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ガルンガンの祭礼

2018年12月26日は、バリヒンドゥー教のガルンガンと呼ばれる祭礼日です。ガルンガンは、1ヶ月が35日のウク暦に従い、6ヶ月(210日)に1度巡ってきます。ガルンガンはヒンドゥー教徒にとって重要な祭礼で、善(ダルマ)が悪(アダルマ)に勝利することを記念しています。ガルンガン一連の祭礼はガルンガンの6日前から始まります。

スギハン・ジャワ(SUGIHAN JAWA)スンサン週木曜のワゲ
神聖な場所である寺院や家の社(サンガ/ムラジャン)を清めます。神々と祖先の霊がガルンガンの祭礼のために降りてきます。

スギハン・バリ(SUGIHAN BALI)
スンサン週金曜のクリウォン
自身を清める為聖水をもらいます。 カジャン・クリウォンでもあります。

プニュクバン(PENYEKEBAN)
ドゥングラン週日曜のウマニス
ガルンガンの3日前はプニュクバンといい、果物(バナナ)を収穫しガルンガンの日に熟すように保管します。語源は追熟する(Nyekeb)という言葉です。別の意味では、この日から神のマイナスな面でありルードラと呼ばれる怒りの性質の神サン・カラ・ティガが、3日間人間を惑わすと考えられています。僧は瞑想や精神統一を始めますが、一般の者には難しいでしょう。供物にする為の果物を保存し、祭礼の準備に没頭することに精神を集中させます。
この日は単に果物を保存するという事でなく、穏やかな生活のために感情を抑制するという内面的な意味も持っています。サン・カラ・ティガは人間を滅ぼそうとしているのではなく、善の方向に導くために人間のメンタルをテストしているのです。

プニャジャアン(PENYAJAAN)
ドゥングラン週の月曜パイン
語源は支配するという意味のJajahといわれ、これはサン・カラ・ティガが人間を支配しようとする事を示唆しています。一方、サン・カラ・ティガの支配を打ち破るためには、注意力を深め神のご加護を祈るしかありません。その為には怒ったり、喧嘩をしたりせず、感情をコントロールするという努力が必要です。バリの女性は供物にするお菓子やナッツなどを揚げて、お供えの準備をすることから、お菓子(Jaja)が語源とも言われています。

プナンパハン(PENAMPAHAN)
ドゥングラン週の火曜のワゲ
動物を屠殺するという意味のTampahが語源です。アヒル、鶏、豚などの家畜を屠殺し、サテやラワールなど供物にする料理をします。祭礼用の料理は男性の仕事で、それが済むと竹飾りペンジョールを作って門の右側に立てます。
女性は供物の準備をして、家寺の祠に布やお飾りを付けます。サン・カラ・ティガは、神のマイナス面ですので、その性格に合わせて行われる儀式はブータ・ヤドニャ(悪霊への儀礼)です。
プナンバハンは単に屠殺するという事ではなく、もっと重要なことはサン・カラ・ティガに供物を捧げ、本来の神の姿に戻ってもらう事です。供物を捧げた後は門の前に、悪に対する善の勝利を象徴するペンジョールを立てます。バリ島ではウク暦に従って210日に一度、大きな祭礼ガルンガンを迎えます。

プナンパハンのお供えはソーダハンといい、ご飯にラワールと小さいお肉を添えたものです。この日に作るサテはガルンガンの日のお供えになります。

ガルンガン(GALUNGAN)
ドゥングラン週の水曜のクリウォン

ガルンガンという言葉には、”戦い”という意味があるそうです。怪物の王マヤデナワに神の王であるインドラ神が打ち勝った事を記念した日であると言われます。
またサン・カラ・ティガに惑わされず善が勝利したことを喜び、森羅万象を創造してくださった神に感謝する日でもあります。

神々は祖先の霊と共に、敬謙な信仰心と清い心という恩恵を人間に与えてくれます。人々は供物を捧げてもてなし、各家の社で神と祖先に祈ります。

ダルマとは、サンスクリット語で規則、義務、真実という意味で、善(ダルマ)の勝利とは真実の勝利でもあります。ヒンドゥー教徒の義務とはヤドニャを行うことであり、ガルンガンの祭日を祝うことは、ヤドニャを行うことが最大の目的です。供物の大小は問題ではなく、神と自然の霊力と祖先の霊に対して供物を捧げることがヒンドゥー教徒としての義務です。

また、ペンジョールとはアグン山をシンボル化したものといわれ、一本の先のしなった竹をヤシの葉で飾り、大地からの恵みの作物、果物、稲、砂糖きびなどを吊るしたものです。この地上にある生活に必要ものなものは、全て神が創造した神からの授かり物ですので、感謝の意を込め収穫の一部を供えます。
ペンジョールの先端にはポロサンや花を付けたサンピアン・ペンジョールを飾ります。また供物の置く場所としてペンジョールの足の部分にサンガも取り付けます。普通、ペンジョールは家の門の横に一本立てられます。

ガルンガンの日は、レストランや店も閉まるところが多く、バリの人は民族衣装で寺院参拝に出かけます。街では恒例のバロンの舞いがあり、募金をすると目の前で踊ってくれます。日本の獅子舞によく似ていますね。

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ウリハン** (ULIHAN)
クニンガン週の日曜日
ガルンガンのもてなしを受けた神々と祖先の霊は、クニンガンの日まで天界に戻ると言われていますので、供物を捧げて送り出します。

クニンガン(KUNINGAN)
クニンガン週の土曜のクリウォン

ガルンガンの10日後、神々と祖先の霊が再び地上に降りてきて、クニンガンのもてなしを楽しむと考えられています。そして12時を過ぎると、人間に平和と幸せを残して天界へと戻りますので、祭礼は12時までに終わらせます。
各家庭では社の祠と家の軒下などに、タミアンという輪飾り、それと一対になったエンドンガンとタルいうお飾りを取り付けます。輪飾りタミアンはチャクラであり盾を表現し、タルとは弓矢なのだそう。全くクリシュナとアルジュナのコンビなのでした。

プガット・ワカン (Pegat Wakan)
(Buda Keliwon PAHANG)
パハン週水曜のクリウォン

プガット・ワカンはガルンガンの35日(ウク暦の一カ月)後にあたり、一連のガルンガンの行事が終了します。天界の門が開かれていたブンチャル・バルン(骨抜き)の状況が終わり、普通の日々に戻ります。お供えをした後に、ペンジョールやお飾りをはずし行事が終わります。

以前フリーペーパーのために書いた
記事を書き直しました。

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