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VPoEが新入社員に聞いてみた!多様なバックグラウンドを持つエンジニアメンバーのリアルなJDSCのお話

はじめに

今回は、JDSCにエンジニアとして入社したトーマスにインタビュー!

入社したきっかけやJDSCの開発環境、取り組み、他社との違いなど、リアルなお話を赤裸々に語ってもらいました。
聞き手は、VPoE (Vice President of Engineering)の宮川大輔です。


入社のきっかけ

(宮川)
トーマスさんの入社は2023年10月です。きっかけはスカウト活動(当社からの声がけ)からでした。この件は宮川としても割と良く覚えておりまして、確かトーマスさんご自身の自己紹介文に「過去の職場でセキュリティソフトの制約があって開発環境が400MB以上のメモリを確保できなくて……」みたいな話が書いてあったんですよね。

それで、「うちではそんなことないよー」みたいなスカウト文を打った記憶があります。かなりノリノリでスカウト文を書いてました。

(トーマス)
はい、書いてありました。「400MBに制限することはないので」みたいにありました。こんなオカシイ話にもちゃんと反応してくれるんだなって感動した記憶があります。

(宮川)
候補者の方全員の自己紹介文はしっかり読ませていただいているつもりです。特に、当社の文化に合うかであるとか、ソフトウェアエンジニアリングの領域で期待値が一致しているかなどは見させていただいてます。

ただ、トーマスさんの例は特別めずらしい話題だったのは確かです(笑)

(トーマス)
書いてよかったです(笑)

(宮川)
それはさておき、スカウトをさせていただいた直後に当社に応募いただけたのは非常に嬉しかったです。こちらとしては「400MBの件が、きっと効いた(๑•̀ㅂ•́)و✧」みたいな気持ちではありました。

……さて、その後JDSCに入社していただいたわけですが、実際の当社の開発環境についてはどうでしょうか。

(トーマス)
開発環境には満足しています。GitHub Codespacesなども使わせてもらってますし。

(宮川)
よかったです!GitHub Codespacesを試しているプロジェクトもありまして、結構好評なんですよね。

JDSCでの取り組み

(宮川)
続いて具体的な仕事内容について教えてほしいです。どういったプロジェクトに関わっていますか?

(トーマス)
seawise株式会社の案件で、具体的に言うと、CII(Carbon Intensity Indicator)予測に関するアプリケーションを開発しています

seawise株式会社は、当社初のジョイントベンチャーで「船舶の生涯価値向上」の実現のため、JDSC、三井物産、常石造船 の3社による合弁会社として立ち上がりました。

CIIというのは船の二酸化炭素排出量に関する指標です。温暖化といった課題があるなかで、船の燃費を良くし、二酸化炭素排出量が減れば有利な局面があるんです。

そこで、1年ごと、または1航海ごと、といった様々な尺度で排出効率が予測できると今後船の価値も上がるであろう、という観点で、seawiseプラットフォームに集積させている船に関する各種のデータを活用し、当社のDSと連携しながら排出効率を予測する、という取り組みを行っています。

(宮川)
船って基本的に重油で動いてますものね。CIIの話は、私もカジュアル面談で良く話題にします。

CII予測の取り組みのほかに、今後はさらにヘルスケア領域の開発にもジョインされると聞いていますが、そちらはどうでしょうか。

(トーマス)
フレイル検知APIの開発にも携わる予定です。既に本番運用されている既存のプロジェクトのモデルを活用しつつ、さらに他の外部データと連携を強めるために、開発を加速させていくことに挑戦します。

(宮川)
当社としては「個社最適ではなく、全体最適を通じて社会を良くしていく」といった文脈での取り組みを非常に重視しているのですが、その中でもこの2つの取り組み(seawiseプラットフォーム、フレイル検知API)は、私がソフトウェアエンジニア向けにさせていただくカジュアル面談や、当社が開催しているフライデーナイトで良く紹介する事例でもあります。さらに事業を加速していただけることを期待したいです。

これまでの仕事との違い

(宮川)
JDSCでの活躍についてお伺いしましたが、これらの開発と、今までの仕事との違いはありますか?

(トーマス)
他社では暗号資産に関わる自社サービスの開発を中心に行っていました。それと比べるとだいぶ仕事の雰囲気が違って戸惑った部分も結構ありますね。

(宮川)
「プラットフォーム開発」的なところでseawiseプラットフォームも自社サービスの文脈に近いかな……なんて思ったりするんですが、そこは結構違うんですね。どういうところが違うか、具体的に説明いただけたりしますか。

(トーマス)
社外のステークホルダーとの調整の分量かなと。以前の会社でも顧客がいましたが、その顧客と調整することはJDSCでの方が相対的には多いなと感じます。

(宮川)
(恐る恐る)前職の仕事のスタイルの方がその側面では良いとか……?

(トーマス)
以前の仕事と比べてどちらが良いとか、そういうことではないかなと思います。

単純に、仕事の進め方がすごく違うなぁというくらいです。外部ステークホルダーとの調整は今までやったことなかったので、むしろ経験になりました。

(宮川)
カジュアル面談などもしていると、割とこのあたりはよく聞かれたりしますが、私もそう思います。なんかどっちが良い悪いじゃないかなと。

今のご返答でちょっとホッとした部分がありますが……結構「プロダクト開発」に興味をお持ちの方だとビジネスコミュニケーションが多いとどうだろう、みたいな。

(トーマス)
JDSCの特色って、要は「コンソーシアム」ですよね。外部のステークホルダーを巻き込まないと先に進められないような事業をしているから、「自社サービス」と言っても仕事の仕方はだいぶ違ってくるかなと。

(宮川)
あ、大事なキーワードを先に言われてしまった気がする(笑)
確かにJDSCのCはもともと「コンソーシアム (consortium)」に由来します。

産業全体を良くするためにJDSCがコンソーシアムの中心として複数の組織を媒介するようなイメージで私としては捉えています。

そしてトーマスさんのおっしゃるとおり、開発側面でも外部ステークホルダーとの対話の分量が違うのもおっしゃるとおりだと思います。

OSSの経験

(宮川)
ところで、スカウトする際に「おっ」と思ったこととしてOSSの活動もされてましたよね。どういう分野でOSSの活動をされていますか。

(トーマス)
自分が使っているライブラリとかで、なんかあるとPR投げるようにしてます。Rust向けSDKの開発に貢献することが多い気がします。

(宮川)
おっRust。今話題ですよね。実際、当社だとRustではなくTypeScirptとかPythonが役に立つプロジェクトが圧倒的に多い印象ではありますが、一方で私個人の感覚で言うと、トーマスさんのOSSの経験が役に立っている側面があるなー、と思う時があります。

例えば先程の話にちょっと戻ると、Codespaceを会社で最初に耳にしたのってトーマスさんからなんですよね。

単純に私のアンテナが低いだけかもしれませんが、知っている知識や関心の持ち方について、私が取りこぼしているものをよく共有いただいているような印象があるので「あれ、OSSの経験て役に立つんだ」と思う面があります。

(トーマス)
OSS自体というよりは、それに関連した周辺分野についてはアイディアを社内で共有してるからかもしれません。

(宮川)
ああ……まさにそういう感じ。そういえば最近、LLVMのアーキテクチャについても教わりしました。

バックグラウンドが違えば面白い

(宮川)
仕事の文脈を離れてトーマスさんと技術周りの話をしていてよく思うのが「バックグラウンドが違うとやはり面白い」といったことです。アセンブリに近いような、やや下回りのレイヤに興味をお持ちの人固有の特性みたいなものがトーマスさんにある気が勝手にしています。仕事だと「Webアプリケーション」や「データ基盤」の話が大勢を占めるので、社内で話を聞くのは相対的には珍しいです。

関連して、先日「社内勉強会で発表してよー」と頼んだときにトーマスさんからLatency Numbers Every Programmer Should Knowの説明をしていただいたのも、ある意味意表をつかれて感動しました。「そういうプレゼンしてくれる人めったにいないんだよなぁ!!」みたいな。

(トーマス)
JDSC内でも、JavaScriptのフレームワークとかオブジェクト思考のような「超高級」なレイヤに強い関心を持つ方はいらっしゃるのですが、下層レイヤについての関心を持たれているのか分からない部分がありまして、プレゼンテーションの材料にしてみました。

(宮川)
昔からありますよね。私も好きな方なんですが、その割には長らく会社内で見なかったし、自分でも表に出してこれてなかったなぁと思いました。

ベタにいうと「技術者の多様性」みたいな表現になるんだと思いますが、「ソフトウェアエンジニアリング」という括りでも色々な形があると思います。今回のような文脈のインプットが社内でもあると、個人的にはとても楽しくなります。

(トーマス)
「GraphQLでメモリ不足になっちゃった」みたいな話を聞くことがあったんですが、突き詰めていくと、こういった基礎部分での理解が有用だとは思いますね。データサイエンス文脈で言えばpandasに対するpolarsとかも然りです。

(宮川)
pandasの話(注1)を聞いていると、polarsに移行させたいですよね。

※1:Wes McKinney - Apache Arrow and the “10 Things I Hate About pandas” 

Wes McKinney 著

今後やっていきたいこと

(宮川)
最後に、社内やご自身のキャリアの中で今後目指してみたい方向性があれば教えてください。以前「シニアエンジニアになりたい」みたいな話をされていましたが、具体的にどういう方向を目指しているのでしょうか。例えば私なんかは「マネジメント」寄りに興味があるのですが。

(トーマス)
ビジネス理解もあるスペシャリストみたいな方向性を目指そうと思っています。専門領域としてソフトウェアエンジニアの側面は持っていたいんですが、同時にビジネスのことも分かっていないと今後取り組めないことも多いかなと思ってます。

(宮川)
JDSCは確かにBtoBビジネスの中でもお客さんとの距離がかなり近いなぁと思うので、その点では良い経験を積んでいただけると思います!

◇エンジニア採用窓口

◇前回の『VPoEが聞いてみた』インタビュー


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