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TS-820V(S改)のレストア (その1)
アマチュア無線の世界に戻ってきて早くも5年がたちました。旧コールサインを復活させて昔の勘を取り戻すところまでは来たので、次の5年は本格的に短波で遊んでみようと新しい無線機を探すことにしました。いつものように、某ネットオークションを眺めて予算の範囲で落札できそうなものを狙うのですが、動作未確認ジャンクのTS-820Vが即決価格で売れ残っているのを見つけてしまいました。オークションで出回っているものには、中の部品が抜かれていたりすることすらあり、商品説明と写真、そして自分の勘を信じて勝負に出るかどうかを決めることになります。今回のポイントは、背面のVFOコネクタ(9ピンミニチュア管ソケット)に刺さっているはずのジャンパーが欠品していることで、これが無いとVFOが動作しないために不動品と判断されてしまう可能性が高いのです。即決価格だということも手伝って、勢いで購入を決定し、代金を支払い、商品が届きました。さっそく、予備として持っていたVFOのジャンパーピンを差し込んで電源を入れると、予想通りVFOが動作し、周波数のデジタル表示が現れました。
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ただ商品説明の写真を詳しく見ていなかったために、スイッチのノブに欠品があることとVFOのつまみが破損していることに気づいていませんでした。それでも予想があたったと喜んで、ダミーロードをつないで送信テストをしてみると100W近い出力が出てきました。これも、商品説明の写真で、TS-820V(10W機)にはついていないはずの冷却ファンがとりつけられていることから、おそらく100W改造をしているに違いないと予想していたので、この段階では見事に賭けに勝ったと確信していました。しかし、それが間違いだということに気づくのにはもう少し時間がかかったのです。(続く)