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”カブタコ”の試作

 スーパーカブにはタコメーターがついていません。速度計にはシフトの目安を示す目盛りがありますし実用上はタコメーターがなくても全く不自由しないのですが、エンジンをいじるようになると回転数が知りたくなってきました。バイク用品店が外付けのタコメーターを販売していますので、それを買ってきてとりつけてしまえば済むのでしょうが、原理としては一定時間にパルスを数えて表示するだけなのでPICマイコンで作ってみることにしました。何度かの試作の末、出来上がったのが次のような回路です。

カブタコの回路図

回路図を見ればわかるように、PULSE端子からの入力をQ1でレベル変換、波形整形をしてPICに入力しているだけです。これをPICのTIMER0を使ってカウントします。TIMER0は8bitカウンターなので、最高で255までしか数えることができません。最小桁を50rpmでは12,750rpm、100rpmでは25,500rpmとなります。それぞれ測定時間は0.6s, 0.3sとなります。これはTIMER1を使って内部クロックから生成します。測定した回転数を数値として液晶画面に表示させるだけではなく、バーグラフで視覚的にわかるようにもしました。私のC70だと10,000回転もあれば十分ですが、50ccエンジンだともっと回るそうなので、フルスケールを10,000/16,000rpmに設定しました。これは、RA5ポートを使って切り替えられるようにしてあります。
 加えて、電源電圧のモニター機能を内蔵しました。R1,VR1,R2で分圧してRA4(AN3)に入力し、PIC内蔵のA/D変換機能を用いて測定します。これも液晶画面に表示させます。さらに起動時にはバッテリー電圧が低いときに警告するようにしました。
 プリント基板はPCBEで製図し、ガーバーデータのファイル名を変換してJLCPCBに注文しました。感光基板にパターンを焼き付けてエッチングするという昔ながらの方法で試作しようとも、肝心な感光基板がもう手に入らないのは残念です。(私の探し方が下手なだけかもしれません)

プリント基板

基板の写真を見ればわかるように、両面スルーホールで作ってあります。数か所修正が必要なところがありますが、対応可能な範囲におさまりました。基板を発注する段階で、この装置の名前を”カブタコ”とつけてあります。名前を考えるセンスがないのは仕方がありません。

テスト中

 慎重に組み立てて各部の電圧を確認してみると、液晶バックライト以外の機能は正常に動作しました。パルス入力はファンクションジェネレーターから入れてあります。唯一動作しなかったのが液晶のバックライトで、これは基板の設計に間違いがあることが原因でした。パターンをカットしてジャンパーで正しい位置に配線することで動作するようになりました。
 私のC70は冬季保管中なので、続きは雪が解けてからの作業となります。ケースの加工や防水処理などの課題も残っています。構想(妄想?)を練っているときが一番楽しいのかもしれません。
  

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