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「誰が、どうやるのか」が大事

個人がブランドを立て、それを生業なりわいにしていくには、「何をやるか」よりも「誰が、どうやるか」が大事だなと強く感じます。

例えばわたしの運営する『じぶんジカン』で言えば、ノートの販売が「何を」に当たります。ノートの販売って、すでにやっている人がたくさんいて。文房具メーカーもそうだし、個人でもそうだし。何なら今から誰でも始められるような、イージーなタイプの事業です。

でも、この「ノートの販売」を生業の軸にできている人は、きっとそんなに多くない。つまりは「ノートの販売」自体に収益性があるわけではなく、それを「誰が、どうやるか」の部分がカギとなっているということです。

「何をやるか」の部分だけで戦っていけるのは、それまでにない画期的なものを生み出したときとか、誰もやっていないことができる場合です。

でもそんな革新的なものを生み出すのって、なかなかできることじゃない。たいていの場合は、既にあるものやサービスを扱うことになります。

既存のものを、「こうだったらいいのに」とか「これがあったらいいのに」と改良して、誰かにとってのちいさな課題を解決するものにアップデートして、お届けする。

その時に重要になるのが「誰がやるのか」と「どうやるのか」の部分です。

「誰が」については、「なぜやるのか」にも関わります。なぜ自分がやるのか。どういう想いで、どんな背景を持った人がやるのか。その人のキャラクターなんかも含まれます。

『じぶんジカン』で言えば、『自分の本音を無視した結果、適応障害になって一度メンタルを崩し、自分を取り戻すためにひたすらノートに綴って自分と向き合ってきたわたしが〜〜』みたいなことです(くわしくはWebサイトに書いています)。

くわしくはこちらをどうぞ

そして「どうやるのか」は、見せ方や差し出し方にまつわることです。どういう雰囲気で、どういうコンテンツで、どこで販売して、どういう届け方をするのか。ブランドにまつわるすべての要素の部分ですね。

昨年から『ちいさなブランドの学校』を開いて、みんなでブランドについて考える場所をつくったのは、この「どうやるのか」の部分をもっと育てていけたらと思ったからです。

多くの場合、「何をやるか」だけに注力して生業にできるブランドはまれです。個人でものづくりをしたり、サービスを提供したりしやすくなった世の中で、似たようなことをしてる人が既にいたり、何なら自分が初めた新しいことだって、すぐに真似されてしまったりもします。

そんな中で、せっかく自分で何かを始めても、なかなか生業にならず「上手くいかなかった」とあきらめてしまう人を多く見てきました。でもわたしから見ると、「もっとやれることがあるのに…!」と感じてしまうのです。想いを持って始めたことはとても素敵なのに、「誰が、どうやるのか」の部分に向けていないのが、もったいないなと感じるのです。

日本人のさがなのか、「何を」の部分を追求するケースが多い気がします。例えば日本の家電メーカーが、「そんなにてんこ盛りな機能要る?」ってぐらいの家電を出すみたいな感じで。本当にアップデートすべきは、そこなんだろうか?って感じること、きっとみなさんもあるのではないでしょうか。

もちろん、良いものをつくることは大事。
より良いものにしようと改良するのも大事。

でもこれだけもの・サービスが溢れている世の中で、「何を」を追求するだけでは、届けたい人に届かない。それに「働く」っていうのは、必要としてくれる相手とのコミュニケーションがあってこそ。だから、相手にちゃんと届くような差し出し方が大事だと思うのです。

自分がやる意味、このブランドが存在する意味を、ハッキリさせること。

届け方や差し出し方を、デザインすること。

そこに目を向けられると、「自分が楽しいことで、誰かを少しハッピーにする」が生業になっていくんじゃないかなと思います。

「何を」に加えて「誰が、どうやるのか」。

想いを持って始めたブランドを、そんな視点でもぜひ磨いていけたら。わたしも引き続き、意識していきたいことです。この視点が、何か参考になりますように。


▼ちいさなブランドにまつわるnoteはこちらのマガジンにまとめています



ちいさなブランドをつくるための、ひとつの参考書のような本をつくりました。

・自分のブランドをつくってみたい方
・つくり始めたばかりの方

に向けた内容となっています。自分のお店やブランドを大切に育てるために、ご活用いただけたら嬉しいです。



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じぶんジカン松岡
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