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伝説の投資家レイ・ダリオに学ぶ「経済の仕組み」徹底解説

こんにちは、Jeongです。

皆さん、レイ・ダリオ氏をご存知でしょうか?

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者であり、伝説的な投資家として知られる人物です。

その彼が、自身の投資哲学の根幹とも言える「経済の仕組み」について、分かりやすく解説した動画があります。

それが、"How the Economic Machine Works in 30 Minutes(30分で判る経済の仕組み)" です。

こちらの動画は僕の投資哲学の根幹を形作った作品で、既に何十回と繰り返し視聴してきました。

この動画は、一見複雑に見える経済の動きを、「取引」というシンプルな概念から解き明かし、生産性の向上、短期債務サイクル、長期債務サイクルという3つの要素を軸に、経済がどのように動いているのか解説しています。

僕はこの動画を初めて見た時、まさに目から鱗が落ちる思いでした。これまで断片的に理解していた経済の知識が、一つの大きな絵として繋がり、世界の見方が一変したのです。

特に、債務サイクルの概念は、僕の投資観に大きな影響を与えました。多くの投資家が、目先の株価の動きや、短期的な経済指標に一喜一憂する中、レイ・ダリオは、より大きな視点で、経済の長期的な流れを捉えています。この視点こそが、彼が長年にわたって、市場平均を上回るパフォーマンスを上げ続けてきた秘訣なのだろうと、強く感じました。

そして彼の考え方は、長年投資活動を続けてきた僕自身の経験とも、深く共鳴するものがありました。

今回は、この動画の内容を僕なりに分析し、レイ・ダリオの投資手法や哲学のエッセンスを抽出しながら、投資で成功するために知っておくべき経済の仕組みについて解説していきます。


1. 全ての根幹は「取引」にある

レイ・ダリオは、経済を理解する上で最も基本となるのが「取引」であると説いています。

経済とは、無数の取引の集合体であり、売り手と買い手が「お金やクレジット」と「モノ・サービス・金融資産」を交換することで成り立っています。

この取引の積み重ねが、経済全体を動かしているのです。

ここで重要なのは、「クレジット(信用)」 の存在です。クレジットとは、将来の返済を約束することで、今、モノやサービスを手に入れることができる仕組みです。

つまり、「借金」 です。

クレジットは、一見すると単なる支払いの先延ばしに見えますが、実は経済を大きく動かす原動力となっているのです。

「取引」の具体例

例えば、あなたがコーヒーショップでコーヒーを1杯買うとしましょう。これは、「あなた(買い手)」と「コーヒーショップ(売り手)」の間で行われる一つの「取引」です。あなたはお金(またはクレジット)を支払い、コーヒーショップはコーヒー(モノ)を提供します。このシンプルな取引が、経済全体で無数に行われていると想像してみてください。

「取引」から見えてくる経済の本質

この無数の取引を観察することで、経済のメカニズムを理解することができます。
例えば、特定の「モノ」や「サービス」に対する需要が高まっている様子を、取引の頻度や価格から知ることができます。
また、経済の成長期には取引が活発化し、衰退期には取引が停滞する傾向があります。
このように、取引は経済を映し出す鏡とも言えます。

2. 経済を動かす3つの要素

レイ・ダリオは、経済を動かす主要な要素として、以下の3つを挙げています。

  1. 生産性の向上

  2. 短期債務サイクル(景気循環)

  3. 長期債務サイクル

これらの要素がどのように絡み合い、経済に影響を与えているのかを理解することが、投資で成功するためには不可欠です。

2-1. 生産性の向上:長期的な経済成長の鍵

生産性の向上とは、同じ労働力でより多くのモノやサービスを生み出せるようになることです。

技術革新や知識の蓄積によって生産性が向上し、経済は長期的に成長していきます。

例えば、産業革命期に蒸気機関が発明され、それまで手作業で行っていた作業を機械で行うことが可能になりました。その結果、生産量が飛躍的に増加し、経済は大きく成長しました。現代では、インターネットやAIなどの技術革新が、生産性向上に大きく貢献しています。

しかし、生産性の向上は、短期的には経済の変動に大きな影響を与えません。なぜなら、生産性は急激には変化しないからです。

2-2. 短期債務サイクル:5〜8年の景気循環

短期債務サイクルとは、一般的に「景気循環」と呼ばれるもので、約5〜8年の周期で発生します。

このサイクルは、主に「クレジット」の拡大と縮小によって引き起こされます。

  • 景気拡大期: クレジットが容易に得られるようになると、人々は借金をして消費や投資を増やします。支出が増えると、他の人の収入が増え、経済は拡大していきます。この時期は、好景気と呼ばれ、株価も上昇しやすいです。

  • 景気後退期: しかし、過剰な債務は返済が困難となり、クレジットの伸びが鈍化、または減少に転じると、支出は減少し、経済は後退局面に入ります。この時期は、不景気と呼ばれ、株価も下落しやすいです。

この好景気と不景気のメカニズムは、レイ・ダリオの動画で、非常に分かりやすく解説されています。
好景気では、人々が借金をして消費を増やし、それがさらなる好景気を生み出す循環が生まれます。
一方で、不景気では、借金の返済のために消費が減少し、それがさらなる不景気を生み出す悪循環が生まれます。
このメカニズムを理解することは、投資家にとって非常に重要です。

この景気循環をコントロールしているのが、中央銀行です。中央銀行は、金利を調整することで、クレジットの量をコントロールし、景気の過熱や後退を防ごうとします。

例えば、景気が後退している局面では、中央銀行は金利を引き下げ、企業や個人がお金を借りやすくします。それによって投資や消費を促し、景気を刺激しようとするのです。

短期債務サイクルは、株式市場にも大きな影響を与えます。
一般的に、景気拡大期には株価が上昇しやすく、景気後退期には株価が下落しやすい傾向があります。
これは、景気拡大期には企業の収益が増加し、株価に好影響を与える一方、景気後退期には企業の収益が悪化し、株価に悪影響を与えるためです。
ただし、株式市場は将来の経済状況を予測して動くため、必ずしも景気循環と一致するわけではないことを認識しておく必要があります。
例えば、不景気の時に将来の景気回復を見越して株価が上昇し始めることがあります。

2-3. 長期債務サイクル:75〜100年の大きな波

短期債務サイクルが繰り返される中で、債務は徐々に積み上がっていきます。

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