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【コロナによる観光業の影響】 沖縄の今 2020年8月15日現在
沖縄へ行ってきた。楽しかったと同時に、いろいろと考えさせられた。
沖縄の今後を肌で感じた。以下が私の見通し。
1. 超高級路線のリゾートホテル、特に外資系の高級ホテルは撤退または倒産する。
2. 地元の人が集まる場所は生き残る。
3. LCCは意外と好調。
以下、詳細。
沖縄北部のリゾートについて。1キロに1つある乱立したリゾートホテル。その中の1つに宿泊した。そのホテルは本州や外資ではなく、ローカルの沖縄の人々で運営されているホテルであった。リゾートらしく、バイキングのレストランやプールがあり、人も多くコロナで騒がれている今でも結構な賑わいを見せている。客層も様々。外国人(アメリカ人、中国人、イスラム圏の人)、県外の日本人、そして沖縄県内の人。県内からのファミリーが目立つ。じいじ、ばあば、両親、子供という組み合わせが多かった。そして大らかな気質なのか、地元やくざのファミリーも滞在を楽しんでいた。このホテルは沖縄の人が昭和30年代からリゾートを運営しており、いわゆる沖縄の老舗ホテルである。沖縄県民の多さを見ると、県内のファンも多いのだろう。そして県内の人を呼べるということはやはり強いことを後で知ることになる。
一方、そのホテルのそばにある超高級路線のホテルにも足を運んでみた。こちらのホテルはリゾートの草分け的存在で超一流ホテルである。(おそらく1泊6万円程度)。まさに楽園。よく手入れされたエントランスには赤い花が咲き乱れ、何人もの従業員が出迎えてくれる。しかし、客は多くの従業員が必要なほどにはおらず、ホテル自体が閑散としていた。エントランスだけでなく、レストランには誰もおらず、プールにいる人の数もわずか数人。そして彼らは明らかに県外から来たお客さんである。沖縄県民も地元のやくざもいない。私が宿泊した地元基盤のホテルとは打って変わって、こちらはコロナの影響を考えずにはいられない。8月半ば、コロナがなければ稼働率200%くらいの賑わいをみせるはずのリゾートホテルの惨状。とても胸が痛んだ。おそらく近隣の超高級路線の外資系ホテルも似たような状況であろう。今後撤退や倒産を目にすることになるだろうと肌で感じた。
沖縄県民にも金持ちは大勢いるだろう。ローカル基盤のホテルよりも超高級路線のホテルに行きたい人も大勢いるだろう。しかしこの高級ホテルに沖縄県民がいないのはなぜか。その理由を帰りの飛行機で読んだ下記の本で知ることとなる。
沖縄から貧困がなくならない本当の理由 (光文社新書)
樋口 耕太郎 | 2020/6/16
この本によれば、沖縄の人々は「人と違うこと」を何よりも嫌う傾向があるようだ。横並びであることを常に求められ、決してNoと言ってはいけない。また、非常に保守的であり、変化を嫌う。さしみ醤油一つとっても絶対ローカルのブランドしか買わない。キッコーマンの醤油が良いと思っても、ローカルブランドを買う。外食するときにはたとえまずかったとしても必ず親戚筋の店に行く。そうしないと家長である父親が不機嫌になったり人間関係にすぐ悪影響があったりする。
私が宿泊した沖縄県基盤のホテルも、おそらく昔から沖縄県民になじみがあるから県内からのお客さんも多いのだろう。また、県内のお金持ちであっても他人との横並びを意識しないといけないので、あえて高級路線のリゾートにはいかず、他の人にもなじみのある老舗の少し庶民的なホテルに行くということも考えられる。また、助け合いのゆいまーるの精神も関連している。「親戚筋が地元のホテルに働いているから、今コロナでもうかっていないから行ってやらないといけない」とかそういった濃い人間関係の中で形成される助け合いの力は意外と馬鹿にできない。外資系や新興の高級なリゾートが県内の人を呼びこめないのはこのような沖縄独特の事情があるからではないか?
というわけで、ホテルに関しては、私は沖縄で最後にコロナ禍で生き残るのは沖縄のローカルの人が経営する、地元基盤のホテルであると感じた。
では飛行機はどうか?飛行機は県外から沖縄県へ人を運ぶものであるから、安いと有利なのは事実である。このハイシーズンに、往復3万円で那覇までいけるLCCは意外と盛況であった。実際に乗ってみると、1列6席x30列=180席の中の中央の席はすべて空けられており、実際に搭乗していたのは、概算で110人程度。6割強の搭乗率である。沖縄県のコロナの悪影響を考えると健闘しているといえる。コロナでもこのレベルで人が呼べるビジネスであるなら、それほど悲観的にならなくてもよいだろう。
大手LCCはJALやANAなど大手航空会社の傘下にあるが、あくまで「安く効率的に」客を目的地まで運ぶことをビジネスとしているため、需要はあるだろう。また、ファミリーや年配の人々ではなく、比較的若い世代をターゲットにしているため、客層も親会社の大手航空会社とはかぶらない。また、ビジネスもホテル事業などには手を出さず、飛行機一本で勝負していることが、コロナ下では功を奏していると思う。
コロナ禍では残念ながら航空会社と観光業は大打撃を受けることは免れないがLCCは生き残るだろう。
ちなみに、那覇国際通りのお店も6割以上が閉店している状況。また、多くの新しいホテルが2019年から2020年にかけて作られたものの、ホテルが建ちすぎて値崩れを起こしている状況。私は一泊たった1500円でけっこう良いビジネスホテルに泊まることができた。(通常この時期であれば、宿泊費1万は超えるはず。)ちなみに、このホテルは最近倒産し、別のホテルが買い取ったホテルであった。
新しく建てられたホテルの中には、今後の利益を見込んでデザインにこだわり、莫大な建築費をかけたと思われるものも数多くあった。今後のことを考えるとため息が出る。
実際に沖縄へ行って感じたことは、自粛ばかりに集中してはいけないということだ。今後はコロナと共存しながら沖縄の経済を回すことが課題となるだろう。
【沖縄の参考文献】
祟り系の怖い話とか、
沖縄の米軍にいる怖い人の話とか、
いろんな怖いが詰まった本。
地球の歩き方、日本版も出版されていたのか!!食べ物の記載多め。ガイドブックにしては文字も多め。ちょっとマイナーな島の情報も載っていて読み物としても面白い優れたガイドブック。
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