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「差別大国フランスとわたしの肝臓」


 わたしは、「肝臓」が悪い。
 みな、健全な人は「肝臓のこと」大して気にしたことはないと思う。
 
 わたしは、パリの国際学会があり、それが無事に済んだ後、脚がむくみ痛くて歩くのがやっとであった。せっかく妻を連れてきたのに大して観光できなかった。
 
 わたしは、パリにあるソルボンヌ大学に留学し、卒業するのに5年かかった。これは、当時、学生ヴィサで入国したのだが、その他に「滞在許可証」が必要で、それを取得するのに半年はかかってしまった。
 
 フランスは、一時、社会主義へ向かう傾向があり、日本とは違い国有化の施設や事務局が多い。だから、公務員であるので時間が来れば今日はお終いという風になってしまうのである。
 
 滞在許可書は、日本で言うと「外国人登録証」である。
 
 フランスは移民大国である。多くの元・フランスの植民地だった国々の人が優遇され、パリで働くことを許されている。
 
 フランスの警察は不法移民に厳しい。だから不法移民でなくても、身分証明相を所持していないと嫌疑をかけられ、警察署で事情聴取をされる。
 
 だから、わたしは、学生ヴィサのスタンプが押されている日本のパスポート、民間が発行しているスチューデントID、大学の学生証、滞在許可証、1年オープンの旅券(お正月に帰国するため)を一式、袋に入れ持ち歩いていた。だいたい、フランスはヨーロッパの中心にあり政治力は強く、アジア人、アフリカ人、アラビア人には非常にうるさい。
 
 大型文房具店で、必要なものを購入し、ドアを出るとき、クレカで支払い終わったのにブザーがなった。警備員のいかつい大柄のアフリカ人が来た。わたしは、購入した際のレシートを見せた。そして、ブザーが鳴ったのはコンピュターエラーであると言った。レジに連れて行かれ確認を取られた。何と、意地悪なことにブザーが鳴らないようにするセキュリティシステムが解除になっていなかったのだ。
 
 差別である。
 人種差別である。
 
 シャンゼリゼ通りの近くにあるホテルグランのカフェでビールを飲んだ際も差別された。何とグラスが洗っていないのである。前の女性が飲んだ時の口紅がビールのグラスにたっぷりとついいている。
 
 不平不満を言う前に、アジア人はこんなものだと哀しくなった。

 また、カフェに入り窓側の席に座ろうとしたら禁止され、そのカフェで飼っている犬小屋の隣に連れて行かれた。
 
 信じられないかもしれないが、薬局へ行ったときは、おつりを投げつけられ、床に散らばったコインを拾うのが大変であった。
 
 フランスは、フランス人にとって自由であり、平等であり、博愛の精神があるが、アジア人を初めとする有色人種には容赦なく差別をする。

 フランスの植民地政策主義のなごりが残っているのだろう。
 
 1970年ごろまで、アフリカ人はカフェへ入ることを禁止され、さらにカフェで働くことも禁じられていた。その後、人種差別禁止法が適応された。
 
 簡単に言うと、白豪主義の国なのである。
 南アフリカと同じだ。

 前置きが長くなったので、
 「つづく」・・・・・


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