発信力と短尺で「面白い」を生み出す| SNSクリエイターのマルチな能力とは?
3月22日にオープンした「JENオンラインコミュニティ」。
エンタメ業界をはじめ、さまざまな業界・業種で活躍するキーパーソンが集うこの場でボードメンバーに登場いただく連続インタビュー企画。
今回は、wwwaapの中川元太さんに、SNSにおけるコンテンツマーケティングの動向やキャラクタービジネスが秘める可能性の大きさについて伺います。
──まずは、中川さんが運営するwwwaapの事業内容や強みについて教えてください。
SNSで人気の漫画家やイラストレーターを、僕たちはSNSクリエイターと呼んでいます。その国内初のエージェント会社で、現在クリエイターは200人弱在籍しています。「SNS×コンテンツ」を軸とした2つの事業を展開していて、一つはSNS×漫画・アニメでプロモーションのお手伝いをするマーケティング支援事業。もう一つは、SNS発のキャラクターなどのコンテンツプロデュースを行うライセンス事業になります。SNSクリエイターは発信力と短尺で「面白い」を生み出す才能がフォロワー数に裏打ちされているクリエイターだと捉えています。SNSで活動する彼らは、日々発信するコンテンツが魅力的でなければ、人気を得ることはできないからです。実際、彼らの作るモノは本当に面白くて、日々想像を超えてくるネーム(ラフ)を見るのが楽しみです。そんなSNSクリエイターを日本で最もネットワークし、共にSNSにおけるコンテンツ作りのノウハウを蓄積していることが、弊社の強みです。
──これまで数多くの企業のマーケティング支援実績があり、そのジャンルは多岐にわたっています。幅広いクライアントから選ばれる理由はどこにありますか?
「わかりにくいもの」を「わかりやすいもの」に変える。それが漫画の持つ力です。姿形を自由自在に変え、時空を超えて、なんでも表現できる。また実写ではないからこそ誇張表現が許されやすく、イメージを作りやすい。日本人なら「漫画だとつい見てしまう」感覚がある。多くの人が小中学生の頃に某通信教育のDMの封を開け、申し込んだ体験があるように、漫画と広告は相性がよいと感じています。そんな漫画を、SNSクリエイターは面白さを短尺に濃縮して表現できる。だから広告として効果を出せる。それが選んでいただいている理由です。また制作の工程上、事前に内容をチェックでき、かつ調整がしやすいので炎上リスクを回避することができる。こういった理由から、公的機関など、SNSプロモーションに比較的慎重な企業からも発注実績が多いのだと思います。このマッチングアプリ「Pairs」の事例のように、PRであっても面白いコンテンツであることを意識して作っているからこそ、数値的な効果はもちろん、「Pairsが好きになった」といったコメントもいただくなどポジティブな評価を得ることが多くあります。
──ライセンス事業の一つとして、いきものがかり公式キャラクター「イッキーモンキー」をFIREBUGと共同プロデュースしています。
イッキーモンキーはいきものがかりファンには人気のあるアーティストキャラクターです。ただ15年近く前に登場して以来、キャラとしてアップデートはしていなかった。ヴォーカルの吉岡(聖恵)さん監修のもと、SNSクリエイターによってキャラクターデザインと設定を再プロデュースしました。その上で新設したInstagramでショートコンテンツをアップしファンとの距離を再構築しながら、公式ECや、ヴィレッジヴァンガードやスピンズとのコラボレーショングッズを展開することで収益を上げています。キャラクターが成長するためには「リーチ×フリークエンシー」が重要で、より多くの人に、たくさん見られていくことで、人気が高まっていきます。だからこそキャラクタービジネスの視点においても、いきものがかりさんのように強いファンを持ちながら、今後いっそう国内外問わず人気を広げられるアーティストと組むことができる価値は本当に大きいですし、その可能性に期待を抱いています。今後もFIREBUGさんが得意としている芸能・音楽の分野でのコラボを増やしていきたいと考えています。
──相性がよいというエンタメ×キャラクターのビジネスですが、具体的にはどのような可能性を秘めていますか?
アーティストにとってグッズは自己表現の機会であり、かつファンとアーティストの接点を増やすもの。ビジネス的にも収益を上げる貴重な機会です。その際にアイコンとなるキャラクターがいると、グッズのバリエーションが増やせる。さらにキャラクター自体の人気が広がれば、アーティスト自身とは別の経済圏を生むこともできます。その成功例がBT21というBTSの公式キャラクターです。アーティストイメージが全面に出すぎると、キャラクター自体をいいと思っても手を出しづらいということもありますよね。BT21は一般の場ではあえてBTSの名前を出さずに販売することで経済圏を完全に分けていて、結果BTSファンではない層の人気も得ています。キャラクター自体が独立してファンを持つようになるためには、キャラクター独自のプロデュースは必要で、BT21もYouTubeからプロジェクトを始めていますが、SNSからその運用を始めるのは効率的だと考えています。
──最後に、JENオンラインコミュニティに期待することをお聞かせください。
テレビ、音楽、漫画など、ジャンルの違いはあっても、エンタメ業界が直面している課題は基本的には同じだと感じています。ただ課題が生まれるスピード感のズレがあるからこそ、他ジャンルのピンチもチャンスも含めて積極的に学んでいきたいですし、他の業界・業種の方々とも出会えるコミュニティなので、新たなパートナー探しの場としても活用したいですね。違うジャンルとの掛け算こそが新しいエンタメを生み出すので、この場にさまざまな情報やアイデアが集まることで、今までになかったエンタメジャンルのコラボが生まれたら面白いですよね。SNSクリエイター、JENオンラインコミュニティ、それぞれのポテンシャルを最大限に発揮した掛け算で、新たなヒットの方程式を数多く創り出せたらと思います。
■PROFILE■
中川元太(なかがわ げんた)
1987年生まれ。2013年より漫画アプリ「GANMA!」を運営するコミックスマート株式会社の創業メンバーとして漫画編集部とアプリマーケ部を立ち上げ、2016年に株式会社wwwaapを設立。
現在、200名弱の人気SNSクリエイターを擁し、SNS×漫画によるマーケティング支援、SNS発のコンテンツプロデュースの第一人者として圧倒的な経験とノウハウを誇る。
https://wwwaap.co.jp/
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Writer:龍輪剛
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