新羅の建国は出雲族

縁えんを大切にしていた朝鮮神宮ちょうせんじんぐう創建そうけん

古代こだい出雲大社いずもおおやしろの姿すがたを取り込んでいた朝鮮ちょうせん神宮じんぐう

縁えんとは深いつながりや関かかわり合いのことを指さします。
朝鮮神宮創建そうけんに当たっては、その縁えんが大切にされていたことから、大日本帝国は建築資材けんちくしざいの選定せんていにまでこだわっていました。

朝鮮神宮ちょうせんじんぐう設計者せっけいしゃ

官幣大社かんぺいたいしゃ朝鮮神宮

設計せっけいは国から出雲族いずもぞくの末裔まつえいとされていた、山形県米沢市よねざわし出身の建築家伊藤いとう忠太ちゅうたによってなされました。

明治めいじ23年（1890年）に神武天皇じんむてんのうの宮みやがあったとされる奈良県橿原市かしはらしに創建そうけんされた橿原かしはら神宮じんぐうをはじめ、帝都ていとの明治神宮めいじじんぐう、靖国神社やすくにじんじゃ神門しんもん、築地つきじ本願寺ほんがんじなどの設計も担当たんとうした人物です。

正殿せいでんの砂利じゃりは東莱産とうらいさん

神宮正殿には慶尚南道けいしょうなんどう東莱郡とうらいぐんの砂利じゃりを使用

東莱郡とうらいぐんは現在の韓国釜山広域市プサンこういきし（부산광역시）東莱区（トンネグ、Googleマップではトンレグ・동래구）になります。

大正時代たいしょうじだいの建設作業のため、この東莱郡とうらいぐんのある釜山港ふざんこうから船によって京城けいじょう（ソウル・서물）に近い仁川港じんせんこうに運び、そこから鉄道によって京城けいじょうの龍山駅りゅうざんえきに降おろしていました。

トラックやクレーンなどが充実じゅうじつしていない、まだまだ人力じんりきに頼たよっていた時代のことです。海を渡った朝鮮半島に高層神殿こうそうしんでんを作るということがどれだけ困難こんなんで、建設費用けんせつひようが掛かかるかを考えたとき、わざわざ古代こだい出雲いずも大社おおやしろの姿すがたを取り込んだ朝鮮神宮創建そうけんの重要性がわかるのです。

併合時代へいごうじだいの組織そしきは日本人と朝鮮人一体いったい

昭和しょうわ12年（1937年）の東莱とうらい郡ぐん・金海きんかい郡ぐんの官吏かんり名簿めいぼ

昭和しょうわ12年（1937年）の東莱とうらい郡ぐん、金海きんかい郡ぐんのトップである東莱とうらい郡守ぐんしゅ、金海きんかい郡守ぐんしゅは朝鮮人でした。当然とうぜんその下に仕つかえる日本人官吏かんり（役人）はその指示しじに従したがって業務ぎょうむをおこない、日本人だからといって好き勝手かってに振舞ふるまうということは許ゆるされませんでした。

弥生やよい遺跡いせきが示しめすもの

海に沿そう釜山ふざん、東莱とうらい、慶州けいしゅう

朝鮮半島南東域の釜山プサン広域市こういきしの東莱トンネ区だけではなく、周囲の慶州キョンジュ市し、蔚山ウルサン広域市こういきしなどからも日本の弥生やよい時代の遺跡いせきと同種どうしゅのものが多数発見されています。

遺跡いせきは多く大東亜戦争だいとうあせんそう後ごに発掘はっくつ調査ちょうさされていますが、日本も朝鮮もそれより遥はるか前より、船で海を渡り日本から朝鮮半島に入っていた人間が、それら一帯いったいに集落しゅうらくを築きずいていたことを知っていました。

その集団の一ひとつが出雲族いずもぞくだったのです。

朝鮮史の出雲族いずもぞく部分

朝鮮史（帝国百科全書 第129編へん）

※文字部分から国立国会図書館デジタルコレクションの該当がいとうページにアクセスできます。

「新羅しらぎも高麗こまも百済くだらも、元もとをたどれば出雲族いずもぞく」

韓国新地理 （帝国百科全書 第134編）

私が終戦しゅうせんまで朝鮮半島や満州まんしゅうで重要任務に当たっていた人や、その家族の集まりで聞いた話では「新羅しらぎも高麗こまも百済くだらも、元もとをたどれば出雲族いずもぞく」が、国（雲くもの上うえの人たち）の認識にんしきであったとのことでした。

高麗こまと高句麗こうくりは混同こんどうされることも多いため、どちらを指さしていたのか、あるいは両方なのかは断言だんげんすることは出来ません。
しかし併合へいごう時代じだいは一貫いっかんして朝鮮半島の民たみは出雲族いずもぞくの血が多く入っているという認識にんしきであったことは間違まちがいないのです。

崇神天皇すじんてんのう（第10代天皇）

新羅しらぎ建国数百年前から出雲族いずもぞくや、その他の日本に住んでいた集団が朝鮮半島に船で往来おうらいしたり、移住いじゅうしていたことはわかっていました。
時代的には新羅しらぎ建国が紀元前きげんぜん57年とされていることから、そこから数百年は前になると、紀元前きげんぜん10世紀または紀元前きげんぜん５世紀から紀元後きげんご３世紀までとされる弥生やよい時代じだいにあたります。※参考フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』「弥生時代」。「弥生時代の海外交易」。

鬱陵島うつりょうとうは現在の竹島たけしま

今日こんにちでは地域振興ちいきしんこうのための観光旅行客誘致ゆうちが優先ゆうせんされるため、出雲いずもと言えば島根県になっていますが、大東亜だいとうあ戦争せんそうに負けるまでの日本では、出雲族いずもぞくはもっと広域こういきに渡って船で動いていて、各地に住み着いていたという解釈かいしゃくでした。

新羅王しらぎおう朴ぱく・昔せき・金きんは日本人

新羅しらぎ建国の王朴ぱく赫居世かくきょせと４代目の王昔せき脱解だっかい、13代目の王金きん味鄒まいしゅは出雲族いずもぞくと思われていました。

韓国新地理では朴氏ぱくしは出所不明しゅっしょふめい扱あつかいになっていますが、朴（パク、パカチー）とは匏（瓢・ひさご・ひょうたん）を意味します。今回は説明をしませんが、瓠公ここう（この瓠こもひょうたんを意味する）も含ふくめてそのことは非常に重要な意味をもっていました。

新羅しらぎは日本人（出雲族いずもぞく）が建国した。
そして紆余曲折うよきょくせつを経へて今日こんにち（韓国新地理が書かれた明治時代めいじじだい）までの李り王朝おうちょうへとその血縁けつえんは受うけ継つがれた。
そのため、李り王家おうけも李り王朝おうちょうの名門めいもん貴族きぞくの多くも、朝鮮半島側の出雲族いずもぞくの末裔まつえいと解釈かいしゃくされていました。

「同根同祖どうこんどうそ」

大正たいしょう14年（1925年）朝鮮神宮創建そうけんから17年後の昭和しょうわ17年（1942年）、朝鮮ちょうせん総督府そうとくふで開かれた第23回中枢院ちゅうすういん会議かいぎ。ここでも第８代小磯こいそ国昭くにあき総督そうとくから「内鮮ないせんが同根同祖どうこんどうそであるとの国体こくたい・・」という言葉が出ていました。

朝鮮徴兵準備読本ちょうせんちょうへいじゅんびとくほんより小磯こいそ国昭くにあき総督そうとくの発言

内ないは内地人ないちじんで本土の日本人を指さします。そして鮮せんは朝鮮半島の朝鮮人を指さします。国体こくたいとは昭和しょうわ10年（1935年）の国体こくたい明徴めいちょう声明せいめい後ごの発言になるため、国体こくたい＝天皇陛下てんのうへいかの統治とうちする日本となります。

よって内鮮人ないせんじんが同根同祖どうこんどうそであるとは天皇陛下てんのうへいかがお認みとめになっていると示しめしたことになるのです。

発言者はつげんしゃの小磯こいそ国昭くにあき総督そうとくは昭和しょうわ19年（1944年）内閣総理大臣ないかくそうりだいじんに就任しゅうにんしています。
国策こくさくに反はんした言動げんどうが厳きびしく制限せいげんされていた当時の日本にあって、この発言はつげんは何なんの問題もないものでした。

そして、この同根同祖どうこんどうそ（日本人と朝鮮人の祖先そせんは同じ）という考えの根底こんていにあったものが、日本と朝鮮をつないだ出雲族いずもぞくの存在でした。

過去の記事から古代出雲こだいいずも大社おおやしろと朝鮮神宮ちょうせんじんぐう

朝鮮神宮の姿すがたはそれだけ重要な意味をもっていたのです。

次回に続きます。お付き合いいただきましてありがとうございました。