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ジストニアと向き合うために、症状の意味を問い直す

私は、人前で話すとき、緊張して涙が出やすいんです。

別に悲しくもないのに。

涙が出てしまう。

嫌だなーとは思うけれど。

でもそれって、不安や居心地の悪さから解放されることを体が求めているからなのですよね。

ジストニアの症状も、これと同じなのです。

体勢の居心地の悪さや、感覚の心地悪さから体が解放されたがっているための症状。

症状を感じている本人からしたら、
たまったものではないほどの苦痛です。

けれど、体にとっては意味のあるもの。

そうは言っても、辛いから。

とてもそんなことは考えていられないことは、百も承知なのだけれども。

それでもやっぱり、意味のあるものだと考えてみてもらいたい。

それは、そうすることで一時的な楽を求めることが減るから。

出ている症状よりも、症状が出ている原因の方に意識が向いて、良くなるための行動に変わっていくから。





ジストニアになると、あらゆる所に痛みが出てきます。

首、肩、四肢、胴体、顔面などなど。

やはり症状が強く出ている場所に、
痛みも強く出やすい。

だから、手術や薬やボトックスに
頼りたくなるのですよね。

私も、瞼の症状が出たときまっさきに手術に飛びつきました。

楽になりたかったから。

けれど、うまくいかなくて。

悪化していって。

そんな中、自分の体で実験するようになりました。

指輪、ブレスレット、ネックレス、
髪型、メガネ、そのほかいろいろ。


あらゆる方法で体の変化を観察してみました。

そうするうちに、あれ?
と思うようになったんです。

もしかして、症状には意味があるのかもしれない。

例えば、手首にブレスレットをはめてみたとき。

例えば、ズボンのポケットに
ハンドタオルを入れてみたとき。

例えば、前髪を上げてピンで留めてみたとき。

何か、体のバランスが取れる感覚がありました。

そして、バランスが取れると症状が軽減する感覚も。

ここから、症状は必要なんだって
自然と思えるようになりました。


症状は、体を保つために必要なんだって。





ただ、そうは言っても、相手はジストニア。

気持ちに余裕がないのも、痛いくらい理解できます。

さっさと今の症状から、一時でも良いから解放されたいって。

だから、ちょっとだけ痛みや硬直、不随意運動から解放された時に。

ちょっとだけ気力が湧いた時に。

考えてみてほしいです。

ジストニアに限らず、何かしら体が反応したことで助かった経験ってないだろうか、と。

お腹をくだして、痛かったけれど楽になったとか。

火傷しそうになって、素早く手を引っ込められたとか。

顔に物が飛んできそうになって、
とっさに顔をそらせたとか。

そうやって考えてみることで、
確かめていってもらいたいです。

体は常に身を守ろうとしてくれてるって。

ジストニアにも、意味があるのかもしれないって。

そうすることで、強張っていた気持ちがほぐれるかもしれないから。

何か、別の治療に可能性を持てる
きっかけになるかもしれないから。

※ヘッダー写真は、クリエイターさんの画像をお借りしています。
ありがとうございます😊

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頑張りたい理由がある人へ | ジストニア体験者・研究家 永松ひさこ
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