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「カブ主」になりました(その2)
前回は、1987年式のC70を手に入れて試運転をするところまでを書きました。単車は人がむき出しのまま乗って走る乗り物なので、きちんと整備をしておかないと安心して乗ることができません。近所のバイク店に行ってタイヤの交換その他をお願いしました。カブのタイヤなら自力で交換することも可能でしょうが、一度プロのメカニックの目で状態を確認してほしいという気持ちもあったのです。
実際のところ、タイヤ交換作業中にリアホイールに錆穴が見つかったり、ベアリングが使用限度を超えていたり、スピードメーターの歯車が破損していたりと、おそらく自分では見つけられないようなトラブルをいくつも報告され、年式相応の使われ方をしているのでいつ壊れてもおかしくないという状況という現実と向きあうことになりました。とはいえ、整備されたという安心感だけで満足して、数か月は乗り続けました。その間、ガス欠によるエンストに対してリザーブタンクに切り替えればいいと思わずに、エンジンが故障してしまったと思い込んでバイク屋に持ち込むという失態をやらかしたりしました。ただ、これは悪夢の序章であり、エンジンオイルの残量を確認するという始業点検の基本をしていなかったので、さらなる悲劇が待っていました。
いつものように走って、家に向かう途中でまたエンジンの調子がおかしくなりました。前回はガス欠だったので今回はリザーブを使えばいいだろうと、燃料の残量をみても、まったくガス欠になるような量ではありません。このときこそエンジンの故障を疑えばいいのに、不調のまま乗り続けていたら、いやな音がしてエンジンが止まってしまいました。症状からエンジンが焼き付いたことは確実です。こうなると、押して帰るしかありません。ロードサービスを頼む気にもなりませんでした。自分の馬鹿さ加減にあきれながらもなんとか自宅までたどりつきました。あとでエンジンオイルの残量を見たら、全く入っていません。手に入れたときにオイルを交換して規定量を入れたので、そのことに安心しきっていてオイルが消耗している可能性を全く考慮していなかったのです。もちろん4ストロークのエンジンは正常に動作していればエンジンオイルが極端に減ることありません。しかし、かなり年数を経たエンジンなので、最初のうちは異常がないかどうか確認し、またエンジオイルを抜いて異物や金属粉が混じっていないか見ておく必要があったのです。
いちど単車のある生活を経験してしまうと、もう元には戻れません。問題はこの焼き付いたエンジンをどうするかということです。まともに修理にだすと、手に入れた値段と同じくらいの費用がかかってしまうことは容易にわかります。だからといって買い換える気にはなりません。ネットで情報をあさったり、他の「カブ主」さんからのアドバイスを総合して判断すると、どの程度のダメージを受けているのか、エンジンを開腹してから考えるのがいいだろうということになりました。また、同時期のエンジンがみつかれば積み替えるのもありだろうということでした。例によって某ネットオークションを見ているとC70のエンジンがいくつも出品されています。スーパーカブはロングセラーなので何度もモデルチェンジがあり、私の場合に特に重要なのは、電装系が6Vから12Vに変更された1987年と、次のフルモデルチェンジが行われた1993年の間に作られたものを探す必要があるということです。
どのみち大手術が必要となるので物置を片付けて作業スペースを確保し、単車をそこに移して時を待ちました。
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