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好きな音楽の話【6】『犬神家の一族』より「愛のバラード」

小さい頃、堂本剛が主演の『金田一少年の事件簿』が放送されていて、その内容が結構怖かったこともあり、金田一=ホラーの印象が強かったのをとても覚えています。
今ではその怖いという気持ちもいい思い出なのですが、それはそれとして、はじめちゃんの祖父ということで知ることとなった元ネタの『金田一耕助』シリーズもやはりミステリーというよりもホラーの印象が強かった。
まあ、子どもにとってはなかなか過激ですからね…。
でもそんな金田一耕助シリーズの人気に火が付いたきっかけともいえる1976年版の『犬神家の一族』(監督・市川崑)を、怖いもの見たさで視聴した際、視聴してもの数秒で私を物語の世界にぐぐっと引き込んでいったのがこのテーマ曲でした。
というわけで、今日は『犬神家の一族』のテーマ曲である「愛のバラード」について語ろうと思います。
映画自体のネタバレも含むと思いますので、万が一、観たことがない人がいたら、お気を付けください。

この曲ってやっぱり、作品に含まれるおどろおどろしさがありつつも、そこに哀愁や切なさが入り混じっているところが良い曲なんですよね。
映画の内容を思い出しながら聞くと、曲の旋律とこの「愛のバラード」というタイトルが重なり、登場人物たちについての描かれていない思惑や心情、そしてその後などに思いを巡らせてしまいます。
特に妄想が膨らんでいくのが、作中での犬神松子の心情。そして、佐清と珠世のその後についてですね。
「愛のバラード」には歌詞ありバージョンもあることを最近になって知りまして、その歌詞と歌を実際に聞いてみたのですが、物語のその後の珠世の心情を少し重ねてしまいました。
どうしてもこの映画は、マスク姿の佐清や、湖から浮かぶ下半身、菊人形など、インパクトの強いシーンが多いので、怖いイメージが強いのですが、実際に映画を見てみると、怖いだけではなく切なさや人の情といったものが多分に含まれている作品なんですよね。
そういう意味で、まさに映画にぴったりで、聞く度にいい曲だなぁってしみじみ思ってしまいます。
作曲したのは大野雄二。ルパン三世シリーズで知られる方です。
YouTubeに公式チャンネルがあって、そこで「愛のバラード」も公開されていたので、気になる人はぜひ探してみてくださいね。

というわけで、今回の内容は以上になります。また次の記事でお会いしましょう。ではでは。

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