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「感謝知らずの女」

 暑さが続き、高温多湿である。
 妻は、暑さのためだと自分で言っているが、体調が悪いと繰り返して言うので、昨日、内科医の元へ連れて行き診察をしてもらった。
 血液検査をしたわけでないので、はっきりしたことは分からないが、自立神経失調症であると診断された。
 高血圧
 めまい
 からだのだるさ
 頭痛
が主な症状だった。
昨日は、ずっと妻は休んでいた。
今日も午前中は、休んでいた。
わたしは、いつも妻より早起きなので、妻が具合が悪ければこれくらいわたしがやっておくか、ということで、昨日の洗い物、塵取りで床のほこりとり、妻の大好きな新聞を取りに行きすぐ読めるようにテーブルに載せて置いた。
 妻は、起きて来て、小さい声で「どうも・・・あり・・う」といった。
きちんとはっきりした声で、今日は具合が良いのだから、「ありがとう」
となぜいえないのか不平不満であった。これは、今にはじまったことではない。付き合いが始まった頃、母親がビトンの長財布を買ってあげたのに、「ありがとうございます」という御礼の言葉がなかった。妻は言ったというが、その場で立ち会っていたが母の言うように御礼の言葉はなく、だんまりであった。
 日頃、わたしは挨拶うるさい。単純なことで「ありがとう」「どういたしまして」で終わってしまうのに、それが不思議と言えないのだ。
 わたしは、日頃、何十回妻に「ありがとう」といっていることやら。
 これは日本人だけでなく、ヨーロッパ人もそうだ。きちんと、「ありがとう」という。
 たぶん、ありがたいという気持ちが欠落しているのだろう。
 


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