薊(アザミ)
路傍で薊を発見。
早くも花が咲きそうな感じでした。
(headerの画像は無関係です)
学名:Cirsium japonicum
科 :キク科
属 :アザミ属
別命:刺草(トゲクサ、シソウ)
薊は好きな花の一つです。
薊の見た目は凛とした美しさがあり、同時に強さや防御力を感じさせます。また、棘のある茎や葉があることで、花自体を保護する役割も果たしているため、自然界での生命力の強さも表しているといえます。
世界では300種以上の品種が確認され、日本では150種以上が自生しているようです。国立科学博物館の標本・資料統合データベースに『 日本のアザミ 』があります。ご興味があればご覧ください。
18~24歳の期間、盆栽園での技術研修(修業)を終えた後に、盆栽業をこのまま仕事をすることに不安を感じた私は、以前から興味があったアール・ヌーヴォーや絵画を学びたく、取り扱っていた画廊に電話をして面接をしていただきました。盆栽しか知らない若造をよく採用してくださったなぁと今でも思いますが。
その画廊でアール・ヌーヴォーを代表するエミール・ガレやドーム兄弟などのガラス工芸に触れることになりましたが、ガレやドーム兄弟のことを知るなかでそれぞれのアザミ文花器に魅了されてから薊が好きになったような気がします。
1870年の普仏戦争でプロイセンに敗北し、フランスはアルザス全域とロレーヌ北東部を割譲しますが、アルザス・ロレーヌ地域では、「独立」や「抵抗」という花言葉を持つ薊は、祖国を守る愛国心や勇気のシンボルとして愛されてきました。 そのロレーヌ地方の中でも有名なのが、ガラス工芸の一大産地ナンシー村。 豊かな自然に恵まれた場所柄、植物園芸や品種改良が盛んになった19世紀末からは、 エミール・ガレやドーム兄弟などが薊をモチーフにした作品に祖国復帰の思いを託しました。
また、スコットランドの国花でもあり、勲章にも使用されています。
これは、8世紀から13世紀までヴァイキングの侵入に苦しんだスコットランドで、侵入してきたヴァイキングの兵士が刺のある薊を裸足で踏んでしまい、痛みに耐えかねて大きな声を出したことで、スコットランド兵がその侵入に気が付き多くの兵を助けたことに由来するとされています。
ナンシーの市章にも使用されています。
シールドの上半分が「ロレーヌ公の紋章」で、下半分に「薊の葉と花」があしらわれています。
日本では、小笠原諸島に白花の薊があるようです。
さすが固有種の宝庫、小笠原諸島。
一度は、実際に見たいものです。
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