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教員の働き方改革への提言(4)

「グラデーションポリシー」の共有と実践による「適正な学習評価」

おはようございます!
毎週ご高覧いただきありがとうございます!

私が考える「適正な学習評価」のポイントはこうなります

(1)校長は、「スクールミッション」を実現するため、3年間の教育活動で身に付けるべきCompetencies(資質・能力)を「グラデーションポリシー」として公表する(教育委員会による承認・公認)

(2)先生方は、担当する教科・科目で、「グラデーションポリシー」(Competency-based)を育成する教育活動を行い、観点別学習状況の評価の理念に相応した「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点による学習評価を行う

(3)校長が、生徒・保護者、大学等に「我が校のグラデーションポリシーの共有と実践に基づく適正な学習評価を実施しています」と自信と確信をもって表明する

この(1)~(3)の流れができれば、「適正な学習評価」のエビデンス・アカウンタビリティを、膨大な時間と労力をかけ細部に亘る客観的なデータを基にした、先生方、学校にとって公平性が担保された安心感のある学習評価「テスト点70点(若しくは80点)・平常点30点(若しくは20点)」に求める必要はなくなります

(1)~(3)の流れを実現するためには、幾つかの、学校を挙げての取組みが必要となります

a)「スクールミッション」「グラデーションポリシー」の共有を学校全体で行う必要があります

私たちはどのような生徒を育ててきましたか」 全教員で問いかけ合い、議論を深める

私たちはどのような生徒を育てますか」 卒業するまでに生徒にどのような力を習得して欲しいのかを再確認・言語化する

 3年間の教育活動で生徒たちに卒業時に身に付けさせるべきCompetencies(資質・能力)を「グラデーションポリシー」として定義し、学校全体で共有する

b)「グラデーションポリシー」に基づき、教科教育活動・教科外教育活動の両輪で生徒たちの人間的成長・発達に働きかける、自身の教科・科目で学年の発達段階に応じて卒業時に身に付けて欲しいCompetencies(資質・能力)のどの部分を育てていくのか、そこを学校全体で共有する

先生方は、各単元、それを構成する一時間一時間の授業で単元終了後、授業後に育成をめざしたい生徒の姿をイメージしながら授業創りの研究・開発・実践に取組む
学年の発達段階に応じて卒業時に身に付けて欲しいCompetencies(資質・能力)のどの部分を育てているのかをイメージしながら

c)観点別学習状況の評価は、各教科等の目標や内容を、育成をめざす「資質・能力の三つの柱」である「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」で再整理し、3観点による資質・能力のバランスのとれた学習評価を行うことです

そもそも論として、従来型の学習評価「テスト点70点・平常点30点」では、新学習指導要領の要である「思考・判断・表現」をバランスよく評価することは困難で、大阪府立高校の場合、3観点を1:1:1で評価することになっているのでさらに困難です
ペーパーテストで「思考・判断・表現」を評価する作問の努力も「大学入学共通試験」でみられますが、「知識・技能」のみならず「思考・判断・表現」もバランスよく評価とはいきません

さらに、「平常点」=「主体的に学習に取り組む態度」と思い込むことで生じてしまう、情意も含めた授業の取組み態度の評価やノート・プリント点検等の膨大な業務に追われることも先行する小中学校で指摘されていることです

d)さらに、すべての後期中等学校で、現場での研究・開発・実践・リフレクションを積み重ねること、研究者の先生方の専門性に学び、指導・助言をいただくことで、適正な学習評価として、生徒・保護者に対する説明責任を果たせるように努続ける必要があります

このような考え方に基づき「グラデーションポリシー」の共有と実践による「適正な学習評価」を行うことで、どのように定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減」を断行できるのか

私の考えはこうです

i)定期考査を廃止し、「知識・技能」評価の7割・「思考・判断・表現」評価の2割は、教科書の副読本、授業プリントから出題する「単元テスト」の実施

ⅱ)年に1回若しくは2回設定する「パフォーマンス課題」により「思考・判断断・表現」評価の6割と「主体的に学習に取り組む態度」評価の7割、「知識・技能」評価の3割を一体的に評価

ⅲ)発表後に、個人論文・レポート・提案書・ジャーナルを書くことで、「思考・判断・表現」評価と「主体的に学習に取り組む態度」評価の残りの部分を一体的に評価

○「単元テスト」で定期考査は不要となり、長時間を要する作問作業・採点作業も不要

○情意も含めた授業の取組み態度の評価やノート・プリント点検等の「平常点」業務も、「パフォーマンス課題」で「思考・判断・表現」と「主体的に学習に取り組む態度」を一体的に評価することで不要

○定期考査業務(教科打合せ・作問・採点等々)、昔ながらの平常点作業、これらを削減することで、先生方が勤務時間内に生徒たちと向き合う時間をかなり創出できるはずです

このように「適正な学習評価」としてのエビデンス・アカウンタビリティの根拠を、学校全体(全教科科目、教科外教育活動の総て)で、「グラデーションポリシー」の共有と実践を進めていくことに求めるのです

次週は、「グラデーションポリシー」の共有と実践を進め、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点による資質・能力のバランスのとれた「適正な学習評価」を行うことで「定期考査の廃止と平常点作業の見直し・削減」を断行できる具体的な方策を「単元テスト」「パフォーマンス課題」をポイントに論を進めていきます

何かのきっかけで、現場の生徒たちや先生方が幸せになっていくような議論が拡がればと願います
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします

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