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しつもん×ゲーミフィケーション ~書籍「しつもん」で夢中をつくる! 子どもの人生を変える好奇心の育て方

 ゲーミフィケーション賢者Lv98の”きっしー”です。

 著者・藤代圭一さんのオンライン対談を聞いたのをきっかけに、「しつもん」に興味を持ち、書籍も読みました。「しつもん」は、ゲーミフィケーション6要素の《能動的な参加》と相通じていると思い、興味深かったです。

「しつもん」で夢中をつくる! 子どもの人生を変える好奇心の育て方(藤代圭一著、2020)


書籍の内容です。

スポーツも、勉強も、
好奇心スイッチが入れば、
子どもは自分から動き出す!

子どもの成長の源泉は、ズバリ「好奇心」です。
大人がどれだけそれを引き出し、育んでいけるか。
それによって、子どもたちの未来は大きく変わります。
本書では、著者独自の「しつもんメソッド」を活用し、
好奇心を育てるノウハウを伝授します。
スポーツ、勉強、習い事など、
あらゆる〝夢中をつくる〟ための1冊です。

著者の「しつもんメソッド」と、我々の「ゲーミフィケーションメソッド」アプローチは若干違いますが、ゴールは同じで相手のやる気・夢中度に火を付けること。

そのためには相手が好奇心や探究心を元々持っていると信じる。好奇心や探究心が表に出てこないのは、彼らと接している大人が逆に邪魔をしているのかもしれません。当の大人は良かれと思ってやっているのですが。

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文中のお気に入り部分をご紹介します。

「しつもん」は詰問ではない


 著者は、「しつもん」とは、子どもたちに気づきを与え、自ら考え、行動を起こさせるもの。詰問や尋問ではない。と定義しています。(p12より)

具体的には、
「なんで、あんなエラーするんだ?」

など、指導現場やご家庭で子どもについしてしまいがちな尋問をやめて、「どのようにすれば?」HOWと問いかける。ことが大事。

「どうしたら、次はキャッチできそう?」 と言い換える。


子どもは、もともと、自分で考え、行動する原石を持っています。それを磨き、輝くために私たちができることは、体験をつくり、しつもんを工夫することなのです。


ゲーミフィケーションに置き換えると、ゲームの中では詰問やダメ出しされることはありません。逆に褒められることはいっぱいあります。
ゲームオーバーになってもリトライできる。失敗しても再挑戦すればいい。その気楽さが子どものチャレンジ意欲を高めています。
ひるがえって、失敗が許されない雰囲気の今の日本、チャレンジすることを躊躇してしまいます。その敷居を下げるのが、ゲーミフィケーションです。

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EQとCQ、グーグル検索では教えてくれないことが大事


 これからの社会に必要な力は、IQだけでなく、EQとCQである。注目すべきはCQ。(p58より)

・IQは問題を理解する

・EQは「心の知能指数」感情を理解し、共感する。ビジネスで成功しやすい

・CQは「創造指数」。新しい視点から想像する力。独創的なアイデアが出せる

CQが高い、つまり好奇心があるということは、自分の”心の器”にまだまだ中身が入ることを示しています。

グーグル検索では教えてくれないこと。が大事です。

p67より
かつてないほどの情報があふれているのに、世界にたった一人しかいない自分という人間が何を考え、どうしたいのかという問いには、自分自身で答えを探すしか方法がないのです。

 ゲーミフィケーションでは、楽しい、ワクワクするというポジティブな人の感情をもちいて、辛い、ツマラナイを乗り越えます。この思考法がEQを高めます。併せて、楽しい、ワクワクするから今までにない付加価値を生み出すCQを高めます。


好奇心には3つの段階がある


 好奇心には3つの段階がある。(p118より) 

第1段階「へぇ!」「わあ!」 価値や興味を感じる
第2段階「やりたい!」「知りたい!」自分で体験する
第3段階「もっと知りたい!」知的好奇心へ

ゲーミフィケーションからいうと、最初から知識を教えるではなく、最初に子どもにビックリさせて興味を感じさせること、《能動的な参加》。面白そうだと思ったら試しにやらせる、《達成可能な目標設定》。
相手がもっと知りたいと言った時だけ教える。逆に、もっと知りたいと言わなかったら、先生の負け。ゲーミフィケーションデザインの失敗です。

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(このポストイットの多さは、私に響いたことの多さ)

「○○くんともっと仲良くなりたい!」


(p149より)
スポーツの場合、勝ち負けばかりを重視してしまうと、どうしても「子どもたちも勝ちたいと思っているはずだ」と考えてしまいます。しかし、「次の試合の、どうなっていたら最高?」というしつもんを子どもにしてみると、
「○○くんともっと仲良くなりたい!」
「パスをする!」
「シュートを打ってみたい!」

と、勝ち負けとは違ったところに目標をおいている場合がたくさんあるのです。

ゲームの場合をいうと、子どもたちは「スマブラ」が大好きですが、勝ちたいからやっているわけではない。(もちろん勝ちたい人もいます)
友達との駆け引きを楽しみたい。今まで出せなかった技を出したい。次はこのキャラを使ってみたい。《能動的な参加》の積み重ねが、結果として勝利に繋がっているだけなんですね。

大人が勝手に、子どもの考えを決めつけずに、寄り添ってあげる。さらに、ひとりひとり違うことを尊重して接し方を工夫していくのが、大事だと思いました。

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どんな答えも正解

 しつもんのルール(p147より)
1 どんな答えも正解
2 わからないも正解
3 相手の答えを受け止める

ゲーミフィケーションからいうと、どんな答えも正解は、《独自性の歓迎》です。ゲーミフィケーションでは、多軸で評価することを推奨します。100点満点だけでなく、「前より点数上がったで賞」「ユニークな答えだったで賞」「正直にわからないといったで賞」「問題とは関係ないけど、今日のTシャツかっこいいで賞」だって良い。
1軸で評価されると、それが苦手な人には、強制的な参加だと感じて辛くなる。ならば、多軸で評価して、どれでも《達成可能な目標設定》《称賛の演出》と感じさせることが、強制的な参加の逆の《能動的な参加》となり相手のやる気を高めるのです。

まとめです。
まもなく新学期が始まります。私の教えている高校生、大学生の《能動的な参加》を引き出すために、この書籍に書かれている「しつもんメソッド」をもっともっと意識して使っていきたいと思いました。

相手の気持ちになって、相手の能力・やる気を最大限引き出せるようにしてあげるのが、よい講師、よい指導者なんですね。

(おわり)


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#日本ゲーミフィケーション協会 #しつもん #好奇心 #藤代圭一
執筆:岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/

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