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「実行力」と「誰が」実行するか


昔から何かアイデアを考えるのは得意だった。
特にイベントの企画とか、新しいサービスとか考えるのが好きだった。
8年前に通っていた、旅行産業経営塾のグループディスカッションとか楽しくて楽しくて仕方なかった。
高校生の頃から、面白いと思ったアイデアを書き留めたメモもある。

自分が考えたアイデアが、世の中にサービスとして出るのをみると
「これ、俺も考えてたのに」とか「やっとけばよかったな」などと、よくぼやいていた。


しかし、2年前から自分で事業を始めて、がらりと考え方が変わった。

アイデアなどそこかしこにある。
思い付くだけなら誰でもできる。
自分でも思いついたようなアイデアは、同じ着想の人が世の中に100万人以上いると考えていい。

大切なのは、「実行」に移せるかどうか。
実行に移すためには、様々なリスクが伴う。
時間・労力・お金が必要だし、失敗した時のリスクや軌道に乗るまでのリスクもある。
そういうリスクを全てとって、準備をして、覚悟を持って「実行」できるかどうかこそが大切なのだ。
そこまで特殊や専門的なものでなければ、アイデア自体に価値はない。

そして、さらに最近思うのが
「実行力」に加えて、「誰が」実行するのかというのも大切だということ。
実行するのが誰でもよいわけじゃない。

人は火事場の馬鹿力も、普段の積み重ねの延長線上で発揮できるものだ。
全く関係ないことはできない。
その人の理念とこれまでの積み重ね。そして課題意識の先に「アイデア」が来て、「実行」するから、支持されるのだ。

今、新型コロナウイルス感染症で、世の中に困りごとが溢れている。
様々な事業者・個人が、自分の持てる力を使って、新しい「アイデア」
で世の中へ貢献活動をしている。


ところで、
尊敬する風の旅行社の原さんがトラベルジャーナルなどに寄稿している「コロナ奮闘記Vol1」(4/7)にこのように書いてある。

「今、旅行会社の利点は、臨時休業しても何の支障もないということだけだ。実るかどうかわからないことに労力をかけても実らなかったら、流血が増えるだけ。ならば、営業を止め社員の感染を防ぐことを第一義に考えよう。そして可能な限り出血を減らし長期戦に備えるしかないと判断した。」


全くもって同意で、今通常のツアーなどの営業活動や広告活動をするのは、控えた方がいいのだろう。「旅行会社の利点は臨時休業しても何の支障もない」というのは目から鱗だった。
規模や覚悟の重さ諸々は、天と地の差だが、それにならい自分も勝手に休業宣言をしたら、少し気持ちが楽になり、余裕が生まれた。


しかし、さらに考えを進めると、今旅行事業者が、世の中の困りごとに対して貢献できることはなんだろうか。旅行事業者が持っている強みで、この状況で活かせるものはなんだろうかという思いが堂々巡りするようになった。

「コロナ禍期に旅行会社ができることその1」に続く


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