アフターキャリコンラボ第5回の振り返りです
金曜日と月曜日にアフターキャリコンラボを開催しました。自分なりの振り返りもしてみたいと思います。今日は金曜日の分の振り返りです。
金曜日は第5回。新趣向で「メンバーからのお悩み相談」です。これはシリーズ化したいですね。でも、内容はキャリア相談ではありません。たまたま、メンバーのお一人とメールのやりとりをしていて、ビジネス上のお悩みを聞きました。返信しようかなと打ち始めていて、待てよと思います。自分なんかが独りよがりで返答するよりも、これを題材に皆で対話をして、その対話の中で質問者ご本人もあれこれ考えることができるという場が作れれば面白いんじゃないか。そう、思ったのです。そして、即、実行です。なので、翌月曜日の第4回よりも第5回の方が早い開催となりました。相談者はIT企業で人材開発の仕事をされている方です。
ご相談➀
VUCA時代といわれる中で、社員がキャリアパスに迷い(すでに一部の人は考えることすらやめている?)、上司もキャリア面談に限界を感じ(そもそも忙しくて面談時間の確保が難しい、時間内で本人の迷いに対応できない)ている。そして、結果として社内キャリア相談窓口の需要が高まっています。
これはこれでいいのですが、人事がキャリア相談の対応をする場合、例えば人事制度に対する不満だったら、相談ではなくて不満をぶつけるだけにならないだろうかとか、いろいろと不安事項も絶えません。人事がキャリア相談の対応を効果的にするにはどうすればいいのでしょうか。
ご相談➁
先日CCAのセミナーで「ミライフキャリアデザインプログラム」の話を聴講したのですが、過去での棚卸→自分の価値観を知る→未来の自分をどうしたいか考える、これをじっくりやればキャリアに対する腹落ちや自律を高めることができるのは自分自身もGCDFプログラムを通じて体験しているのでAgreeです。ただ、全社員に向けてこれほどじっくり時間をかけて取り組んでいくというイメージが持てません(現実的には業務の傍らでというのが厳しい)。となると、まずは短時間でも効果が出るものから始めていかないとスピード感としては不十分なのではないかと思い、少しでも効果を感じた人を徐々に引き込んでいくのが良いのではないかといった戦術を考えたりするのだけど、果たしてそれでよいのでしょうか。
ご相談➂
事業戦略に沿って教育プログラムを見直そうとしていますが、数年後の見通しを立てて設計するというのはVUCA時代では難しくなってきているのが現状だと感じています。でも、育成には時間がかかるので、ある程度見通しを立てて育成しないといけないと矛盾する思いもあります。ITにかかわる技術領域については現場部門と認識を合わせしながら短期で見直しながら進めるとしても、あまり大きな変化がなさそうなリーダーシップとか思考力とかを課題ベースで組み立てるのが良いかとか悶々としています。と考えていくと、そもそもこんな風に社員教育の施策ってボトムアップで作るものなのかも疑問に感じてきて……。
当社も似たような課題があるよなぁという人も少なくないと思います。当日は、相談者に質問を投げかけながら、参加者はそれぞれの意見や考えを伝える感じでゆるゆると進みます。具体的な内容については、参加者のレポートを近日中にアップします。➂まではたどり着きませんでした。
相談者の方からの終了後のコメントです。
「ご参加いただいた皆さま、先日はお世話になりました。ありがとうございました。客観的に見ていただいたおかげで、あれやこれやと改善のタネが見つかりました。あとは実践あるのみ!真面目に真剣に一緒に考える時間のなんと贅沢なこと!と余韻に浸っている週末です。週明けからまたがんばります。」
「真面目に真剣に一緒に考える時間のなんと贅沢なこと」、なんて素敵な言葉ではないでしょうか。贅沢であり、かつ楽しい、そんな時間はそうそう得られません。参加者の一人ひとりが自分事として考えて、いろいろと意見を語ります。それらの1つひとつは体系的な理論ではなく、実践者の持論です。でも、社会科学・人文科学における理論の多くは、持論を束ねたものだと極論できなくもないわけで、多くの方から実践者の持論をいただくのは、実践者としては参考になりますし、何よりも勇気と元気をもらえることです。
ふと、場を鳥瞰すると、なんで平日しかも金曜日の仕事終わりに、会ったこともない他人の仕事の悩みを自分のことにように真剣に考えているこの人たちって何なんだろうという気持ちにかられます。少なくとも支援者としての資質に恵まれていることは間違いありません。知識やスキルは不十分であっても、その資質だけでキャリコンとしては、まずOKです。あとは鍛錬の世界です。そして、こういう人たちが町場にたくさんいるのが日本という国なんだと思います。日本は、ほんとうに素敵な国なんです。日本を学習大国にするために、少しでも貢献したいと改めて思いました。
※アフターキャリコンラボ(ACC-Lab)とは~~: キャリコン6万人時代です。しかし、そのうち5万数千人は悶々としているのではないでしょうか。キャリコン資格をとったけど、何も使えていない。養成講座に通ってた時は滅茶滅茶勉強したけど今では遠い過去の話。キャリコンじゃ食えないよね。そんなことを考えている人が多くいるように感じます。キャリコンの学びは試験合格だけのためではありません。キャリコンの実践は個人のキャリアコンサルタントとしての面談だけではありません。試験に合格すれば、良い面談ができるわけでもありません。そんないろいろな思いから、キャリコンを学んだ・資格取得した後の学びとつながりの場をつくりたいと思い、立ち上げたチームです。体制が整っていないので、今は主宰者である私の直接の知人に限って参加いただいています。現在のメンバーは70名程度です。仕組みと体制を整えたら、友達の友達に次は広げたいと思っています。なお、このラボは私の参加する一般社団法人経営学習研究所のラボとして運営させていただいています。
【本日の酒場写真】弘前の「しまや」です。昨年だけで3回も行ってました。まさに郷土料理です。郷土の人が食べている料理。来月も行けるかな。