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ジストニア症状が辛いとき、無理せず踏み出すための心の持ち方【健康エッセイ】

健康な人でも、怪我すれば、日常生活もままならないことがある。

そんな中で新しいことを始めよう、なんて考える人は、かなり少ないと思う。

新たなことは、気力・体力ともに、ある程度ついてからでないと、できない。





10年ほど前、高校時代のミニ同窓会のようなものが開かれた。

その頃は、まだ不随意運動(ジストニア)が強かった。

声が出なかったり、歩くのが辛かったり。

だから、この会に呼ばれた時は、正直、まったく気が進まなかった。

精神的にもまだ不安定で、人に対する恐怖心もあった。

久しぶりの同級生たちに会うことも、今の自分の姿を見られることも、怖かった。

けれど、今の治療には出会えていて、一時期の酷かった状況からは少し脱することができていた。

人生を変えたいとも思っていた。

この会に参加しなければ、ずっとこのままの人生が続いてしまうのかもしれない。

今が人生の変えどきかもしれない。

そう思って、自分の気持ちにも体にも鞭打って、参加した。

結局、行って良かった面は少しはあるけれど、心身ともにとてつもない疲労感に襲われて、その後立ち直るのに時間がかかってしまった。





「どんなに小さくても良いから、一歩を踏み出すことが成功の秘訣ですかね」

成功している人がそのように言うと、多くの人はその通りだと思うかもしれない。

「そうだよな、小さな一歩が大事だよな」と。

けれど、病気で苦しんでいる人にとっては、その一歩すらも、とてつもなく大きな挑戦に感じてしまう。

動かなければいけないことは、わかっている。

このままで一生を終えることは嫌だ。

だから、同窓会に行った時の私のように自分を鼓舞して、無理矢理、一歩を踏み出す人もいるかもしれない。

踏み出さない自分を負け犬のように感じそうだから。

でも、恐怖に駆られた行動だから、体に負担をかけて、返って体調を崩してしまう。

結局、動けなくなって、精神的にも落ち込みやすくて、自己否定を強めてしまう。

外に踏み出せない自分は、なんて情けない人間なのだ、と。





確かに日々の生活に変化が起きると、状況は変わりやすい。

そうやって成功している人をみると、自分も、という気持ちになる。

その際、私もそうだったけれど、実際に何か新たに始めたり、行動することだけを一歩だと思いやすい。

けれど、新しく始めなくても、家の中にいながらも、変化を起こせる方法はある。

むしろ、不調を抱えている人にとっては、まずそこを大事にしてほしい。

食事に気をつけること。

日々のストレスをなくすこと。

物事の捉え方を変えてみること。

心身にかかる重しを徐々に軽くして、できる限り日々の負担を減らすことが先決。

そうすることで、体調そのものが
段階的に良くなってくる。

気分も同じように良くなってくる。

そしたら、自然と実際に外に向けて、小さな一歩を踏み出したくなるものだ。

焦る必要はない。

ゆっくりゆっくり、外に踏み出せる体力と気力をつけていこう。

一歩ずつ一歩ずつ、日々を楽なものにしていこう。

※ヘッダー写真は、クリエイターさんの画像をお借りしています。
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頑張りたい理由がある人へ | ジストニア体験者・克服研究家 永松ひさこ
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