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宇宙に行くことは地球を知ること、を読んで

この本!すっごく面白かった!
私の好奇心にぶっささりでした!
今年No. 1!

新書や小説はKindleで読むことが多いのですが、面白い箇所が多すぎてマーカー機能で真っ青になりました!

この本は宇宙飛行士の野口聡一さんと音楽家の矢野顕子さんの対談本です。

基本的には宇宙が大好きな矢野さんが、野口さんに質問をぶつけていくようなスタイル。

矢野さんは宇宙に関しては一般人なので私たちと同じ視点の質問をどんどんぶつけてくれます。

加えて、音楽家ならではの感覚でのお話もあるので、宇宙にも音楽にも興味はあるけど何も知らない私からすると宝の山な一冊でした。

別分野のプロフェッショナル同士の対談が好き!

私は、別分野のプロ同士の対談の本や記事を読むのが大好きです。

この本では、宇宙がメインテーマなので野口さんから矢野さんに音楽のことを質問して掘り下げていくことはほとんどありませんが、

“音のない世界を音で把握したい”矢野さんと技術者でありながらも“自らの感性だけで宇宙を理解したい”野口さんの対談。激アツです。

プロだからこそ見えている世界の話もそうですが、相手の分野から何かを学びとろうとする姿勢がすごいし、共通項が見えてくるのも面白いです。

気が向いたら別で感想を描こうと思いますが、「IPS細胞の山中教授×将棋の羽生善治永世七冠」が最高でしたね。AIをテーマに対談します。最強棋士相手に「なぜプロ棋士は人工知能に負けたのでしょうか?」と質問する山中教授。すごい対談です。すみません、話がそれましたね。


宇宙って、無重力って、不思議すぎ!すごい!

地球の重力があることが当然の私たちからすると、野口さんが宇宙で体験した地上と宇宙での知覚の差の話はとても面白いです。

目を閉じると自分の足が伸びてるか曲がってるかわからないらしいです。

筋肉に常に重力がかかっていて、重力に逆らって動かしているという情報を脳で処理しているので、目を閉じたらわからなくなるそうです。

他にも、宇宙ステーションでの水平の捉え方、真空環境での温度や音の感じ方など面白い話がたくさんあります。

大宇宙航海時代

イーロンマスク率いるスペースXをはじめ、様々な宇宙開発ベンチャーの話も出てきます。

ちょうど今、野口さんは宇宙にいますが、乗った宇宙船はスペースXのクルードラゴンです。どうやら、ボーイング社とスペースXの開発対決があって、スペースXが勝ったみたいなんですが、どこでどんな差があったのか、宇宙飛行士視点で語られています。

宇宙は関係ありませんが、開発をしている身としては勉強になりました。

また、スペースXと自分の働き方での共通部分を見つけられたのは嬉しかったです。(向こうはイケてるスーパーベンチャーなので、それが良いかどうかは別問題。笑)

これからどんどん宇宙開発も進むと、本当に一般人が宇宙に行くことができるようになる。どうやら、宇宙に行って、地球見てすぐ帰る日帰りみたいなのだと安く済む上に安全らしいのでぜひ参加したい。飛行機乗って外見たら地球見えるみたいな感じでしょうか。楽しみです。

宇宙の経験から日常生活に活かせること

宇宙生活の経験から野口さんが日常で意識していることが、気負わず実践できそうで良かったです。

自分ができることとできないことを客観的に分けること。
自分に過度の期待をしすぎないこと。まだできる、もうちょっと頑張れるということを繰り返していると、身体より先に心が参ってしまいます。
しっかりご飯を食べて運動して休息をとり、身体と心の健康を保つこと。今日の夕食は少しゴージャスにしよう! とか、ちょっとした彩りや変化を与えながら。
何より大事なのは、遠くを見過ぎずに一日一日を積み重ねることです。
(位置NO.2370/2577より引用)

特に、自分に過度の期待をしすぎないこと、って言うのがとても印象的でした。

大概、一流の人ってどこか我が強いというか、信念の強さで圧倒するみたいなストイックな方が多いですが、野口さんは少し違うみたいです。

やはり、過信してミスると仲間の命も失ってしまうという目標はチャレンジングなのに確実さが大事な特殊な職業ならではなのでしょうか。

自分は、無理しないように、壊れないように頑張るようにしたいと思います。

質問上手な矢野さん

ここまで宇宙についてや野口さんの話題ばかりでしたが、この本を楽しく読みやすいようにしてくれているのは間違いなく矢野さんです。

冒頭にも書きましたが、矢野さんは音楽という分野ではプロフェッショナルですが、宇宙については一般人

読者と同じ目線での質問の中に、音楽家としての感性が含まれていて、本当に面白い。

幼い頃から音とともに生きてきた私にとって、音が聞こえないことは、目が見えなくなる以上にものすごく恐怖です。と同時に、無音の宇宙空間でどんな音が自分の中で感じられるか、楽しみでもありますね。それはつまり、その人が地球上でどういう生活をしてきたか、いったい何を見てきたかという蓄積のもとに宇宙に行き、ある風景に置かれたときに、どういうものを心に感じるかにかかってくるわけですよね。宇宙で同じ風景を見たとしても、個々の人はまったく違う体験をするのかもしれない。
(位置NO.299/2577より引用)

私は宇宙空間で何を感じるだろうー


この本は宇宙について全然知らなくても楽しく読める本でした!人によってはこの本きっかけに宇宙にハマることもあるかも!

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