
「自由主義」との出会いと、ミーゼス「自由への決断」について(その1)
こんにちは!藤丸です。
前回までのnoteでは「自由主義研究所」の立ち上げや目的について書きました。
今回は、なぜ学者でも言論人でもない普通の一般人である私が「自由主義が大事だ」と思ったか、経緯と影響を受けた本の面白かったところを紹介しながら書こうと思います。
堅苦しくない回なので、気軽~に読んでいただけると嬉しいです😊
私が「自由主義」をはじめて学んだのは、
ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスの本「自由への決断」でした。

はじめに私がミーゼスを知ったきっかけをお話したいと思います。
渡瀬裕哉さん主催のJapan-US Innovation Summitの過去動画で、
吉田寛先生とJTR内山優会長の講演を聞きました。
自分の納めた税金の使われ方を評価すべきという「公会計」や「減税運動」というのがあることを聞き面白そうだなと感じました。
その後ひょんなとこから吉田寛先生主催のオンライン読書会(勉強会)に参加することになりました。
そこでテキストとして使われていたのが、ミーゼス「自由への決断」でした。
そこに自由主義経済学者の蔵研也先生も参加されていて、先生方に解説を聞き、質問しながら読み進める中で「自由主義」を徐々に学んでいきました。
このミーゼスの「自由への決断」という本は、ミーゼスが学生に向けた講義を文字起こししたものがベースだそうで、本が好きな人にはとても読みやすいです。長さも手頃です。
※ちなみにミーゼスの他の本はとても難解なものが多いです。
最初に読む本としては「自由への決断」を強くオススメします。
吉田寛先生のサイトから、無料でPDFがあるのでぜひ読んでみてください。
↓「自由への決断」PDFです。
http://www.catallaxy.jp/files/EconomicPolicy.pdf
ただし、歴史的背景や思想を知らないと理解しにくい部分もあるので、
読書会などで解説を受けながら読むのがベストだと思います。
この「自由への決断」の中で、私が特に印象に残った部分の紹介と感想を書いていこうと思います。今回は1つ目です。
以下、ネタバレ?注意です。
1,善意からでも、政府の価格統制(価格への干渉)は、悲惨な結果をもたらす。
一番わかりやすく面白かったのが「ミルクの価格統制の話」です。
政府による価格統制(価格への干渉)の結果は、とんでもないことになるんだなあと納得できました。
この話は、
「ミルクの価格が高すぎて買えない!困る!」
と市民が不満の声を上げるところから始まります。
政府はなんとか市民を助けようとして、
「ミルクはこの価格よりも安い価格で売れ。これ以上の値上げはNG」
とミルク生産者に命令します。
「ミルクが高値のせいで購入できず困っていた市民は、安くなって助かった、めでたし、めでたし」
・・・となりそうですが、現実はそう簡単にはいきません。
ミルクの生産者は不当に安い価格での販売を強制されたため、
利益の確保が難しくなり、生産量を減少せざるを得なくなります。
利益のない(orむしろ損失を出している)経営は継続が不可能だからです。
政府は困ってしまい、ミルクの生産に必要なコストを下げることで、ミルクの生産を続けさせようとします。
つまり、ミルクの生産に必要な乳牛の飼育コストを下げるために、
政府が強制的に飼料の価格を下げるのです。
そうすると何がおこるでしょうか?
ミルク生産者におこったことと同じことが飼料生産者にもおこり、
飼料の生産量が減ってしまいました。
政府はまた困ってしまい、飼料の生産に必要なもの(例えば堆肥)の価格を下げるように強制します。
こうして政府の価格統制は、どんどん原材料を遡って続けられます。
そればかりではありません。
これを続けると、政府はミルク以外の卵、肉などの重要必需品だけでなく、贅沢品にいたるまですべての価格を統制せざるを得なくなります。
なぜなら資本と労働は政府が価格を統制しない分野に逃げていくからです。
市民がミルクを購入しやすくするため政府が行った「価格統制(価格への干渉)」が最終的にもたらしたものは、
「ミルクの購入が以前よりも更に難しくなったばかりか、ミルク以外の他の商品の購入も難しくなってしまった」
という悲惨な結果だったのです。
※興味を持った人は「自由への決断」のP34~37をぜひ読んでくださいね😊
ミルクの例はとても単純な一例だと思いますが、現実に政府がしている多くのことが同様の結果を生んでいると思います。
つまり「市民の不満の声を聞いた政府が、なんとかしようと良かれと思ってやることは、期待していた効果とは逆の結果を生む」ということです。
この複雑で多様な価値観の人間からなる社会では、誰かの一方的で画一的な命令で解決できることはほとんどありません。
ある人にとって望ましいことでも、別の人にとっては望ましくないことがあるのです。
様々なニーズに対応するには、ひとつの方法・ひとつの答えでは無理で、
自由市場による様々な方法・答えが必要なのだと思います。
多様性が大事だと言うなら、政府による統制・強制の範囲はできるかぎり小さくすべきです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回も、ミーゼス「自由への決断」の紹介・感想の続きを書こうと思います。
「自由主義を学ぶ会」のYouTubeも見ていただけると嬉しいです。
フォロー、スキ、コメント、サポートもどうぞよろしくお願いいたします。
(藤丸)
いいなと思ったら応援しよう!
