2024年、eスポーツはこうなる
こんにちは、JCGの松本です。
2024年、日本として非常に辛い幕開けとなりました。震災・飛行機事故の被害に遭われた方々は極めて困難な状況に直面されているかと思います。また、お亡くなりになられた方々に対し、心よりご冥福をお祈りいたします。
少しタイミングを逸してしまったかもしれませんが、eスポーツ業界について、2023年の振り返りと、2024年に向けての予想を立ててみたいと思います。
毎年感じることですが、2023年もeスポーツ、そして当社にとって激動の1年でした。これほど刺激的な業界で事業を行えていることにやりがいと幸運を感じています。皆さま、2024年もよろしくお願いします!
2023年4月には、今年はこんな事が起きるだろうと予想した記事を書きました。
前回note:2023年度、eスポーツはこうなる
①より高いレベルでのグローバル化
②メタバースによるeスポーツの進化
③日本ゲーム界 第三次eスポーツブーム
振り返ると、全体として的中率は70%程度かなと考えています。
①より高いレベルでのグローバル化:的中率70%
予想を超えたグローバル化が進みました。
Savvy GamingによるEFG買収、VSPO出資に端を発し、そこから国際eスポーツ組織であるGEF(Global Esports Federation)とIeSF(International eSports Federation)でのサウジアラビアの発言権の強化、オリンピックでのeスポーツ採用、賞金総額67億円のGamers8(今後はEsports World Cup)実施と、急展開を見せました。
予測の方向性は正しかったものの放映権料などはまだまだ控えめだったり、グローバル化もたった1年でここまで進むとは予想しきれなかったため、的中率70%としました。
②メタバースによるeスポーツの進化:的中率80%
シューティングゲームであるFortnite(フォートナイト)を使用した新しい射撃競技が生まれ、オリンピックで採用されました。日本ライフル射撃協会の下部組織として、私も理事を務める日本eshooting協会も創立されました。Cygames社の『Shadowverse: Worlds Beyond』もメタバースとeスポーツの融合を実現するゲームになるでしょう。
2023年だけでは世界的なムーブメントになりきらない、という部分は予想通りでしたが、もっと多くの企業やゲームがメタバースを意識すると考えていたので的中率80%としました。
③日本ゲーム界 第三次eスポーツブーム:的中率60%
ストリートファイター6はストリートファイターリーグを中心として動き、プロeスポーツプレイヤーが中心にいると言っても過言ではないマーケティングを行っています。もちろんそれだけではない、初心者もカバーする多角的なマーケティングを行っていますが、常にプロリーグで素晴らしいゲーム視聴体験がある中でのプロモーションは、マーケティング戦略的にも非常に成功していると感じます。
その後格闘ゲームは、グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-、アンダーナイト インヴァース II シスタセレス、TEKKEN 8、Project Lなど、ここまで集まるのか!というほどのラッシュです。FPSでは『Counter-Strike 2』リリースも衝撃でした。スポーツゲームでは『eFootball』の国際的な躍進、TCGでは『ドラゴンボールスーパーカードゲーム フュージョンワールド』『Shadowverse: Worlds Beyond』の発表など、eスポーツタイトルの発表も多く行われました。
今年一年、eスポーツというジャンルやeスポーツ選手の地位は一足飛びに向上したと感じています。そして、2024年は2023年以上の伸びになると期待を感じています。
皆さまの予想はいかがでしたでしょうか。
続いて、来年の動きも考えてみました。
① eスポーツが社会変革のキードライバーへ
② eスポーツが日本IPを世界に広めるツールへ
③ 子供にとってeスポーツ選手が再びなりたい職業に
①eスポーツが社会変革のキードライバーへ
群馬県のeスポーツ事業、泉佐野市と南海電鉄による企業版ふるさと納税、数多くの自治体によるeスポーツ事業関連活動、eスポーツプロチームの地方化など、ここ3~4年の動きが継続して行われました。
パラスポーツに国際的な動きも出るなど、すでにスポーツに組み込まれつつeスポーツならではの特徴を活かした活用も始まっています。成田国際空港ではeスポーツ交流でオーバーツーリズム対策を打ち出す方針を発表しましたが、今後はこういった具体的な問題に踏み込んだ上で、世代・性別・言語の壁さえ超えるeスポーツを、社会問題解決に活用する事例が数多く出てくると考えています。
②eスポーツが日本IPを世界に広めるツールへ
すでに日本のアニメは世界中で愛されるIPとなりましたが、そのアニメIPと連動するゲームやゲーム独自のIPは未だアニメほどの拡散力は持っていません。一方で、これは高いポテンシャルがある分野とも言えます。ゲームIPもeスポーツによって世界へ広がっていく可能性を高めていくため、グローバルで成功しているeスポーツゲームの分析や運営ノウハウが研究され、後発ならではの効率性をもって世界に広がっていくタイトルが2024年には出てくると考えています。
③子供にとってeスポーツ選手が再びなりたい職業に
eスポーツ選手の地位向上、高校からのeスポーツ学科の創設、eスポーツ部の増加、高校生大会からプロ選手になった人たちの成功事例を元に、eスポーツ選手は、「よく分からない憧れ職業」から「現実的になりたい職業」へと変化してきています。セカンドキャリア問題も改善してきており、元プロがX(旧Twitter)で就職先の募集をしたところ、多くの採用担当者からアクセスがあった事例もありました。
SNSの進化により、採用面において、ただ優秀であったり努力ができるというだけではなく、日々の生活をオープンにしている人の方が有利に働く時代になっています。eスポーツでの人間力やチームワーク力、日々の長時間配信での人間性のアピール、そして憧れられるeスポーツ大会で結果を残すコミット力は「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」の一つとも言えます。
そのような中、eスポーツ選手は中高生から見て再び憧れられる職業になると予想しています。
私の予想は以上になります。
皆さんの予想はいかがでしょうか?
ぜひコメントなどで意見をお寄せください。
松本順一
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