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シケモク亭 灰皿。
2024年8月10日 01:42
渋谷。栄枯盛衰の街。ジャケットを一枚羽織る季節に俺はその街にいた。時代の中心地であるそこは駅前があまりにも臭すぎる。ビル風一つ吹きやしない。サクラダファミリアよりも終わらなそうな工事の騒音を聞きながら街を小さくみせる大きな石の頭の前で人を待っていた。 「久しぶり。」 三つ揃った小さな頭を並べて二十四時間中継されている交差点を渡った。両脇に身長差を感じながら少し低い位置にあるその頭を見失わない