モスクワに向けられた。
ロシアの不信感が高まったのは想像に難くない。
そして2022年、ついに国防上の最重要国ウクライナがNATO入りすることが決定的となったのだ。
ロシアは「喉元に突き付けられたナイフ」(2/21 プーチン談)だと判断した。
アメリカCIAに演出された「オレンジ革命」
2000年台初頭、米側(国務省やCIA、USAID、NED、オープン・ソサエティー財団)が「民主化」という名のもとに旧ソ連同盟国への政権転覆工作「色の革命」を仕掛けた。
結果、旧ソ連の友好国であったユーゴ、セルビア、グルジア、キルギスの政権が転覆させられた。
このアメリカ政府の革命への関与は、英誌ガーディアンにも記述が残る。
https://www.theguardian.com/world/2004/nov/26/ukraine.usa
2004年、同様に、ソビエト連邦のNo.2であったウクライナでも「オレンジ革命」が起こされ、不正選挙により親米派のユシチェンコが政権を握る。
閣僚にはアメリカやイスラエルの二重国籍者が入り込んだ。
考えてみてほしいが、例えば、もし韓国や台湾でクーデターが起こり、政権の閣僚が中国やロシアの二重国籍者で占められ、敵対する軍事同盟に参加し、日本に標準を合わせたミサイルを配備しようとしていたらどんな気分だろう?
「次は日本」という恐怖を感じないだろうか?
クリントン時代のセルビアの革命家グループ「CANVAS」がアメリカの「革命学校」と化していて、その政権転覆工作のノウハウを、ウクライナやグルジアをはじめとする世界50カ国に輸出していた。
「人工芝」とされるエジプトの革命騒ぎもCANVASが訓練した。
これらの革命や政権転覆運動は、欧州安全保障協力機構(OSCE)やアメリカの国務省・ソロス財団系機関「FreedomHouse」に出資された。アメリカの外交誌「Foreign Policy」の記事が詳しい。
https://foreignpolicy.com/2011/02/17/revolution-u-2/
ちなみに、上記の欧州安全保障協力機構(OSCE)だが、2014年の「ミンスク停戦合意」でも主導的役割を果たしている。欧米の「正義」がいかに偏っているのかがわかる。
忘れてはならないのが、アメリカに政権転覆を起こされた国々は、いずれも反米の国々であったことだ。
プーチンによるオリガルヒの駆逐
90年代、旧共産圏において、国家や体制の綱引きの裏側で起こっていたのが、西側の資本家による経済的侵略だった。
欧米資本はNATO加盟国を支配していき、ついにはロシア国内にも触手を伸ばした。
ソ連崩壊後のロシアは、中からも外からも欧米に蹂躙されていったのだ。
90年代に欧米資本の新興財閥「オリガルヒ」は、当時のエリツィン大統領と癒着し、民営化された元国有企業を次々に譲り受け、暴利をむさぼった。
当時のオリガルヒの主要メンバーはベレゾフスキー、グシンスキー、ホドルコフスキー、アブラモビッチなどの大資本家7人。
この7人が「ロシア経済の半分を支配している」といわれた。
1998年に通貨危機でデフォルトしてしまった翌年、99年にKGB出身のウラジミール・プーチンが大統領となり、祖国の危機に対し劇的な経済改革をおこなっていく。
油田や鉱山、銀行などの国富を外国に売り飛ばそうとするオリガルヒを、収賄や脱税などの罪で次々に逮捕・失脚させていき、所有していた企業を国営化していった。
プーチンに追われ、便所ではなくイギリスに逃れ亡命したベレゾフスキーは、ウクライナの「オレンジ革命」のスポンサーでもあった。
現在、世界最大のエネルギー企業となったロスネフチとガスプロムは、元々オリガルヒが所有した企業だった。
欧州の多くの国ではロシア産の石油や天然ガスなどの資源がないと国家が立ちゆかない。
EUの天然ガスの輸入元。約半分がロシア産。
ちなみに、アルジェリアとリビアが2010年代に仏・米・英に攻め込まれ侵略されたことは、はたして偶然だろうか(棒)
https://energy.ec.europa.eu/system/files/2022-01/Quarterly%20report%20on%20European%20gas%20markets%20Q3_2021_FINAL.pdf
こうしてロシアは2013年にはGDPが世界第8位になり、G8入りまで成し遂げた。
奇跡の経済復興を遂げたプーチンは、まさにロシアの英雄となったのだ。
2010年代、ロシアは中国との結束を強める。
2019年には二国間貿易におけるドル決済を停止。保有する外貨準備におけるドル残高も46%から23%へと半分となった。
https://globe.asahi.com/article/13975298
このあたりのことも欧米各国やグローバル資本家から煙たがられる原因になっているのかもしれない。
ネオナチの偽旗・狙撃事件が起こしたクーデター
話をウクライナに戻そう。
90年代から経済やエネルギー戦略で反目していたウクライナ内の欧米派(西側)とロシア派(東側)の争いがユシチェンコ政権で激化、2010年に親欧米派のユシチェンコ政権が倒れ、選挙によって親露派のヤヌコビッチ政権が誕生した。
2013年、ヤヌコビッチによるEU加盟延期などの親ロシア的な采配に激怒した欧米派が暴動を起こし、クーデターに発展。
2014年2月には、親露派のヤヌコビッチ政権が倒された。
非合法のクーデター政権が権力を握った。
欧米各国と主流メディアは「民主的なデモ隊が独裁者を倒して民主主義が訪れた!」という向きで盛大にプロパガンダ報道を展開している。
この時、キエフで2月18日から断続的に続いた治安部隊と反ヤヌコビッチ政権デモ隊の衝突では、デモ隊を狙撃するスナイパーによって、70人以上が殺害されたと言われている。
この狙撃事件が、クーデターの直接的なトリガーとなった。
欧米側の政府とメディアは「ヤヌコビッチ政権の特殊部隊員の犯行だ」と大批判キャンペーンを行った。
ところが、後にエストニアのパエト外相が、EUのアシュトン外相に対し、「スナイパーの背後にいたのは、ヤヌコビッチではなく、新しい連合の誰かだという認識が今ますます強くなっている。新政権は真相調査を嫌がっている」と、デモ隊側の過激派の狙撃だった可能性を示唆する電話会談を行っているが、この音声が盗聴・リークされている。
このほかにも様々な証拠が見つかるが、デモ隊側の自作自演作戦であった可能性が極めて高い。
当然のように「国際社会」は、このことをほとんど無視し、ヤヌコビッチ・ロシア批判を激化させた。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/129141
アメリカのベテラン諜報関係筋によれば、狙撃兵達は、ウクライナ民族アンサンブル・ウクライナ民族自己防衛(UNA-UNSO)として知られている極右軍事組織の者だとされる。
「冷戦後の時期、UNA-UNSO準軍事組織は、世界中でNATOのあらゆる汚い戦争に関与し、常にNATOのために戦ってきた。“この連中は、ロシア特殊部隊を装って、ロシアに罪を着せる為に使われる危険な傭兵だ」とのことだ。
また、UNA-UNSOは、極右ネオナチ党とされるドイツ国家民主党(NDP)と密接につながっているとも報じられている。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-32b9.html
デモと暴動、それに続くクーデターで大きな役割を果たしたのが、極右ネオナチのスヴォボーダ党(Svoboda=議会で37議席まで躍進)で、彼らもアメリカに支援されたといわれる。
スヴォボーダ党は、クーデター以前の議会でロシア語を話した親露派議員に集団で因縁をつけ殴りかかったり、プーチンの演説を流したテレビ局を襲撃するなど過激な面を見せる。
クーデター政権では3人の大臣を輩出し、2014年6月にはドンバス戦線に参戦するため軍事部隊も編成した。
https://en.wikipedia.org/wiki/Svoboda_(political_party)
スヴォボーダ党の前身「ウクライナ社会民族党」のエンブレムと、ナチ親衛隊師団のエンブレム
全ウクライナ連合「自由」 - Wikipedia
プーチンいわく、アメリカ政府がキエフの暴動に1日100万ドルを、また親欧米の野党議員へも数千万ドルの財政支援を行ったという。
https://www.voltairenet.org/article215783.html
当時のアメリカの国務長官のヌーランドは実際にキエフの暴動の場に参加している。
さらにはクーデター後の暫定政権に親欧米派のヤツェニュクを据えようとする駐ウクライナ大使との電話会談を盗聴され、Youtubeで公開されている。
この騒動は大炎上し、ヌーランドは電話内容が事実であったことを認め後始末に追われたが、ほとぼりが冷めると、欧米メディアはロシア批判を続けるばかりだった。
https://www.afpbb.com/articles/-/3007954
クーデター後の2014年4月、元アメリカ国務次官のポール・クレイグ・ロバーツ博士は以下のように分析した。
・・・・・・・
西ウクライナの抗議行動は、CIAやアメリカ国務省や、CIAや国務省と協力して動いている、アメリカ政府とEUから資金を得ている非政府組織(NGO)によって組織されている。
アメリカ政府にとって、狙いは、ウクライナで、アメリカの銀行と大企業による掠奪ができるようにし、アメリカ政府がロシア国境に更に多くの軍事基地を得られるようウクライナをNATOに引き込むことだ。
世界にはアメリカの世界覇権の邪魔になっている国が三カ国ある。ロシア、中国とイランだ。
ウクライナで“危機”をでっちあげるのは簡単だ。ネオコン国務次官補のビクトリア・ヌーランドは、2013年12月13日、ワシントンの記者クラブで、ウクライナでの扇動にアメリカは50億ドル“投資した”と語った。
アメリカやEUから資金提供を受けているNGOは、彼等がそこで活動している国家の独立を破壊するよう作られた“人権擁護団体”を装う。
西ウクライナは、ロシア憎悪で、全く機能不全に陥っており、だまされた抗議行動参加者は、EU加盟がウクライナ独立の終焉であり、ブリュッセルのEU官僚や、ヨーロッパ中央銀行と、アメリカ大企業に支配されることを意味するのが分からないのだ。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-cc29.html
・・・・・・・
2014年のクーデター前後のことは、私もブログで再三取り扱っている。
cargo『ウクライナのクーデター ~日本人に知られてはいけないニセモノの民主化運動』http://matome.naver.jp/odai/2136851826732956201http://blog.livedoor.jp/majo2/ar… ameblo.jp
自作自演による虐殺事件「オデッサの悲劇」と、ネオナチ軍「アゾフ大隊」の誕生
2014年5月2日、ネオナチ系組織はロシア系の組織に変装し、南部のオデッサでクーデター政権に抗議していた住民、50~100人を生きたまま火をつけて処刑した。最終的な死傷者は200名にものぼる。複数の死体にはレイプや拷問の痕跡があった。
主流メディアが報道しない、「オデッサの悲劇」である。
https://www.veteranstoday.com/2022/02/25/what-did-putin-mean-by-denazification-of-ukraine-and-why-is-it-so-important/
https://landdestroyer.blogspot.com/2014/05/odessa-massacre-pushes-ukraine-to-edge.html
この時も新政権側は、クーデターのきっかけとなったスナイパー狙撃事件と同様に、自作自演・偽旗テロを行ったのだ。
この犯行組織は現地の警察官たちやその内通者であったといわれる。後日、現場で警察組織の指揮を取った内務省オデッサ支部のドミトリー・フチェジ副長官は政権から褒章を貰っている。
https://orientalreview.org/2014/05/06/genocide-in-novorossiya-and-swan-song-of-ukrainian-statehood/
https://ukraine-now.hatenablog.com/entry/odessa-massacre
クーデター政権は権力を掌握、ネオナチ系武装集団は拡大し、親露派が多く居住する東部のドンバス地方と南部クリミアを攻撃し始めた。
ドンバス(ドネツク州とルガンスク州)では、ロシア系住民がクーデターに抗議、4月末には州庁舎や警察署を占拠、ドネツク人民共和国(DPR)、ルガンスク人民共和国(LPR)として独立を宣言するに至っている。
財政的・軍事的支援はプーチンの顧問Sergey Glazyev、ロシアの実業家Konstantin Malofeev、クリミアの首長Sergey Aksyonovにより行われたとされる。
https://en.wikipedia.org/wiki/War_in_Donbas#April_2014:_conflict_begins
時を同じくしてクーデター政権は、殺人罪で収監されていたネオナチのAndriy Biletskyを恩赦、彼は直後に「アゾフ大隊」なる民兵集団を組織する。
Biletskyは「The Words of the White Führer(白人総統の言葉)」という、ナチズムを礼賛しロシアを敵視(Russophobia)する著作を著している。
ウクライナにネオナチ組織は実在する。
日本の公安でさえ、「ウクライナの極右ネオナチ組織『アゾフ大隊』に2000人の欧米出身者が参加」と報告している。
https://www.moj.go.jp/psia/ITH/topics/column_03.html
他方、元FBI捜査官のアリ・ソウファンは、過去6年間に50か国から17,000人以上の外国人戦闘員が「アゾフ大隊」に合流するためウクライナにやってきたと推定する。
https://time.com/5926750/azov-far-right-movement-facebook/
アゾフ大隊のエンブレム。ナチスのウォルフサンゲルに由来する。上掲したスヴォボーダ党とナチス親衛隊のエンブレムとそっくりだ。
左はアゾフの紋章。ブラックサン(真ん中の鍵十字)は、ウォルフサンゲル(右のナチス親衛隊-SSの紋章)と並び、ナチの象徴であった。
Wolfsangel in E. Ukraine: Foreign Policy talks to deputy leader of ‘pro-govt’ Azov Battalion — RT World News
参考:
Wolfsangel(ドイツの紋章)
https://en.wikipedia.org/wiki/Wolfsangel
黒い太陽≒鍵十字(記号)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E3%81%84%E5%A4%AA%E9%99%BD_(%E8%A8%98%E5%8F%B7)
このアゾフ大隊は、民兵・契約兵士中心であるが、ポロシェンコ政権の内務省管轄の国境警備隊として正式に任務を帯びている。
リーダーのAndriy Biletskyは2014年に国会議員の席も獲得していて、資金源はウクライナ政府のほか、国内外のオリガルヒともされる。
アゾフ大隊はウクライナで3番目に裕福なオリガルヒであるイゴール・コロモイスキー(ドネプロペトロフスク地域の知事)によって資金援助を受けている。コロモイスキーはロシア大使館襲撃の首謀者としても知られる。
https://www.rt.com/news/185708-nazi-symbols-ukrainian-troops/
10月、コロモイスキーは、ジェノサイドの首謀者としてロシア連邦取調委員会・取調総局に刑事告発、指名手配されている。
https://jp.rbth.com/politics/2014/10/13/50627
また、アゾフ大隊の別の資金提供者でオリガルヒのセルゲイ・タルタ(ドネツク地域の知事)は、2014年4月に「地域の武装した分離主義者(独立派)は約300人の少数派で、攻撃的な抗議者の数は実際にはかなり少ない」と表現した。
https://www.theguardian.com/world/2014/apr/25/billionaire-ukraine-troubled-region-serhiy-taruta
なお、2018年に、米国議会はアゾフ大隊をネオナチ系機関と認定、軍事支援を禁じたが、他方で支援継続が議会で承認されている。
2019年には40人の国会議員が、米国国務省にアゾフを外国のテロ組織に指定するよう求めたが、受理されなかったことがあった。
https://en.wikipedia.org/wiki/Azov_Battalion
鍵十字やヒトラーの肖像を掲げる、正真正銘のネオナチ部隊であることがわかる。
https://ukraine-now.hatenablog.com/entry/ukraine-neonazi
アゾフ大隊(後継のNational Corp=国民兵団)の公式プロモーション・ビデオより
https://vidmax.com/video/85574-meeting-the-donbas-battalion-in-ukraine
映像でもこのネオナチ「AZOV大部隊」を確認できる。陰謀論でも何でもない。
▼ Inside A White Supremacist Militia in Ukraine
https://www.youtube.com/watch?v=fy910FG46C4
▼ The Far Right Used the War In Ukraine as Training | Decade of Hate
https://www.youtube.com/watch?v=xC1oCpnDURc
この2つの動画では欧米諸国からウクライナのアゾフ大隊に白人至上主義者やネオナチが集結している様子が報告される。
▼ Azov Battalion: US Congress urges State Department to put Ukraine’s National Guard to terrorist list
https://www.youtube.com/watch?v=FUc_e4-GdlU
上述した米議会議員が、国務省にウクライナ国家警備隊をテロリスト入りさせるよう要請したことを報道するロシア国営放送。
▼ Meeting the Donbas Battalion in Ukraine
https://vidmax.com/video/85574-meeting-the-donbas-battalion-in-ukraine
この動画では、ネオナチ部隊がドネツク州の警察署や市庁舎を襲撃、占拠している。ロシア系と見られる警官や公務員は無抵抗。
AZOV構成員が「国は信用できないから勝手にやる」との向きで発しているが、無秩序を好む狂人であることが伺える。
ロシアのクリミア併合とドンバスの虐殺
2014年2月以降、親米ウクライナのクーデター政権軍がクリミア・不凍港セヴァストポリ奪還に向かうことを恐れ、親露派のセヴァストポリ議会は民兵部隊を増強、親ロシア/反クーデター政権のデモも行っていた。
デモ隊は市庁舎を占拠、議会は市長に親露派Aleksei Chalyを任命することで事態を収めた。
2月26日、クリミア議会では親露派とクーデター政権派が一時対立するが、話し合いにより親露派デモ隊が実行支配した。
後押しするように越境したロシアの特殊部隊が乱入、議会庁舎を完全に制圧した。
議会はSergey Aksyonovをクリミア自治政府の首長に任命し、ロシアの軍事介入を承認した。
ロシア軍は、3月3日にはクリミアの主要な軍事施設を制圧するという電撃的な作戦を実行した。
2014年3月16日、クリミアでは民主的な住民投票が行われロシアへの併合が決定される。(ロシア系住民60%、投票率80%以上、賛成票95%)
合法的な大統領ヤヌコビッチとクリミア自治政府から要請を受け、ロシア軍がクリミアを保護した。
欧米各国と主流メディアは「侵略だ」として、大批判キャンペーンを繰り広げた。
◇◇◇◇◇◇
2014年4月以降、ドンバス地域では州庁舎などを占拠したロシア系住民(反乱組織)とウクライナ・クーデター軍が複数回交戦、物量で勝るウクライナ軍は軍事的弾圧を強め、死者は数百名にのぼった。
6月2日にはウクライナ空軍の戦闘機による初めての空爆で民間人数十名が死傷。
http://www.kyivpost.com/content/ukraine/heavy-fighting-in-eastern-ukraine-as-government-restarts-active-phase-of-anti-terror-operation-350453.html
6月以降、ウクライナ軍は戦闘機や爆撃機、戦車、装甲車を投入。死者の規模も数千人に拡大した。
以降、数十回にも及ぶ戦闘や執拗な砲撃で、民間人も1000人以上が殺害されている。
電力や水の供給、交通インフラは寸断され、市民生活は窮地に追い込まれた。
このような惨状を受け、ロシア兵も秘密裏にドンバスに流入したとみられる。(ロシア側は否定しているが)
https://en.wikipedia.org/wiki/War_in_Donbas
国連の人権高等弁務官事務所(OHCHR)の2016年2月~5月の報告書では、ウクライナ政府の非人道的な行いが批判されている。サマリー部分から一部を翻訳する。
・・・・・・・・
2014年半ば以降、OHCHRは被害者やその親類、目撃者から約1,500件の証言を記録している。
これらの証言は、すべての当事者が人権侵害と虐待および国際人道法の違反に責任があることを示している。
とりわけ、これらの証言、および収集された民間人死傷者のデータは、民間人がこの紛争に最大の代償を払ったことを示す。
2014年4月中旬から2016年5月15日まで、OHCHRは、ウクライナ軍、民間人、および武装グループのメンバーの間で、ウクライナ東部の紛争地域で30,903人の死傷者を記録した。(うち9,371人が死亡、21,532人が負傷)
ウクライナ当局によって拘留された何百名もの武装反乱グループと民間人は、拷問・虐待されており、適正な手続きと公正な裁判の権利の違反に直面し続けている。
(中略)
ウクライナ当局は、紛争下に生きる人々の基本的自由と社会経済的権利へのアクセスを排除、制限する政策を採用することにより、頻繁に非差別の原則に反している。ウクライナ政府は紛争地帯に対し人権の補償や、多くの国際条約の義務を放棄している。
https://www.ohchr.org/Documents/Countries/UA/Ukraine_14th_HRMMU_Report.pdf
・・・・・・・・
ウクライナ政府軍や当局(この場合はアゾフなどの有志大隊も含まれるだろう)の非人道的な軍事弾圧に関する国連からのこのような報告は他にも数多くある。
このような国際的に信頼度の高い決定的な調査報告書がありながら、欧米の主流メディアが「ウクライナが正義でロシアは悪」とする一方的なプロパガンダを垂れ流す理由は、一体何なのだろうか。
2014年9月には「ミンスク議定書」により停戦が合意されるが、小競り合いは続き、12月までに1000人あまりが死亡している。
ロシア系住民の多いドンバス地方のドネツク州・ルガンスク州も独立を宣言、ロシアに庇護を求めていた。
2014年12月、廃墟となったドネツク空港
元アメリカ大統領候補のロン・ポールの外交顧問を務めるDaniel McAdamsは、「ウクライナ政府がドンバス地方で民族浄化を行っている」と報告している。
https://www.rt.com/op-ed/170592-cleansing-campaign-eastern-ukraine/
14年10月の時点で死者は4000名にのぼるといわれ、複数の遺体には、身体に拷問の痕跡があり、皮膚にナチスを象徴するカギ十字の焼き印が押されていたと伝えられる。
https://ukraine-now.hatenablog.com/entry/russian-ukrainian-war
元・駐ウクライナ大使の馬渕睦夫氏は以下のように報告する。
・・・・・・・
ウクライナ保安庁元職員のワシリー・プロゾロフ氏が暴露した。アメリカ、イギリスの情報機関は、ウクライナの情報機関であるウクライナ保安庁の秘密作戦計画と、実施に向けた人員訓練に直接関与している。
ウクライナ内戦、東部紛争での大虐殺では、東部に住む多くの人々が、ウクライナ軍、ネオナチによって、全ての関節がねじ切れるように吊るされ、目をくり抜かれたり、女性の胸を切り取ったり、体に図形を描いたりと、何十種類もの奇妙な虐殺遺体が発見され、井戸には死体が詰まっていた。
ある者は、足をワイヤーで装甲兵員輸送車に縛り付けられ、住民の目を楽しませるために村中に運ばれ、醜い死体は溝に捨てられた。
丸腰の人は残酷に殴られ、内臓を叩き切られ、関節を吊るされ、ナイフで切られ、骨を折られ、地面に生き埋めにされた。
そして、彼らはこれらの残虐行為を東部に住むロシア人だけではなく、ウクライナ政府黙認で、自国民であるウクライナ人に対しても行っていた...。
https://ukraine-now.hatenablog.com/entry/donbass-war
・・・・・・・
世界最大の国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」は、2014年にルガンスク州で散見された虐殺を含む残虐行為について、以下のように報告している。
・・・・・・・
ルガンスク北部地域で活動するAidar領土防衛大隊のメンバーは、拉致、違法な拘留、虐待、窃盗、恐喝、および死刑執行の可能性を含む広範な虐待に関与している。
Aidar大隊は、紛争の結果として出現した30を超えるいわゆるボランティア大隊のひとつである。
分離主義者の住む地域を奪還する際に、ウクライナ当局の治安部隊に統合さた。
この地域への2週間の調査任務の過程で、アムネスティ・インターナショナルの研究者は、数十人の犠牲者と虐待の目撃者、地域の地方行政当局、軍司令官、警察官、およびAidar大隊の代表者にインタビューをおこなった。
(中略)
停戦合意後に数十人を殺害するなど、Aidar大隊のメンバーによって犯された虐待のいくつかは戦争犯罪に相当し、加害者と司令官の双方が国内法と国際法の下で責任を負うに値するだろう。
(中略)
アムネスティはウクライナ当局に対し、Aidarと他の有志大隊を効果的な指揮統制下に置き、虐待のすべての申し立てを迅速に調査し、責任を負わせるよう要請している。
しかしウクライナ当局には調査を実施する余地がない。
https://www.amnesty.org/en/wp-content/uploads/2021/06/eur500402014en.pdf
・・・・・・・
2014年9月、英紙ガーディアンは以下のように報道。
:アゾフ大隊や他の有志大隊は、ウクライナの分離主義者(独立派)に対する戦場で最も強力で信頼できる部隊だが、紛争の際には、ウクライナ政府、そしておそらく国家にさえも最も深刻な脅威をもたらすのではないかという懸念が高まっている。ガーディアンは彼らの多くが不穏な政治的見解を持っていることに気づいた。アゾフ大隊の戦闘員の殆どが、東部の戦争が終わったとき『キエフに戦いをもたらす』ことに熱心である。
https://www.theguardian.com/world/2014/sep/10/azov-far-right-fighters-ukraine-neo-nazis
また、アメリカの退役軍人サイトはこう伝える。
「モスクワは、2014年の西側が支援したクーデター後、ネオナチがウクライナを支配していることについて海外に向け繰り返し警告を発してきた。しかし、西側諸国は、キエフ政権による人権侵害を無視することを選択した」
https://www.veteranstoday.com/2022/02/25/what-did-putin-mean-by-denazification-of-ukraine-and-why-is-it-so-important/
先日の2月21日のプーチンの演説では、ウクライナの極右ネオナチと西側金融資本のオリガルヒをしっかりと批判していた。
・・・・・・・
Essentially, the so-called pro-Western civilisational choice made by the oligarchic Ukrainian authorities was not and is not aimed at creating better conditions in the interests of people’s well-being but at keeping the billions of dollars that the oligarchs have stolen from the Ukrainians and are holding in their accounts in Western banks, while reverently accommodating the geopolitical rivals of Russia.
本質的に、オリガルヒに支配されるウクライナ政権が行ったいわゆる「親西側文明の選択」は、人々がより良い条件で幸せになることを目的としたものではなかった。オリガルヒがウクライナ人から盗み、西側の銀行口座に保有している何十億ドルもの金を守り、ロシアの地政学的ライバルに粛々とサービスするためのものであったのだ。
Some industrial and financial groups and the parties and politicians on their payroll relied on the nationalists and radicals from the very beginning. Others claimed to be in favour of good relations with Russia and cultural and language diversity, coming to power with the help of their citizens who sincerely supported their declared aspirations, including the millions of people in the south-eastern regions. But after getting the positions they coveted, these people immediately betrayed their voters, going back on their election promises and instead steering a policy prompted by the radicals and sometimes even persecuting their former allies – the public organisations that supported bilingualism and cooperation with Russia. These people took advantage of the fact that their voters were mostly law-abiding citizens with moderate views who trusted the authorities, and that, unlike the radicals, they would not act aggressively or make use of illegal instruments.
一部の産業・金融グループとその傘下にある政党や政治家は、当初からあの民族主義者や過激派を金儲けの道具として当てにしていただけだ。他にも「ロシアとの良好な関係や文化・言語の多様性を支持する」と表明し、南東部に住む数百万人の宣言した願望を、心から支持する市民たちと共に権力を得た者もいた。しかし、彼らは望んでいた地位を得た途端、有権者を裏切り、選挙公約を反故にし、代わりに過激派の求める政策に舵を切った。時にはかつての同盟であった多様性主義者や、ロシアとの協力を願う公的組織を迫害さえしたのだ。これらの人々は、有権者のほとんどが、当局を信頼する穏健な遵法市民であり、過激派とは異なり攻撃的な行動や違法手段を用いることはないという姿勢を利用したのである。
https://www.voltairenet.org/article215783.html
・・・・・・・
プーチンはクーデターの火がくすぶる2013年からしっかりと情報を得ていた。
14年2月の演説では、唯一の合法的な大統領であるヤヌコビッチから依頼を受け、軍事支援をすることにも触れながら、ネオナチとその背後にいるアメリカも批判している。
その演説から引用する。
・・・・・・・
プーチン:
私たちが一番心配しているのは何か。
私たちは、ネオナチ、民族主義者、反ユダヤ主義者が、(首都)キエフを含む各地で荒れ狂っているのを見ている。
ある地方の知事は、手錠をかけられ、広場に引き出され、真冬に水をぶっかけられた。
その後彼(知事)は、地下室に入れられ、そこで拷問を受けた。
これはなんだ?
これは民主主義なのか?
ちなみにこの知事は、ごく最近、(去年)12月に任命された。
(ウクライナの)政権が、全部腐敗していると仮定しても、彼(知事)には、何かを盗むひまもなかっただろう。
(中略)
西側のパートナーが、ウクライナでこれ(革命)をやるのは、はじめてではない。
アメリカのどこかで、研究室の職員たちが、ネズミに対して実験をしている、そんな印象を受ける。
翻訳はロシア・カルムイク共和国大統領顧問で国際情勢アナリストの北野幸伯氏
https://ameblo.jp/cargoofficial/entry-11790137417.html
・・・・・・・
2015年2月以降は膠着状態となったが、2017年1月からは戦闘と停戦が繰り返され、2019年以降はかなり鎮火する。
2020年の死者は、ウクライナ政府の発表では50名とされる。
2015年からのドンバスの戦闘で、国連報告では3400人の民間人が死亡したとされる。
またウクライナ軍は4600人以上、分離独立派は7000~27000人が死亡したと見積もられる。
https://en.wikipedia.org/wiki/Casualties_of_the_Russo-Ukrainian_War
欧米側の報道にしか接しない人も、「ドンバスで戦闘が起こった」「ドネツクやルガンスクで爆発が…」というような報道を見た覚えがあるだろう。
こういう報道が意味するのは、ドンバス地域の住民は、その地域から出ていないということだ。
つまり地域の住民はただ独立を願うのであって、ウクライナの他の地域に出撃などしていない。
このことからも攻め込んできているのは、ウクライナの政府軍やアゾフ大隊らネオナチ軍であることが伺い知れるのではないだろうか。
アメリカとNATOのステルス侵略
米国議会調査局によると、1991年から2014年にかけて、アメリカはウクライナに40億ドルの軍事援助を提供し、2014年以降は25億ドル以上、さらにNATO信託基金から10億ドル以上が提供されている。
イギリスも17億ポンドの軍事支援協定を結び、アメリカと共に兵器を売却したほか基地建設にも協力する。
https://www.voltairenet.org/article215489.html
また、イラクで虐殺を行った悪名高いアメリカの軍事企業「ブラックウォーター(現アカデミー)」は、ウクライナで軍需工場、民間軍事会社などの創設に100億ドルの投資する計画を進行させていたことが、2020年に明らかになっている。
https://time.com/6076035/erik-prince-ukraine-private-army/
NATO・欧米サイドが、着々とロシアを侵略する計画を進めていることが手に取るようにわかる。
14年9月には外国軍の駐留禁止を約束する「ミンスク合意」が交わされるが、以降も戦闘は継続。特に上記ネオナチ集団はドンバス地方の住民を虐殺、これまでに数万人が死ぬ内戦状態となった。
https://web.archive.org/web/20160124064419/https://www.reuters.com/article/us-ukraine-crisis-azov-idUSKBN0ML0XJ20150325
その結果、ドンバス地方の住民数十万人がロシア政府の庇護を求め、ロシアの市民権を与えられた。
14年6月、暫定クーデター政権が権力の座を降り、親欧米派のポロシェンコ政権が誕生。以降2019年まで続く。
ポロシェンコは自動車・製菓・農業・金融・メディア分野のオリガルヒだ。資産額が国内トップ10位に入る大金持ちであり、オレンジ革命にも財政支援した。
就任式には当時の副大統領バイデンも出席している。
https://en.wikipedia.org/wiki/Petro_Poroshenko
なお、ウクライナの50人のオリガルヒは、2008年にはGDPの85%、2014年にはGDPの45%、2021年のGDPの27%の資産を保有したとされる。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ukrainian_oligarchs
ポロシェンコは、EUとの連合協定に署名、EU参加への段階を進めたほか、ドンバス地方の独立を防ぐための法案を可決し、独立派の逃げ道を塞いだ。ウクライナの脱ロシア化を進め、NATO加盟への道を急いだ。
その反面、ロシアから石炭を輸入しようとしたとして国家反逆罪に問われている。富裕層のオフショアでの脱税を告発したパナマ文書やパラダイス文書にも名を連ねる。
2019年、ポロシェンコの不正・腐敗の発覚を機に、ゼレンスキーが大統領の座につく。
ゼレンスキーは元俳優・コメディアン・TVプロデューサーである。
彼もまたNATOへの加盟を急ぎ、ドンバスの部隊への資金提供の後押しも行っている。
https://en.wikipedia.org/wiki/Volodymyr_Zelenskyy
さらにゼレンスキーは、14年の「オデッサの虐殺」に関与、複数の罪で有罪判決を受けたネオナチのSternenkoをオデッサの安全保障局責任者に任命。ドンバスへの弾圧を強めた。
なお収監されていたSternenkoはアメリカの支援を受け釈放されている。
https://www.wsws.org/en/articles/2021/05/01/ukr-m01.html
ドンバスではアゾフ大隊の他、複数のネオナチ部隊が活動している。
いずれもナチス親衛隊やスヴォボーダ、アゾフ大隊とそっくりのエンブレムを使用している。
アゾフ大隊と同様に、ナチの紋章が使用されている。
https://en.wikipedia.org/wiki/Neo-Nazism#Ukraine
アメリカの挑発とロシアのウクライナ侵攻
2021年、アメリカ・バイデン政権が改めてウクライナ支援に動く。
3月以降、NATO加盟国の軍艦が南部オデッサに入港、アメリカ軍艦も黒海入りが予定された。
アメリカ軍はウクライナと大規模な合同演習を行うなど、ロシアを挑発。
アメリカは10月にはウクライナ国内に180基ものミサイルを配備した。
https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/ukraine-holds-military-drills-with-us-forces-nato-allies-2021-09-20/
https://open4business.com.ua/great-britain-and-ukraine-agree-on-joint-construction-of-warships/
https://open4business.com.ua/two-ships-of-nato-countries-enter-odessa-seaport/
https://newhaventimes.com/ukraine-war-st-javelin-and-the-missile-that-has-become-a-symbol-of-ukraines-resistance/
10月末、ロシアはウクライナ国境付近に部隊を移動させ、プーチンはNATOに「レッドラインを超えるな」と警告。
12月、バイデンは300人の軍事顧問団を派遣、ウクライナ軍の訓練を開始した。
https://www.businessinsider.com/putin-boasts-of-russias-hypersonic-missiles-in-warning-to-nato-over-ukraine-2021-11
https://edition.cnn.com/2021/12/08/politics/us-ukraine-security-assistance-military-training/index.html
ウクライナのゼレンスキー大統領は、外国人部隊の国内駐留を認め、市民権まで与えるとし議会にも承認させた。
2022年1月、上述したネオナチ部隊「アゾフ大隊」を含むウクライナ軍15万人がドンバスに集結する。
https://www.voltairenet.org/article215489.html
この頃までのドンバス・独立派側の死者は3万人に及ぶという。
2月、ウクライナ軍がドンバスに向けて数百発を砲撃。
ロシアはドンバス(ドネツク州とルガンスク州)の独立宣言を承認、友好国として待遇する。
https://sputniknews.com/20220217/ukrainian-armed-forces-fire-mortar-shells-grenades-on-4-lpr-localities-1093099627.html
2014年に「ウクライナ危機を誘発した大きな責任は、ロシアではなくアメリカと西側同盟国にある。NATOの東方拡大とオレンジ革命を支援したことが原因だ」と結論付けた、世界的に有名な政治学者、ジョン・J・ミアシャイマー教授(シカゴ大学)が、2月15日にウクライナ危機について以下のように語っている。
・・・・・・・
アメリカはあらゆるロシアのものに制裁を強いて、ヨーロッパの「同盟諸国」を経済自殺するよう駆り立てている。
アメリカは、もっと注意深くあるべきだ。
ヨーロッパは、ロシア石油最大バイヤーの一人で、その航空機産業はロシアからのチタンに頼っている。
ロシアは誰が最も自分を傷つけようとしているか確実に知っており、ロシアはどのように反撃すべきか確実に知っており、そうする手段を持っている。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2022/02/post-1b9147.html
・・・・・・・
ロシアのプーチン大統領は2月24日木曜日の朝にテレビで放映された演説で、ドンバス共和国の首脳からの要請に応えて、「ウクライナ政権による8年間の大量虐殺に苦しんでいる人々を保護するために、特別な軍事作戦を実施することを決定した」と述べた。
「モスクワにはウクライナの領土を占領する計画はない」とも強調した。
https://tass.com/world/1411621
◇◇◇◇◇◇◇
以上、これがロシア視点で見たロシア-ウクライナ情勢だ。
(*3/1追記) ロシアの視点がすべて正しいわけではないが、あまりにも主流メディアによるロシアを完全な悪とする報道が目に余り、私が代弁したかたちだ。
マスコミの正体が、大資本家たちの宣伝機関であることを忘れてはならない。
注意していないと、「大量破壊兵器を持ってる」とか「油田を爆破して水鳥を油まみれにした」、または「軍事独裁政権がサリンガスをばら撒いた」などとウソをつき、憎悪を煽り、100万人を虐殺させる結果に導こうとする。
大資本家たちは、中東の石油で金儲けするのを邪魔してきたプーチンが嫌いなのだろう。
ロシアのタス通信によると、2月26日朝、ゼレンスキーはプーチンの提案を受け入れ、停戦・和平交渉の準備ができていると発表した。交渉の場所と時間について協議が進行中だということだ。
https://tass.com/world/1411621
しかし欧米メディアは「ウクライナ大統領、徹底抗戦表明『国を解放するまで戦い続ける』」と、戦闘継続を煽っている。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/739725
以上、私が今言えるのは「戦争反対」くらいで、現在の情勢を評価することはしない。
◇◇◇◇◇◇◇
できたら読み終わったら、下記の日本の報道動画も観てほしい。
アメリカに都合の悪いことは総じて書き換えてしまって、ネオナチのことなどまったく報道しない。
とにかくロシアを悪者に仕立て上げようと、あまりにも偏った報道であることに気づくだろう。
腹立たしいことこの上ない。
だから私は、CNNもBBCも日本のメディアも、すべて関テレみたいなもんだと言うのだ。
▼テレ東:「親ロシア」か「親欧米」で揺れ続けるウクライナ ロシアがウクライナにこだわるワケ(2022年2月18日)
以上、長文をご覧いただきありがとうございます。
cargo
#ロシア#クーデター#ウクライナ#アメリカ#オリガルヒ#自作自演#偽旗作戦#戦争#戦争反対#国際金融資本