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事業再生させるマーケティングのコツ
マーケティングという仕事柄、事業がうまくいかなくなったとき「どうすれば再び軌道に乗せることができるのか? 」という相談が多いです。
そんで事業の立て直しって本当に大変です。
でも、マーケティングを10年以上してきて、僕なりのコツのようなものが、少しずつ見えてきたので今日はその内容を共有しようと思います。
儲けるための2つの方法
さて、事業再生マーケティングの話に入る前に、ちょっと基本的なことを確認しておきましょう。
会社が儲けるための方法は、たった2つしかないんです。
売上を上げる
費用を下げる
この2つしかありません。シンプルですよね。でも、これが意外と難しいんです。
例えば「売上をあげる」という部分を因数分解してみると、3つに分けることができます。
客単価を上げる
客数を増やす
リピート頻度を上げる
そして、同様に費用は大きく分けて2種類です。
固定費
変動費
固定費は、売上に関係なく毎月かかる経費。 変動費は、売上に応じて増減する経費です。
まともに会社経営している方からしたら「つまらん話いいから本題に入れ!」と怒らせそうな前提の話ですね。
でも実際にマーケティングに入ると、この基本的なことを把握せずに、経営している人が意外と多いんですよね。
なので、もし事業が上手く回っていないときは上記要素を見て深堀りしていくことをおすすめします。
売上アップの罠
さて、会社の業績が悪化してくると、多くの経営者は真っ先に売上アップを目指そうとします。
その気持ちはよくわかります。 資金繰りに追われ、目の前の売上を何とか伸ばしたい。 その焦りから、とにかく集客強化に力を入れてしまいがちです。
でも、ちょっと待ってください。
なぜ、売上が伸びなくなったのでしょうか?
その理由を探ることが、立て直しの第一歩です。
お客様が自社から離れてしまった、競合他社に乗り換えされている。そんな状況で集客を強化しても、根本的な解決にはならないんです。
なぜなら、売上不振の背景には、以下の2つの要因があることが多いからです。
自社のファン顧客が離れている(減っている)
市場での自社サービスの競争力が下がっている
ここが問題の本質で会社の「癌」なんです。 これを放置しておくと、さらに状況は悪化していきます。
具体的には
客単価の下落
購入率の低下
リピート頻度の低下
につながっていきます。
この状態で施策を打っても、穴の空いたバケツに水を注ぐようなもので 根本的な解決にはならないんです。
クライアントの状況を把握せずに「まーけてぃんぐ」をする「まーけたー」は、こういう状況下において自分の得意領域に持ち込むケースが多いですね。
例えば、SNSが得意なら「SNS強化しましょう」LINEが得意なら「LINEを強化しましょう」広告が得意なら「広告を打って集客しましょう」みたいな。
バケツの穴をふさぐのではなく、水の量増やせばOK的な発想ですね。
でも根本の問題を解決しないで、別部分でのマーケティング強化は一時的な問題の先送りにしかならないんですよね。
しかし、残念なことに、多くの会社は根本的な問題解決よりも、 目の前の売上を追ってしまいがちです。何回も言いますが、その気持はめちゃくちゃわかります。
借金してでも集客を強化しようとする。 結局、バランスシートが傷み、損益計算書が改善せず、資金繰りが悪化して、 最後は行き詰まる...。
よくある話で、経営者のあるあるネタみたいですね。冷静なときはあるあるネタだなと思えますが、追い込まれるとまともな判断ってできないものです。
これらの大前提を踏まえた上で立て直しのポイントについて解説していきます。
事業再生マーケ4つのポイント
低迷をたどる状況を打開するために、僕なりの事業再生の4つのポイントをお話しします。
シンプルなコンセプト
顔の見えるお客様を意識する
思い切った価格設定
固定費の徹底削減
「思ったより大した解決策じゃねーな」と思うかもしれませんね。何か秘策的な解決案を期待していた場合は申し訳ありません。 でも、実際にできている会社は意外と少ないんですよ。
ということで解説していきます。
ポイント1:シンプルなコンセプト
事業再生において、コンセプトのシンプルさは極めて重要です。でも、多くの会社は、自社の特別さを追求するあまり、コンセプトがごちゃごちゃになってしまいがちです。
お客様から見れば、「結局、何を売りにしているの?」ということなんですよね。
シンプルなコンセプトがないと、社員もお客様も、何を目指せばいいのかわからなくなります。だからこそ、事業再生では、コンセプトを一旦リセットし、本当に大切なものは何かを見極める必要があるんです。
でも、「シンプルにすると、個性がなくなるんじゃないか」なんて考える経営者もいるでしょう。
そりゃ、独自性は大切ですよ。でも、それ以前に、誰に何を提供するのかを明確にしなければ、再生なんてできやしません。
シンプルなコンセプトは、事業の選択と集中を促します。限られたリソースを、最も価値のあるところに集中させる。それができてこそ、競争力を高められるんです。
でも、実際にコンセプトをシンプルにするのは、簡単ではありません。長年築き上げてきた事業を、簡単に手放せるわけがない。でも、そこに思い入れがあればあるほど、かえって判断力が鈍ってしまうんです。
だから、外部の視点を取り入れることが大切なんです。
自社の強みが、本当にお客様に評価されているのかを冷静に見極める。
その上で、コンセプトを磨き上げていく。ビジネスの核になる部分なので、ここの見直しが事業再生への第一歩だと思います。
「うちは、コンセプトなんて必要ない」なんて言う経営者もいるでしょう。
でも、それは甘い考えです。コンセプトなくして、事業の方向性は定まりません。結局、場当たり的な経営に陥ってしまうんです。
事業再生は、過去との決別でもあります。思い入れのある事業でも、時代に合わなくなったら、勇気を持って手放す。
その判断ができるかどうかが、経営者の真価が問われるところなんです。
シンプルなコンセプトを打ち出すことは、リスクを伴います。でも、そのリスクを取ることが、再生には必要です。
過去にとらわれず、リセットし、作り上げましょう。
ポイント2:顔の見えるお客様を意識する
コンセプトを定めたら、次は「誰に向けて事業を行うのか」を明確にします。 ここで重要なのが、「顔の見えるお客様」を意識することです。
でも、ここで多くの会社が間違いを犯します。 「うちの商品は、幅広い層に使ってもらいたい」なんて考えるんですよ。 でも、誰もが使える万能な商品なんて、そうそうありませんよ。
ターゲットを絞り込むことは、お客様のニーズにより深く応えられるようになりますし、商品に専門性を持たせることもできます。
顔の見えるお客様を想定し、その人たちの抱える課題や悩み、望んでいることを理解する。
そこに寄り添い、最適なソリューションを提供する。 それが、選ばれ続けるために必要不可欠なんですよ。
この説明をすると「でも、ターゲットを絞ると、売上が減るんじゃないの?」なんて不安に思う経営者もいるでしょう。
でもターゲットを絞るということは闇雲に母数を減らすのとは違います。もちろんターゲティングを理解していない人が行うと、ただただ母数だけが減るという悲惨な結果を生みます。
しかし、正しいターゲティングをすれば、無駄な母数だけ減らして、ファンになってくれるお客様を残すことができます。そうすることによって特定の利用者に深く刺すことができます。
ターゲットを絞ると言っても簡単ではなく、徹底的なリサーチが欠かせません。 データ分析はもちろん、実際にお客様と対話することも重要です。
お客様の生の声に耳を傾け、その思いを理解する。 そこから、事業の方向性を見出していくんです。
「お客様の声なんて、役に立たない」なんて思っている経営者もいるかもしれません。 それはお客様のヒアリングの仕方やデータの扱い方を知らない場合が多いです。
客離れの原因は当人であるお客様に聞くのが早いということです。
ポイント3:思い切った価格設定
事業再生では、価格設定も重要な要素です。 でも、多くの会社は、競合他社を意識するあまり、安価な価格設定に甘んじてしまいがちです。 「安くしないと売れない」という思い込みが強いんですよね。
でも、考えてみてください。 安売りばかりしていて、会社が成長できるでしょうか?
適正な利益を確保できなければ、品質向上や新サービス開発に投資することもできません。 結局、お客様に選ばれなくなってしまうんです。
だからこそ、事業再生では、思い切った価格設定に挑戦することが重要なんです。 提供する価値に見合った対価を求める意識を持ちましょう。
もちろん、値上げには、それ相応の覚悟が必要です。 お客様の反発を恐れるあまり、安易な判断はできません。 でも、価値に見合った対価を求めることは、会社の生存のためには不可欠なんです。
大切なのは、価格に見合った価値を提供し続けること。 品質や独自性を高め、お客様に「値段以上の価値がある」と感じてもらえるようにする。 それができれば、思い切った価格設定も、お客様に受け入れられるはずです。
価格設定の見直しには、綿密な準備が欠かせません。 コストの見直しはもちろん、競合他社の動向分析、お客様の価値観の把握など、 多角的な視点が必要です。 ただ闇雲に値上げしても、お客様離れを招くだけです。
事業再生には、リスクがつきものです。リスクを恐れて、リスクを取らなければそのまま沈没していくだけですから。 価値に見合った対価を求める意識が、事業再生に必要な経営者の資質とも言えるかもしれません。
ポイント4:固定費の徹底削減
最後に、事業再生で避けては通れないのが、固定費の削減です。 あらゆる固定費を見直す必要があります。
でも、これが簡単ではないんですよね。 人件費や家賃など、簡単に減らせないものも多いですからね。
組織のスリム化や不採算事業からの撤退、拠点の統廃合などの決断には勇気がいると思います。
しかし、そうするしかないんですよね。 業務の効率化や自動化を進め、人件費の削減を図ることも重要です。
個人事業主のような立場であれば、毎月どんな固定費があるのか?そしてその固定費は削減できないのか見直してみてください。
固定費を削減して生み出された資金や人材を、成長分野に投資することができるんです。
「うちは、これ以上削減できない」なんて言い訳をする経営者もいるでしょう。 でも、本当にそうでしょうか? 過去の成功体験や慣習に縛られず、ゼロベースで考えてみる。 そうすると実は結構あると思います。
固定費削減には、社員の理解と協力が不可欠です。 「なぜ削減が必要なのか」「削減によってどんな未来が待っているのか」 そのビジョンを、社員と共有することが大切です。
会社の状況を正確に把握する重要性
以上、事業再生における4つのポイントについてお話ししてきました。 でも正直に言うと、どれも簡単なことではありません。
これからは”そもそもこのような自体に陥らないために”という話を軽くして終わろうと思います。
会社の状況は正確に把握しましょう。 売上や利益の数字だけを見て、「うちは順調だ」なんて思っているかもしれません。
でも、それだけでは不十分なんです。 売上の内訳、コストの内訳、キャッシュフローなど、細かく分析する必要があります。 そこから見えてくるのが、会社の本当の姿なんです。
「数字なんて、経理の仕事でしょ」なんて思っている経営者もいるでしょう。 でも、それは大きな間違いです。 経営者こそ、数字に強くなければならないんです。
定期的な見直しの必要性
でも、分析するだけでは不十分です。 定期的に見直しを行うことが大切なんです。 市場環境は刻一刻と変化しています。 昨日の強みが、今日は弱みに変わっているかもしれません。
だからこそ、定期的に方針を見直し、軌道修正していく必要があるんです。 「うちはこのやり方で成功してきたんだ」という固定観念に囚われていては、 時代の変化に取り残されてしまいます。
「変化は手間」と感じる経営者もいるでしょう。 でも、変化を面倒だと思うと、後々その倍以上の手間が襲ってきます。
なので定期的な見直しをして、いつでも変化できるように準備はしておきましょう。
固定概念にとらわれない柔軟な思考
固定概念にとらわれることは、変化の激しい現代のビジネス環境においては非常に危険です。
例えば、「うちはこのやり方で成功してきた」という考えに縛られていては、市場の変化に適応できず、競争に取り残されてしまうでしょう。
また、「この商品は若者向けだ」といった固定観念を持っていると、実は中高年층にもニーズがあったという可能性を見過ごしてしまいます。顧客のニーズは常に変化しているのです。
さらに、「この事業は儲からない」と決めつけてしまうと、事業の可能性を潰してしまいかねません。時代の変化に合わせて、ビジネスモデルを柔軟に変えていくことが重要なのです。
このように、固定概念は企業の成長を阻む大きな要因となります。だからこそ、経営者には柔軟な思考が求められるのです。過去の成功体験や先入観にとらわれず、常に新しい可能性に目を向けましょう。
もちろん偉そうに言ってますが自戒を込めて書いてます。
まとめ
本日は「事業再生させるマーケティングのコツ」というテーマで記事を書いてみました。
事業再生というと少し難しく感じたかもしれませんが、事業再生に限った話ではなく会社が伸び悩んだりした際にも見直すと良いかもしれません。
その際に気をつけるポイントとして
シンプルなコンセプト
顔の見えるお客様を意識する
思い切った価格設定
固定費の徹底削減
これらを挙げさせて頂きました。
会社が低迷しないためにも「会社の状況把握」「定期的な見直し」「柔軟な思考」。この3つは定期的に行うことをおすすめします。
最後にちょっとしたお願いです。
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もし反応がなければ求められてないということで速攻noteアカウント閉鎖しますのでお願いします。笑
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note開設しました〜
— じぇい@ビジネスプロデューサー (@jey_webmarke) March 14, 2024
マーケティングを10年以上してきて、僕なりに"ビジネスの立て直しコツ"のようなものが、少しずつ見えてきたので今日はその内容を共有しようと思います。
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