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上級ハムの試験問題を理解する試み(4)
令和元(2019)年8月期の問題を解いてみましょう。(これまで書くのを忘れていましたが、いまのところはすべて2アマの問題です)。
直流ブリッジ回路の一般の場合(平衡していない場合)を扱うの大変ですが、平衡している場合は簡単に求められます。RA, RB, RC, RXの4つの抵抗と、Rの抵抗の働きを分けて考えます。平衡とは、Rに電流が流れない状態のことを言い、Rのところには実際には検流計などのように平衡しているかどうかを確認する回路をつなぐことになります。さて、Rに電流が流れないと仮定すると、Rの両端で電圧は等しい、つまり、VX=VCが成り立っている必要があります。加えて、Rには電流が流れないので、回路からRを外してしまっても電流の流れには影響しません。そうすると、RAとRXによる分圧回路と、RBとRCによる分圧回路の二つが同じ直流電圧源Vに接続されていることがわかるでしょう。
分圧回路によって、VX=V RX/(RA+RX), VC=V RC/(RB+RC)が作られ、両者が等しいことからRX/(RA+RX)=RC/(RB+RC)という関係が求められます。これをRxについて解けば、RX=RA RC/RBが得られます。
したがって、正解は4です。