京都は死なない
実は3月はけっこう京都に足を運んでいた。
上旬・中旬はツアー、下旬は視察と撮影で。
秋と並び、1年で最も人が多いはずの春の京都。
しかし人影は疎らで、もはや街の一部とまでなっていた外国人観光客がほぼゼロという異様な光景。
3月中旬はまだけっこう日本の学生の卒業旅行みたいなのが多かった。
象徴的だったのは、木屋町と先斗町。
普段は外国人観光客などでごった返していた先斗町が静寂で、木屋町が学生を中心に賑やかだった。
自分が学生だった15~12年前くらいはこんな感じだったなーと不思議な感じがした。
(もちろんこれは一時的なことで、4月で緊急事態宣言がでてからはこんな呑気なことを言っていられなくなった)
桂離宮や御所の迎賓館などは新規予約を早々と締め切ったところはあったが、3月はまだ多くの寺社仏閣に入ることができた。
撮影と視察で私もいくつか有名どころを訪れた。
そのほとんどは、人気が高く混んでいるので観光シーズンに訪れるのを長らく避けていたところだ(そもそも観光シーズンは本業が忙しくて行けなかったりするが)。
嵐山、嵯峨野の竹林、東寺の夜間拝観、永観堂、原谷苑、仁和寺の御室桜、哲学の道など。
いずれの場所も、本当に心から感動した。
「京都」に憧れて京都の大学に来た頃の初心を思い出した。
京都の人気スポットの人気たる所以を再確認した。
季節ごとに変わる表情。春秋の夜間拝観、冬の特別拝観などの再訪を促す奥深さ。京都の良さが心に沁みた。
コロナ前の京都はオーバーツーリズムによる観光公害にあえいでいた。
人気観光地の価値は損なわれ、混雑を避ける京都離れ現象が起きていて、観光に関わる立場として、その状況にとても苦慮していた。
しかし、オーバーツーリズム強制オフモードの京都をまわって
湧き上がってくるのは、京都への惜しみない賞賛の心で
この旅は自分の中で「京都の魅力の再確認の旅」となった。
京都は死なない。
当たり前かもしれないけど、これは厳然たる事実。
コロナ禍を経ても、
京都の魅力は決して色あせることはなく、より輝きを増していくだろう。
これをどう「観光」に昇華させていくかは
地域住人・事業者と行政と観光事業者と訪問者などが
手を取り合って考えていくべきもの。
自分も観光事業者として、京都の魅力発信と観光事業化に携わっていきたい。
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