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頭のなかにある思考のエッセイ

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自分のなかにもやもやと浮かぶものの輪郭をとらえたくて綴る、文章の置き場所。主に自分のための言葉たち。
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2022年5月の記事一覧

自分は何者なんだろう、の答え

「自分は何者なんだろう」と、モヤモヤしていたことがある。 今でこそ「じぶんジカンを運営している人」という肩書きがあるけれど、そう胸を張って言えるようになるまでのしばらくの間「自分は何屋さんなんだろう」と思うような日々が続いていた。 特に、2019年にライターを辞めたあと。 じぶんジカンはまだまだお小遣いのような売上しか出ていなかったし、キャンプの仕事もしていたり(2020年には著書も出している)、編集の仕事もしていたり、Webサイト運営の収入も大きかったり。 ブランド

いつか、カフェをやってみたいんだよね

「いつか、カフェをやってみたいんだよね」 立ち並ぶビル群が絵画のように窓枠におさまる、東京駅近くのカフェ。こじんまりとした丸テーブルを挟んで座る友人の手元に向かって、ぽつりとつぶやいた。 3年とちょっと前、まだわたしが20代の頃の話。 将来を熱く語るでもなく、自分のことなのに他人のことを話すような温度で口から出たその言葉は、所在なくふわふわと漂っている感じがした。 「へえ、そうなんだ」と呟いて、カフェラテを一口飲んだ友人が続ける。 「でも、意外かも。たくさんの人と関

10年後の自分も好きでいるために

YouTubeで流れてくる素敵なモーニングルーティンを観て、「えっ、みんな素敵な朝を過ごしすぎじゃない?」と目を疑う。 早朝に起きてヨガをしたり、おしゃれな朝食をつくったり、ハンドドリップでコーヒーを淹れて、小掃除をして、半身浴をして……などなど。 朝が苦手で寝起きの起動が遅く、朝食はヨーグルトだけで、寝ぼけ眼で髪と顔を整えたら、歯磨きしながらスマホで漫画を読んでから仕事をスタートするわたしの朝とは、大違いである。 こういう動画を観て、きっと多くの人は「わたしも素敵な朝

「自分ならできる」と思える場所まで

「思い切りが良いように見えて、実はしっかり考えてから選ぶよね」 働き方について話している中で、夫がわたしにそう言った。 字面だけ見ると「思い切りの良い選択」をしてきたように見えるからか、「勇気があるよね」とか、つまり悪く言えば「無鉄砲だよね」というような印象をもたれることが割とある。 会社員をやめてフリーライターへ。 ライターをやめて編集業へ。 クライアントワークをやめてじぶんジカン専業へ。 たしかに経歴だけ見ると、無鉄砲な感じに見えなくもないかも。 でも、実は一か

センスや感性に引け目があって

「センス」や「感性」というものに、ずっと引け目があった。 印象に残る写真を撮る人や、やわらかくて温かい言葉で表現をする人、シンプルなのにハッとするようなデザインをする人、洋服やインテリアのセレクトが素敵な人。 そういう人たちに憧れながらも、感性やセンスとは無縁で生きてきたような気がする自分には、到底近づけない場所なのだと思っていた。 最近、5月7日開催のじぶんジカンONE DAY SHOPに向けて、一緒に出店をしてくれるキャンドルブランド「plyon」の作家・shuuk