名作『素晴らしき哉、人生!』~人生で希望をもって生きることの大切さ~
1946年にアメリカで制作された『素晴らしき哉、人生!』(原題:It's a Wonderful Life)という白黒映画の名作があります。主人公のジョージは、いつも何処かでツキに見放され、逆境にばかり立ち向かう運命にありました。自分のミスではないが大金を失った彼は、クリスマスイブに全てに絶望してせめても保険金でその穴埋めをしようと自殺をはかろうとします。ところが、12月の冷たい河に飛び降りようとしたとき、自殺を止めたのが翼のない(見習いの)天使クラレンスでした。クラレンスはジョージの自殺を踏みとどまるよう、これまでの人生をみせるのです。
26年前、ジョージが12歳の頃、弟を助けた代わりに片耳が聞こえなくなります。そこからジョージは幼馴染のメアリーと再会していい雰囲気になりますが、同時に父が亡くなります。そんな不幸続きのジョージにさらに追い打ちをかけるように、銀行家ポッターは亡くなった父の会社を潰そうとします。ジョージは夢を諦めて会社を継いで守り、後に幸せを掴み4人の子どもを授かります。しかし、束の間の幸せは過ぎ去り、ジョージの叔父が多額の預金を失くしてしまい警察沙汰になります。必死に失くしたお金を探すも、銀行家のポッターがもっており、みつかるはずはありませんでした。そのお金を工面するため自殺をしようとしたところで、クラレンスに助けられたのでした。
そこでジョージは「生まれて来なければよかった」と言います。そのことを聞いたクラレンスは、ジョージに「ジョージがいない世界」をみせます。その世界では、ジョージが愛した街をポッターが支配し、友達も母もジョージのことを知らず、叔父は精神病棟に入院している絶望に満ちた世界でした。その世界をみたジョージにクラレンスは「一人の人間の人生は、大勢の人生に影響を与えているんだよ」と言うのです。自分のいない世界をみたジョージに天使のクラレンスは「君は本当に素晴らしい人生を送ってきた」と諭します。ジョージがいないことで街が変貌を遂げ、不幸に包まれています。そのことを知っていた天使のクラレンスは、ただの励ましではなく、ジョージがいかに必要な人物かを伝えます。自分がいない世界で大勢の人生が変わっているのを目の当たりにしたジョージは、自分の人生の素晴らしさに気づき、「もう一度生き直したい」と言います・・・・。
この映画はクリスマス映画の感動作の一つとされていますが、いろいろなテーマがみてとれますが、なかでも人生で希望をもって生きることの大切さをあらためて考えさせてくれます。みなさんはどう感じますか。
人生塾 柳緑花紅 塾頭 くりおんだ