カーボン釣り竿直接給電アンテナに関する考察 (4)

これまで、カーボン釣り竿直接給電アンテナについての考察を行ってきた結果、考え方については大きな間違いがないという確信を得ました。最後に、実際の使用条件に近い状況での測定結果を示します。

長さ3.2mのアルミパイプと、ほぼ同じ長さになるように段数を調整した釣り竿を、地面に接地したバーチカルアンテナとして動作させてみました。その結果、アルミパイプの共振点ではインピーダンスが67Ω、カーボン釣り竿では101Ωと求められました。理想的な接地の場合にはインピーダンスが36Ωであることがわかっていますので、接地抵抗が31Ω、カーボン釣り竿による損失が34Ωであることがここからわかります。接地抵抗が無視できる状況が用意できれば、効率は34/(34+36)=0.49であり、-3.1dBとなります。

もちろん、長さ3.2mというのは多くの方々が実際に使っているものより短いので参考にしかなりませんが、いままでの計算とそれほど外れていないということが重要です。アンテナの性能は開口面積、すなわち実効長の2乗に比例します。アパマン局で短縮アンテナを使っている場合には、長さによる効率の増加と抵抗による損失のどちらが大きいかということが、このアンテナを検討するときのヒントになるでしょう。

以上、4回にわたって書いてきました。まだ疑問が残っているところもありますが、ひとまずこれで区切りをつけたいと思います。悪文失礼しました。de JI3XOK/8

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