「ながら勉強」で5か国語を話せるように!
先週末に偶然noteの存在を知り、一昨日IDを作成しました。つまり、これが私のNote処女作です(笑)。
私は中学生の娘がいます。「英語の語源」「世界史」「経済・経営の基本知識」「投資」、そして「知っておくとちょっと自慢できる雑学」など、学校では教えてくれないけれど、娘の人生にきっと役立つ知識を整理して、「愛娘のための○○○」シリーズを作りたいと思い、noteを始めることにしました。
前置きはこの辺にして、今日は皆さんに「ながら勉強」で外国語を身に着ける方法を紹介したいと思います。
私は韓国生まれ・韓国育ちの120%韓国人ですが、母国語の韓国語に加え、日本語、英語、インドネシア語、中国語の5か国語を話せます。
英語は中学・高校の6年間、学校で授業を受けたり、教科書や参考書を使って「正攻法」で勉強しました。一方で、日本語、インドネシア語、中国語は、ほぼ授業を受けずに「ながら勉強」で身に着けました。
例えば、日本語の場合、2000年から2001年にかけて、寝る時間以外はひたすらテレビを観続けることで習得しました。当時、大学4年生だった私は、交換留学生として広島大学で1年間過ごしました。
広島大学のキャンパスは、広島市から電車で1時間ほど離れた東広島にありました。周囲には自然が広がっていましたが、当時、近くにあったのはダイエーモールくらいで、他にはほとんど何もありませんでした。そのため、自由な時間はほぼ寮で過ごしました。
授業は全て英語でしたが、それ以外の時間は寮でひたすらテレビをつけ、日本語が自然に流れる環境を作りました。幸運にも、私は韓国人の中で漢字が読める最後の世代だったため、字幕を読みながら音声と照らし合わせることで、日本語の発音や意味を自然に学ぶことができました。
その後、日本語を活かして韓国の電子メーカーで日本営業を担当し、日本の大学院を卒業(文部科学省の国費留学生)しました。現在は総合商社で自動車ビジネスに従事しており、日常的にほぼ日本語だけを使う生活を送っています。
日本語を使い始めてから、もう24年ほど経ちますが、机に座って教科書を読みながら真面目に勉強した記憶はほとんどありません(笑)。
インドネシア語や中国語も、同じように机に向かって勉強したのではなく、日常生活の中で自然に使える環境を作ることで身につけてきました。
ここでは、私が毎日さまざまな言語と触れ合い、学んでいる方法をご紹介します。
1.起床後~出社前
① TEDを聴く(YouTube)
毎朝、目が覚めたら、まずYouTubeでTEDを開き、動画を聴きます。私はYouTube Premium会員なので、画面を閉じても音声だけで再生できる機能を活用しています。顔を洗ったり、出社の準備をしながら、リラックスした気持ちで聞いています。
※ポイント
TEDは、様々な背景を持つスピーカーが、不特定多数のオーディエンスに向けて意見を述べる場です。そのため、難しい分野の複雑な話も、誰にでも分かりやすく説明してくれるので、リラックスして聴ける内容が多いです。中には「これを全世界に発信するの?」と思うような軽いテーマもあり、多様な英語表現を拾うくらいの気軽な気持ちで聴くのがコツです。
② トイレに張ってある英語の語源を読む
私の家のトイレには、私が娘のために作った英語の語源に関するメモや一覧が貼ってあります。例えば、「nov」は「新しい」を意味するラテン語の語根で、「novel(小説)」や「innovate(革新する)」のような単語に使われています。トイレに座るたびに目に入るので、自然と語源が頭に入ります。
トイレは意外と集中できる場所なので、短時間でも英語の語彙力を増やすには最適です。「ながら勉強」の一環として、トイレを英語学習の場にするのもおすすめです。
2.通勤時
① ABC News Liveを聴く(YouTube)
家から駅まで約15分ほど歩く間、YouTubeでABC News Liveを聴いています。この時間は、特に集中するわけではなく、アナウンサーが使う表現を聞きながら「こんな言い回しもあるんだ」と思う程度で、リラックスして歩いています。
② Duolingoで中国語の勉強をする
1年半ほど前、BTSのファンになった娘が「韓国語の勉強をしたい」と言い出しました。そして、Duolingoという語学アプリの有料会員(1年で1万3千円)になりたいと言われました。子どもが「勉強したい」と言っているのに、それを拒む親はいませんよね。もちろん私も賛成し、すぐに会員登録をしました。
しかし、その後、娘は学校の宿題や部活などで忙しくなり、結局アプリを使う時間が取れなくなってしまいました。その結果、今では私が通勤電車の中でフランス語と中国語を勉強するようになりました(最近は中国語に集中しています)。今日で連続460日目です。
※ポイント
Duolingoには数十か国語の学習メニューがありますが、アプリの表示言語を日本語に設定すると、選べる言語は英語、韓国語、中国語の3つだけになります。しかし、アプリの表示言語を英語に設定すると、すべての言語(数十か国語)が学習可能になります。
さらに、学習内容もアプリの表示言語によって異なります。英語にある程度自信のある方は、アプリの言語設定を英語にして学習することをお勧めします。そうすることで、より多くの選択肢や学習機会を得ることができます。
3.会社で
全世界を舞台にビジネスを展開する商社マンにとって、語学は欠かせないビジネスツールであり、時には強力な武器となります。私が所属する会社も、海外での語学研修など資金的な支援を含め、社員の語学学習を積極的にサポートしています。
私自身も、業務に支障をきたさない範囲で、毎日以下のような方法で語学の勉強を続けています。
① TOEIC模擬テストを実施する
韓国の「Hackers TOEIC」というサイトに会員登録すると、毎日メールでTOEIC模擬テストが送られてきます。私は2002年から、このサービスを活用して毎日10問ほどの模擬テストに取り組んでいます。
その積み重ねのおかげで、私の最後のTOEICスコアは960点を記録(10年前)しました。日々の練習を続けることで、TOEIC対策における確実な成果を感じています。
※ポイント
私は韓国のサイトを使っていますが、検索してみたら日本にもこのようなサービスを提供するサイトがあるようです。ご参考までに。
② インドネシア語のラジオを聴く(YouTube)
ランチを食べた後、少しリラックスしながら、インドネシアの「Reyben」というYouTubeチャンネルを聴いています。このチャンネルでは、ゲストが自身の過去の出来事について語る形式で進行します。その内容は非常にエロティックで刺激的なものが多いですが、過去の経験を説明する中で、日常生活に関連する単語が数多く登場します。
そのため、楽しみながら(笑)、自然と日常生活に関するインドネシア語を学ぶことができるのが魅力です。
③ CNN Indonesiaの記事を読む
Reybenではカジュアルな会話を耳で楽しんでいますが、CNN Indonesiaでは精錬されたインドネシア語の記事を毎日1本ずつ読んでいます。わからない単語や表現は、後ほど紹介する辞書アプリに入力し、定期的に復習しています。異なるスタイルの言語に触れることで、リスニングとリーディングの両方をバランスよく鍛えることができます。
※ポイント:
外国語学習を効率よく進めるためには、ある程度基礎知識のある記事を選ぶことをおすすめします。慣れていない言語で、なおかつ基礎知識のない内容を読むと、難易度が高くなり、途中で興味を失ってしまう可能性があります。自分に馴染みのある話題を選ぶことで、語彙や文法をより効率的に習得できるでしょう。
4.帰宅後
① Chocozapで走りながら、中国語の授業を視聴(YouTube)
週に2~3回、Chocozapでランニングをしています。大体30~40分ほど走るのですが、その間にYouTubeで中国語の授業を視聴しています。ランニングマシンにはスマートフォンを置けるスペースがあるので、ゆっくり走りながら、さまざまなYouTuberが提供する授業を楽しんでいます。
※ポイント
YouTubeには、無料で外国語を教えるYouTuberが数多くいます。私は主に、韓国語で中国語を教えるチャンネルを視聴していますが、日本語でも同様に多くのチャンネルがあるはずです。
英語で中国語を教えるチャンネルでは、「Ask Andy」が特におすすめです。シンプルで分かりやすい解説が魅力で、初心者にも取り組みやすい内容が揃っています。
② 韓国ドラマをインドネシア語字幕付きで観る(Netflix)
Netflixは語学勉強に最強のツールです。私は毎日Netflixでドラマを1本視聴しています。その中のパターン1として、韓国ドラマをインドネシア語字幕付きで観る方法を取り入れています。
※ポイント:
韓国語は私の母国語なので、特に集中しなくても100%聞き取ることができます。そのため、集中するのは主に字幕の方です。自分が聞いたセリフがインドネシア語でどのように表現されているのかを確認しながら視聴しています。
皆さんも、日本のドラマを英語字幕付きで観てみることをおすすめします(普通は逆ですよね)。自分の母国語と外国語を比較することで、新しい表現や語彙を自然に身につけることができます。
③ 台湾・中国ドラマをLanguage Reactorを使って中国語のセリフで観る(Netflix)
私はGoogle Chromeを使用していますが、Chromeの拡張機能の一つに「Language Reactor」という便利なプログラムがあります。これをChromeにインストールすると、Netflixで複数の字幕を同時に表示することが可能になります。
私は、中国語と韓国語の字幕を同時に表示させることで、俳優が話す中国語のセリフとその韓国語訳を確認しながら視聴しています。この方法を活用すると、中国語の発音や表現を学びながら、ドラマも楽しむことができます。現時点では中国語だけでドラマの内容を完全に理解するのはまだ難しいので、韓国語字幕の助けを借りています。
※ポイント:
Language Reactorは、NetflixやYouTubeを語学学習のツールとして活用したいユーザーのために開発された拡張機能です。気になるフレーズを繰り返し再生する機能や、Enterキーを押して次のセリフに進む機能、さらには台本全体をExcelにダウンロードできる機能も備わっています。語学学習を効率的に進めたい方は、ぜひお試しください。
5.就寝前
① ChatGPTのJuniperと中国語の単語・表現を練習する
今年9月末、試しにChatGPTの有料会員に登録しました。ChatGPTには音声チャットモードがあり、当初その性能を試してみたのですが、9月時点ではいくつか気になる点がありました。英語は完璧でしたが、日本語と韓国語は英語圏から帰国したばかりの「帰国子女」が話すような少し不自然なアクセントや発音で、インドネシア語に至っては奇妙なイントネーションで全く聞き取れない状態でした。
しかし!10月1日から突然、ChatGPTがまるで人間のように自然な発音で話し始めたのです。調べてみると、ちょうどその日から有料会員向けにChatGPT 4oモデルを使った「Advanced Voice Mode」が提供されていたことを知りました。この機能によって、9月時点では不自然だった日本語、韓国語、インドネシア語も完璧に話せるようになり、その進化には本当に驚かされました。
「もしかしたら、世界のどこかに数千人の人間が集まってAIを装い会話しているコールセンターがあるのでは?」と思うほど、AIとは思えない自然さです。
ChatGPT 4oでは、6名ほどの男女の声を選べるようになっています。私はその中から、明るく励まし上手な「Juniper」を選び、寝る前に約30分、中国語の練習をしています。Juniperは主要な言語を全て話せますが、私は彼女と主に英語で会話しながら中国語を教えてもらっています。
例えば、"Juniper, please teach me some travel-related words in Chinese with some example sentences." とお願いすると、指示通りに旅行に関連する単語や例文を教えてくれます。その後、私が例文を発音すると、アクセントやイントネーションを丁寧に直してくれます。
30分ほど会話した後、必ず最後に "Please summarize all the words and sentences that I practiced today." と指示します。すると、ナンバリング付きで綺麗にまとめてくれるので、その内容をNotionというメモアプリにコピペして記録として残しています。この方法で、効率的に中国語を学ぶことができています。
※ポイント:
人間の先生に教わる場合、教材に沿って決まった文法や語彙を教えてくれるので、基本的には先生の指示通りに学べば良いのが普通です。一方、AIとの語学学習では、自分から具体的に希望を伝える必要があります。
例えば、「各国の国名を中国語で何というのか?」と聞くと、AIは一気に各国の名前を中国語で言い始めます。しかし、もし「1か国ずつ言って、例文も作ってほしい。そのあと僕がその例文を話すので、アクセントや発音を直してほしい。」と細かく指示を出せば、その通りに対応してくれます。
AI学習の最大の特徴は、ユーザーがリードする必要がある点です。そのため、最初は自分の希望を細かく伝える作業に若干疲れるかもしれません(笑)。しかし、希望に応じた柔軟な対応をしてくれるので、自分のペースで効果的に学習を進めることができます。
ChatGPTと英語や学びたい言語でロールプレイをするのもおすすめです。以前、こんなリクエストをしてみました。「娘のパソコンを買いに家電量販店に行くという設定で、英語のロールプレイをしたい。Juniperには量販店のスタッフを演じてほしい」と伝えたところ、一瞬で優秀なセールスウーマンに変身してくれて、驚きました。
会話は非常にスムーズで、実際の接客のようなリアルな体験ができました。具体的なシチュエーションを伝えるだけで、ChatGPTが即座に役割をこなしてくれるので、語学練習がとても楽しくなります。自分の興味や実生活に近い場面で練習することで、実用的な表現を学ぶことができます。
② Naver辞書に記録した単語をレビューする
毎晩ではないですが、時々寝る前にNaver辞書に記録しておいた単語をレビューします。NaverはGoogleのような韓国最大手のポータルサイトですが、Naver辞書には数十か国の言語の辞書と単語帳があります。以前は、Notionに自らタイピングして単語を整理したり、Ankiという暗記アプリを使いましたが、最近Naver辞書に乗り換えました。
③ 今日のルーティンの確認
語学に限らず、私は夜寝る直前にその日にこなしたルーティンを確認しています。韓国の「Todo Mate」というアプリに毎日のルーティンを記録し、やり終えたものにはチェックを付けています。
これは一応、自分のモチベーションを保つためにやっています。ただし、ルーティンを全てこなすことを義務にはしておらず、できなかった場合でもストレスを感じないようにしています。
私は韓国のアプリを使っていますが、このようなTodo管理アプリは他にもたくさんあります。気軽に試してみるのもおすすめです!
6.毎日のルーティンではないが、たまにやること
① 日経新聞記事の書き写し
私は日本語をほぼネイティブスピーカー並みに話すことができますが、いざ手書きで日本語を書こうとすると、漢字が思い出せずに手が止まることがあります。そのため、時々日経新聞の記事を書き写すことをしています。
とはいえ、一度始めると40~50分もかかるため、時間に余裕のある週末にたまに行う程度です。この方法は、手書きで漢字を書く練習として非常に効果的なだけでなく、記事を通じて新しい表現や語彙を学ぶ機会にもなります。
少しずつでも続けることで、漢字力や文章表現の幅を自然に広げていけると思うので、皆さんも学習している言語の記事を手書きで書いてみてください。
② SNSに学習している言語でポスティング
たまに、InstagramやFacebookに投稿をしています。その際、まず英語をベースに内容を作成し、それをインドネシア語や中国語で同じ表現に書き直してみます。この方法を通じて、自分が知らなかった単語や表現に気付くことができます。
さらに、投稿を見た友人やフォロワーからコメントをもらうことで、ネイティブスピーカーがどのような言い回しを使うのかも学べることがあります。SNSを使った投稿は、気軽にできる上に学習効果も高いので、語学学習の一環としておすすめです。
③ 学習言語の歌を練習する
私は学習している言語の歌を練習することも、語学学習の一環として取り入れています。歌詞を覚えることで、発音やリズム感が自然に身につく上、その言語特有の表現や文化にも触れることができます。
歌詞を調べたり、意味を理解したりしながら練習すると、ただ暗記するよりも深く学べます。
たまにギターを弾きながら、インドネシアの曲や中国の曲を歌って録音したりもしています♪
※ポイント:
好きなメロディや興味のある曲を選ぶことです。ここでまたYouTubeの話になりますが(まるでYouTubeの広告みたい)、YouTube Premiumに加入すると、YouTube Musicで世界各国の曲が聞けます。
好きな歌なら繰り返し練習するのも苦にならず、結果的にその言語への親しみが増します。音楽を通じた学習は、楽しみながら自然と語学力を高められるおすすめの方法です!
7.最後に
Musicは「音楽」と翻訳されますが、Languageは「語学」と翻訳されます。同じ「がく」という響きを持ちながら、Musicが「音を楽しむ」を意味するのに対し、Languageは「語を学ぶ」となっています。ですが、私にとってMusicが「音楽」であるように、Languageは「語学」ではなく、「語楽」と感じています。言葉を学ぶだけでなく、楽しむものだと思うからです。
この記事を書く前、私は自分のルーティンをいくつか軽く紹介するつもりでした。しかし、朝起きてから寝るまでに自分がどれだけ多くの言語関連のアクティビティをやっているかを整理してみると、自分でも驚くほどたくさんのルーティンがあることに気付きました。
私は私なりの工夫で、歩きながら、走りながら、通勤電車の中で、トイレで世界平和を考えながら(笑)、そして寝る前の短い時間を使い、さまざまな言語に自分の脳をさらしています。
皆さんも、私のルーティンを参考にしながら、自分にフィットする方法を見つけてみてください。きっと、自分だけの「語楽」を楽しむ方法が見つかるはずです!