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上級ハムの試験問題を理解する試み(3)

平成31(2019)年4月期のA-3を解いてみましょう。

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まずはスイッチsが開いている場合を考えます。閉回路を流れる電流はどこでも等しいので、これをIとおくと、キルヒホッフの第2法則よりV=IR1+IR2が成り立ちます。ab間の電圧はIR2ですから、Iを消去すると VR2/(R1+R2)が得られます。このような回路を分圧回路と呼びます。問題文によってR1=R2=40[kΩ]であることが分かっていますから。これを代入すると、ab間の電圧はV/2と求められました。
次に、sを閉じた場合です。R2とR3が並列になりますので、合成抵抗をR’として考えると、上と同じように分圧回路になり、ab間の電圧はVR’(R1+R’)、ここで、1/R’=1/R2+1/R3です。R2=40[kΩ]、R3=10[kΩ]なので、R’=1/(1/40[kΩ]+1/10[kΩ])=8[kΩ]と求められます。したがって、ab間の電圧はV/6となります。sを開いたときの電圧はV/2であるので、これはsを閉じたときの3倍です。

したがって、正解は2です。


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