野間真さんインタビュー#16 ～水野あおいさんはやっぱり不思議な女の子？～

いちばんアイドルらしいと思ったのはいつ？

「斉藤さんのインタビューだったかな、あおいちゃんの最後のインタビューで、いちばんアイドルらしいと思ったときはいつですか、という話を振られて、あおいちゃんが何を答えたかと言うと、万世橋の警察署の一日署長をやったときがいちばんアイドルっぽかったなあって思いました、という答えをしていたのは憶えています」
――それは面白い答えですねえ。
「ははっ（笑）面白い。だから、彼女の中では、やっぱりアイドルっていろんな人に見てもらうっていうのが一つの…　まあ、地上波に出られたら良かったんでしょうけど、そういう形のもの。例えばソロライブとかキャンペーンとかではなくて、万世橋の一日署長で手を振っていたのがいちばんアイドルっぽかったなあと思いますっていう風だから、普通の感覚なんでしょうね」
――まあ、そうかもしれませんね（笑）
「うん。それが "いの一番" に出てくるっていうのは、ある意味で…」
――たしかに、松田聖子さんとか河合奈保子さんとかも一日署長をやってましたね。
「ＡＫＢや乃木坂でもやっているでしょう、今でも」
――ああ、やってますね。
「やってますよね。あれがいちばんアイドルらしいという、そういうことだったようですよ」
――なるほど（笑）
「そういう感覚の人だったからなぁ…」
――素朴な感覚ですねえ。そういえばその映像は、たしかYoutubeに上がっていますよ。
「あ、一日署長の映像が？　ははは（笑）なんていうことだ…」
――ファンの人が撮って残しているというのがすごいですね。
「全部撮っている人っていうのがどうやらいるんでしょうね。行けるものに関しては、歌以外にも…」
――さきほどの（『夏の恋人』の）Youtubeの映像も何箇所かのイベントの映像をつなぎ合わせていて…
「すごいなあ、なんですかそれは…」

『スーパー写ルンです』のあっぱれ駒ちゃん

――もう一つお伺いしたかったのが、フジフィルムのＣＭのことですが…
「はいはい、ありましたね。アイドルっぽい女の子を探しているっていう話が来て、たしか当時の井上麻美のマネジャーさんが見つけて来て、そういう仕事が降って湧いたという話です」
――このＣＭは企画としても面白くて、アイドルとコールを掛けるファンがいて、それが江戸時代のセッティングだということで。江戸時代からずっと続いている文化みたいな作りで面白かったなあと。
「ああ、はいはい。面白いですよね。あれは『写ルンです』のＣＭでしたっけ？」
――そうでした。
「ああそうか。ちょっとカメラ小僧をデフォルメしたような感じの映像でしたね。そうそう、ああいうのも出ていたね」
――これも、一つの「伝説」と言えるかもしれないなと。アイドルとファンとの関係性というのをＣＭ上で表したライブアイドルの一つの形として。
「そうなんですよね。ファンと一体化しているアイドルっていうことで語られることはありますよね、水野あおいはね。それはそういう気がします」
――そういう意味で、ひとつの象徴とも感じたＣＭでした。

次回のnoteは、森下純菜さんのお話も……