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上級ハムの試験問題を理解する試み(13)

令和元(2019)年12月期の問題です。

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コイルの性質は、レンツの法則によって説明することができます。磁束Φが変化するとそれを妨げる向きに起電力が発生する、つまり、起電力の大きさが-dΦ/dtに比例すると言えます。一方、アンペールの法則によって電流Iの周りには磁界が生じます。磁界Bと磁束Φとの関係は、Φ=BSと表すことができます。ここでSは面積です。以上を組み合わせると、
コイルに電流を流したときに生じる起電力はV=-LdI/dtと書くことができ、Lをインダクタンスと言います。
コイルによって発生する磁束が別のコイルと交わると、そちらでも起電力が発生します。これを相互インダクタンスと言います。
この問題では、2つのコイルL1, L2が、それぞれ相互インダクタンスMで結合している場合を扱っています。注意しなければならないのは磁束の向きで、問題文によって2つのコイルは同じ向きの磁束を生じるように配置されています。このとき、2つのコイルの合成インダクタンスは、L1+L2+2Mで表されます。係数2は、L1による磁束がL2で生じる起電力と、L2による磁束がL1で生じる起電力の重ね合わせを考える必要があるからです。
問題で与えられている数値を代入すると、80[μH]+20[μH]+2M=180[μH]が成り立ちますので、M=40[μH]です。

正解 2

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