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「ゲームの力は教育や社会の役に立つ」アイデア

 こんにちは。ゲーミフィケーション賢者Lv98の”きっしー”です。

 私が担当する、専修大学ネットワーク情報学部の「デジタルゲーム」授業で、学生の考えた「ゲームの力は教育や社会の役に立つ」アイデアがいっぱい出たのでご紹介します。

この授業では、ゲーミフィケーションとシリアスゲームの説明と事例を紹介した後に、学生らにアイデアを考えてもらいました。

「ゲームの力は、教育や社会に役立つ」で考えたアイデア


★・ゲームを通じて、子供に日常の安全の生き方を教える。(ガス、火事、地震など場合どうするとか)
・ゲームを使って、数学問題、プログラミング問題を楽しく解く
(実例:数学:Variant: Limits、プログラミング:Code Combat)

★・現在のコロナ禍において対面で会う人の数が少なかった場合、商品券をもらうことができる。
コカコーラ社はペットボトルをゴミ箱に入れることで卓球ゲームができる機械を設置した。

★・学校でよく行われる単語テストなどを、サッカーなどの運動と組み合わせると、学習意欲が高まると思う。(例)単語テストの平均結果が高いチームの方が試合に有利になるなど

★・農業従事者が少なくなっており問題になっているので、本格的な農業のゲームを作り、そのゲームで興味を持つようにすること。
(実際に増えているのかがわからないが、天穂のサクナヒメというゲームが、本格的な稲作ゲームとなっており、攻略情報を得るために、農林水産省のホームページが使われるほど本格的なゲームがある。このように、簡易化ではなく、本格的にすることで、ゲームから多くの知識を得ることができると考える)

★・政治問題をゲームにしてみる
政治問題は特にいろんな要素が絡んでおり、いっぺんに全てを理解しようとするのはとても難しい。そのため、政治離れする人も増えていると考えられる。ただ、知らなくていい問題かといえばそうではなく、誰もが理解している必要のある問題である。
そこで問題を細分化したり、自分の意思が反映されることがわかるようなゲームがあったらいいのではないかと考えた。

★・ゲームではないが、スマホで見れるVRの動画で実際に水没した車の映像があるので、同じように災害から身を守ることを学べる危機から脱出するVRゲームのアイデア

★・メイク教育ゲーム
あるようでなかったもので、女性特有のものだが、大人になると清潔感を求めて化粧をするようになる。しかし、学校では禁止行為とされて誰も教えてくれる人もいない。将来大人になった時に、化粧をしないと不清潔だと言われるのに対し、教育が必要なのではないかと思った事がある。
1化粧の段階から用途まで細かく説明し、女性をきれいにしていく。
2様々な完成形を保存でき、いつでも新しいメイクを作る事ができる
3実際に現実で自身にメイクする際に見直す事ができたり、保存できる。
*ゲーム要素としてはそれらをオンラインで共有し人気投票に参加できる。様々なメイク像があるので多くの物を参考にすることもできる。

★・小中学生のプログラミング教育が取り沙汰されているが、これは「プログラミング能力を養う」のではなく「プログラミング的思考」を手に入れるものとされている。しかし私は、プログラミング能力も込みで養っていいと考える。これからの時代、仕事がデジタル化されることを踏まえてみても優秀なエンジニアの需要は増えていく。そこで、今まで小学生の頃に授業で「植物を育てる」や「動物を飼育する」ことと同じように「簡単なゲームを制作する」という時間を設けるのは面白いと思う。(scratchを用いてもいいし、それ用の簡易的な教材を開発するでもいい)

★・数学が苦手だと感じる, 難しいと感じる人が多い
→計算を解く速さ・正確さを競い合うオンラインゲームを教育に取り入れる(特に小学校)。1回のゲームにつき5人とマッチングし、解く速さと正確さから順位をつける。プレイヤー側は、100人のような大勢と競い合うのではなく、5人という少数の中で競い合うことから「自分でも1位を取れるかも」と感じるかつ「この中で1位を取ってやる!」と感じやすくなり、数学に取り組むやる気が湧き上がってくると考えた。

★・社会に出て仕事をすることは若者にとってマイナスなイメージが強い。そこで、仕事が終わったら称賛の演出として飲み物が一杯タダになるなどちょっとした嬉しいことがあると少しでも仕事に取り組みやすくなると思う。また、成長の可視化として優秀なことをしたら10円単位でも給料が上がるような、少しの経験でも頑張ろうと思える仕組みがあると良いと感じた。

★・教育の面に関しては、フィードバックが帰ってくるのがテスト返しや通知表しかない。成績に関するフィードバックがないことに気づいた。なので、定期的に成績の提示を個人的に行うことで生徒のやる気を起こさせることができると感じた。

★・テストで取った点数とポイントに変換し、学内の購買で買い物ができる。

★・企業のインターンシップで、会社経営を行うゲームを通じてその企業について学べるものがあった。他のインターンや会社説明よりも、その会社が何を行なってきたのか記憶に残った

★・正しい感染症対策を学べるゲーム
PCゲーム「Plague Inc.」やボードゲーム「パンデミック」のような名作ゲームのコロナバージョンを作ってリリースすれば話題性はもちろんのこと,それを遊ぶことによっていかにすれば感染を広めてしまうか/抑えられるかがゲームを通して理解できると思う.

★・私のアルバイト先は、注文の品物をタッチパネルで一つずつ押してから品物を届けるのだが、これが忙しい時間帯になると注文が山積みになる。そのせいで、タッチパネルで表示できる量がオーバーする。つまり、一つずつ品物を渡しても、タッチパネル上は(表示できない分が繰り上がって表示されるだけで)変化がほとんどない。これを改善するためにはそのため、残った注文をお皿の数で表現すると言った。「注文の数は減っている」と言うことを一眼見てわかるようデザインする必要があると考えた。

★・幼稚園や小学校で、友達が困っていたら助けるなどのいい行いをすると加点、逆に友達を困らせるなどのよくない行いをすると減点といったように、行いの善悪をポイント制にして、ポイントが貯まるとなにかご褒美があるみたいにすると、物事の善悪を学べるのではないかと思った。

※★は私が気に入ったアイデア

・社会人のマナーを身に着けるや、昨今の問題行動(バイトテロなど)を教育できるシミュレーター
経営者目線に立てる内容で、問題ある社員がいるとどうなるのかを示せるものだといい

・教育の場面で教師から生徒にものを教えることはあっても生徒同士で教えあうことというのは正直あまりないと思われる。
であるので、生徒同士で教えあって、相手の理解を深めることができたらポイントゲットみたいなことをしても面白いと思われる。"

・ゲームを使って外国人とコミュニケーションをとることで外国語学習になる。

・コロナ禍の対面ができない体育の授業でゲームを使って各家庭で身体を動かすことで細かい技能まではつかないかもしれないが、スポーツについて知ることやゲームのスコアで教員も点数をつけやすい。

・タイピングゲーム(回転寿司のように問題が出てくる)

・信長の野望で私が日本史を学んだようにシミュレーションゲームを使って歴史を体系的に学ぶことができるようゲームを作ると良いと思う。

・友達シミュレーション
友達作りをするのは大変。相手がどう思っているのか、表情や言動を察して良い関係を築こう!でもリアルで上手くいくかは別だよ!このゲームは友達作りの手助けをするもの、最終的にはしっかり自分の目で見て判断してね。それが人生

どのような分野に対しても活かせるように思うが、強いて言えば
・集中力が続かないような人の能動的な教育
・いじめや犯罪、戦争などを減らす体験づくり
など

・ポイ捨てされたもののゴミ拾いや街の掃除をポイント制にする
→このようなボランティアに対してポイント制を用いることでよりゲーム要素が加わり、人数も増えると考えた。貯まったポイントは地域の飲食店で使えるなどの特典があると良いと思う。"

・英語学習とゲームを組み合わせる

・単語テストなどをスマホゲームでやり、ランキング形式にしてみたりする。

・「めんどくさいなー」と思う公的書類(確定申告や国民年金の免除)をゲーミフィケーションの力で楽しくできないだろうか。

・資格の勉強をする時にただ問題を解くだけではつまらないので、RPG系のゲームにして、問題を解いた数がレベルやステージで可視化できるようにする。

・仕事の頑張りが目に見えて見える仕組み。例えば、給料が称賛の演出とするならば、日毎にメーターで給料が増えていくのが目に見えてわかる。そうすることで、仕事への倦怠感が薄れ、イヤイヤではなく楽しみながら仕事ができると考える。

・コロナでの外出自粛や緊急事態宣言などはほぼほぼ強制的な参加で、明確な目標がないし、フィードバックもかなり遅れて帰ってくるし、どれくらい状況が良くなっているかもわかりにくいものだと思った。そこで、解除に値する明確な目標を定めて、その目標に対してどれくらい達成できているか、日々テレビやWebサイトなどで確認できるようにしたらいいかと思った。

・タイピング×ゲーム、漁業×ゲーム

・ゲームの力で、社会問題に向き合う(防災、地球温暖化をテーマにしたシリアスゲームなど)

・化学や物理の勉強をサポート
→実際には実験できないものをシミュレーションして目に見える形に表し理解する

・人を飽きさせないために、ドロップ率やガチャの確率などの不確定要素を取り入れているゲームが多いが、教育や社会にも不確定要素は多いため、そこにゲーミフィケーションを取り入れる。

・既にあるアイデアだがゴミ箱にバスケットゴールのような仕掛けを付けることによって分別率が高くなったという例がある。

・英単語を覚えるためのかるた(英単語が書かれたカードをその英語の和訳が読まれた時にとる)

・自分はシリアスゲームなどを、「自然災害などに対応するための防災訓練」に使うことはできないかと考えた。例えば、現在の小学生など東日本大震災などを経験していない人も多くいる。そのような自然災害を知らない人などは、ビデオなどで「防災を身につけましょう」と言われてもイマイチしっくりこない。また、小学校などで行われている防災訓練も投げやりにやっている人が多いのではないか?(実際、自分もかなり投げやりにやって、怒られた)。そのような人々に向けて、防災×ゲームでよりリアリティのある防災訓練というアイデアを提案する。

・企業へのインターンや就職活動の際に、ゲームで企業での実際の働き方を体験する。

・世の中はコロナ禍であるが、自粛を促すようなゲーミフィケーションを考える。位置情報アプリで午後8時以降家にいたら称賛の演出などが出るアプリを作るなど

・国語の授業でRPGをプレイしてその行動を言語化して覚える。

・スーパーの品出しで、段ボールひとつ分の品出しでその従業員に1ポイント付与、月ごとにポイントを集計して一番ポイントを多く得た従業員に景品をプレゼントする。
→従業員のモチベーション向上、売り場の商品充填率のアップにつながる。

・タイムアタックで問題をときランキングで競わせることで少しでも楽しいと思いながら勉強することのできるゲームアプリ

 この中からゲーム試作やゲーミフィケーションの実践に繋がるものがあるといいですね。

(おわり)

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執筆:岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/

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