豚足呑みの勧め～酒場浴日誌01
豚足が好きです。
いや、もしかすると「珍味亭」で呑むのが好きなので、豚足も好きなのかもしれません。そのくらい、「珍味亭」が好きです。それはさておき、今回は豚足の話です。豚足で吞む話です。実は、先月、先々月と最高の豚足に出会ってしまったのです。
まず１軒目は４月の熊本です。「住むように呑む」をやってきました。熊本はなぜか揚げ豚足の街です。普通の居酒屋でも豚足メニューがあり、基本は揚げなのです。そしてこの「とん八」の揚げ豚足はほんとうに最高なんです。
滞在期間中に２度訪問しました。１度目はその日の３軒目、２度目は４軒目と、いすれもかなり酔っ払って、腹も膨れてお邪魔したので、豚足しか食べていません。そして、これが軽くて酔っ払いがサクサク食べられるの揚げ豚足なのです。大将と女将さんも素敵な方で、次回はもう少し素面で行きたいです。
そして次は５月の大阪です。「とん足びーちゃん」です。こちらは焼き豚足です。茹で焼き揚げ、何でもいけるのが豚足です。なかなかディープなところにあります。このビル、隣のビルも経由して道の逆側に出られます。歩いていて楽しいです。
さて、こちらの焼き豚足は、じっくりと焼き上げ、多様な味付けで供されます。４種類いきました。手を使わずに箸だけで食べられます。
実はここは月島の酒場「深呼吸」で教えてもらった酒場です。ここの豚足を「深呼吸」では特別に取り寄せていて、東京にいながらにして「びーちゃん」の焼き豚足が食べられるのです。しかも、お洒落な店内で。
いやはや、ありがたい月島です。そして、大阪の豚足といえば「かどや」も有名です。着席して３秒後には目の前に豚足とスーパードライが供されるダイナミックな酒場です。ここの豚足は「珍味亭」とは違って白いです。そしておしぼりはピンクです。鍋は迫力です。
そして、やはり一番は、「珍味亭」です。ここのおしぼりは鮮やかなグリーンです。カウンターの赤色とともに１年中メリークリスマス状態なのです。これは狙ってのものなのでしょうか。２代目に３代目にも質問できていません。
１人で早目の時間帯にお邪魔することが多いのですが、まずは紹興酒、豚足半分、セロリの王道注文から始めます。紹興酒は表面張力の奇跡という状態でカウンターに置かれます。なぜ、これをこぼさずにカウンターに置けるのか。天才的なバランス感覚です。私はカウンターから口に運ぶだけで、じゃばじゃばこぼしてしまいます。豚足は半分でも十分な量です。タイミングによっては熱いのが選べます。どちらも美味いです。そしてセロリは欠かせません。「キング軒」でセロリトッピングが外せないのと同じです。その昔、パクチーが安定供給されないために、その代替として使い始めたというセロリですが、今ではこれなくして「珍味亭」なしというくらい必須アイテムです。
豚足が片付くと追加オーダーが始まります。半分半分でオーダーができます。シッポにミミは欠かせません。胃袋・小袋も同様です。悪魔的に美味しいにんにく醤油を少しつけつつ食べます。結局、ほぼ一通り食べてしまうことも少なくありません。それから、玉子も忘れてはいけません。一個から頼めます。
何でも半分で頼める「珍味亭」ですが、スープは半分では頼めません。でも、２人で頼むと半分ずつに分けて出してくれます。なので、お隣の方と仲良くなり、一緒に半分ずつ頼むという奥の手が使えます。どきどきですね。この秘技を思いついた時は本当に嬉しかったです。
そして、炒め物です。なんといっても一番はビーフンです。炒め物のオーダーが入った瞬間、２代目の目がキラリと光り、戦闘態勢に入るのがわかります。この炒め音で紹興酒がさらに呑めます。
そして「珍味亭」でも、焼きそばの名店「赤い鼻」と同様に外呑みもできます。一度、真冬にお邪魔して、大混雑だったのだけど、極寒の中で外のみをしたのもよい思い出です。
お持ち帰りもできるので、頼めなかったもの、もっと食べたいものを持ち帰ります。持ち帰りににんにくをつけてくれるのですが、このにんにくが実にコロッコロして可愛いのです。豚足が好きなのか「珍味亭」が好きなのか、そんなのどっちでもいいから、西荻窪にもっと呑みにいきたいです。
まだ、通勤という概念があった頃、西荻窪を最寄駅にする１週間というのをやりました。最寄り駅は、「最」も頻繁に「寄」る「駅」と定義すれば、会社帰りに毎晩、西荻窪に寄って帰れば、その週は西荻窪が最寄駅になるのです。なんとなく嬉しい…、ただそれだけです。毎晩、西荻窪から１時間半かけて自宅に帰ります。私の家は２駅使えるので片方の駅に集中しないで帰れば、その週は西荻窪が最寄駅です。
それでは、表面張力シリーズで〆たいと思います。
【珍味亭】東京都杉並区西荻南
【とん八】熊本県熊本市中央区花畑町
【とん足びーちゃん】大阪府大阪市中央区東心斎橋
【豚足のかどや】大阪府大阪市浪速区難波中
【深呼吸】東京都中央区月島