「和牛は、おいしいのか?」
わたしは、和牛の肉は脂が強すぎ嫌いだった。
脂を食べている気さえした。食べると必ずと言っていいほどお腹を壊した。胃腸が弱いのだろう。
だから、アメリカ産やオーストラリア、ニュージーランドの肉を同じステーキでも好んで食べていた。
妻は、和牛が大好きだ。
妻の実家は、岩手県の盛岡市で和牛専門のステーキハウスを経営していただけあり、詳しい。
妻が肉のことについて自慢するかのようにとくとくと話すと、わたしは、
「あなたの家は肉屋だったからね」とポツリという。
そういうと妻の感に触るようで、
「肉屋とは何よ!」
という。「高級ステーキハウスでしたから、お客は社長や医師などすごく良い人ばかりだったの」
という。
いつもの繰り返しになるのでここらへんでわざと、その話はやめにする。
輸入肉は、確かに硬い。しかし、和牛とは違って脂が少なく歯応えがある。
それが、妻に無理やり連れられ、何度も和牛を食べているうちに和牛が大好きになってしまった。
慣れとは恐ろしいものである。
贅沢ではあるが、和牛に慣れてしまったのである。
それに慣れると、まず、豚肉は臭みがあり食べられなくなる。
さらに、輸入肉にも強くはないが臭みを感じる。
和牛は、臭みがなく口の中で脂と共に溶けるがごとく食べることができるのが良い。
我が家では、一週間に一度、目黒区の自由が丘まで10分程度なので散歩を兼ねて和牛専門店へ行く。
妻は、すごく機嫌が良い。
妻は、和牛にかかわらず、口の中に何か食べ物が入ると機嫌が良いのである。彼女は、自分自身への投資であり、至福の時と言っている。
我が家の家計では、週一度の和牛でも破産すると悪いので、今後気を付けなければならない。
ちなみに、妻は金曜日はカツの日と決めている。さらに土曜日は和牛であり、金、土と二日間肉が続くのである。
バランスが悪い食生活だと内心思った。
さすがわ、「元・肉屋の娘」ともチラッと思った。
我が家では、その言葉は禁句なのである。
下の記事は、和牛専門店に行き、妻が食べ散らかしたのをスマホで撮影したものである。
ここへ毎週行っている。