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『G線上の魔王』初見プレイの感想
はじめまして、ジャバと申します。
みなさんは恋愛AVGをプレイされますか?
わたしはします(迫真)
ツイキャス配信等でコメント欄とワイワイ盛り上がりながらプレイし、プレイ後には以下のように旧Twitter(新X、以下Twitter)に長文お気持ちツイートを垂れ流すのが定番となっています。
(わざわざメモアプリの表示範囲ギリギリまで感想を綴ったあとでスクショして投稿しているという・・・w)
ツイキャスゲーム配信でプレイさせて頂いた『G線上の魔王』の超個人的レビュー置いときます!頑張ってネタバレなしで書いたので未プレイで興味ある方もよろしければどうぞ!
— 𝒥𝒶𝓋𝒶 (@jav_romance17) November 10, 2024
プレイ済みの方、私の配信を見てくれた方はどしどし感想お聞かせください! pic.twitter.com/GgwYS5MmoP
さらにプレイ後の定番のお楽しみがもう一つ。
それは、
他の方の感想ブログやnoteを読み漁ること!
検索をかけてこんな辺鄙なnoteに辿り着いてくださっている皆さんは首がもげるほど共感してくださると思うのですが、
自身のプレイ後に他人の感想やレビューを覗くの、めちゃくちゃ楽しくないですか?
「わかるわ〜」と激しく共感したり、「うわなるほど、あそこはそういうことやったんか!」と新しい発見があったり、逆に「おいおい何も分かってないな、あそこはこういう意図があるからエモいのさ」と自分の理解力が優った時には少し優越感に浸ったり・・・(それを直接感想の投稿主に伝えるような野暮な真似は決してしませんが笑)
人生でたった一度しかない「先が全く分からない状態」である完全初見プレイを全力で楽しんだあと、自身のプレイ後にしか得られない他の方の感想や考察に全身で浸る。
最高ですよね。
この布陣がゲームを1から100までしゃぶり尽くすための、エ◯ゲのハッピーセットって訳です(?)
さてさて、前置きが長くなってしまいました。
つまりどういうことかというと、私のようにプレイ後に良質な感想noteを求めて彷徨うゾンビの皆さんが数ある他人の凡夫な感想のうちの一つとして、私の記事を少しでも楽しんでもらえたらいいなぁと思いnoteにもまとめることにした、という訳です。
先述の通り、既に感想はTwitterに投稿済みなので、こちらはその再編集版、セルフ転載です、省エネです←
以後、ネタバレ無し感想ですので、安心してご覧ください!
今回感想をまとめさせていただくのは、noteのタイトルからもお分かりの通り、
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161533939/picture_pc_7e7550d46ab7cea276acf107f28f2a32.png?width=1200)
『G線上の魔王』です!!
『G線上の魔王』(ジーせんじょうのまおう、The Devil on G-string)は、AKABEiSOFT2(あかべぇそふとつぅ)が2008年5月29日に発売したアダルトゲーム。
ゆめと ぼうけんと!ポケットモンスター(スラングの意)のせかいへ! レッツゴー!
感想・ネタバレなしver
採点基準
Twitterにメモアプリのスクショを貼り付けて感想を列挙する時、4枚までしか貼り付けられないという制約があります。
そこでかつての私は苦肉の策で項目分けしてスクショ感想を作り上げていたのですが、なんだかんだ数年間そのフォーマットに沿ってさまざまなゲームの感想を綴り続けております笑
まさか私は思いがけず優秀なフォーマットを生み出してしまっていたのか?🤔
その採点項目は以下の通り。
➖➖➖➖➖
キャラ:20点満点
音楽・SE:20
イラスト・背景:20
シナリオ・世界観:20
システム:20
★総合:100点満点
➖➖➖➖➖
本noteも上記の項目に沿ってまとめていくのでご理解よろしくお願いいたします(省エネ企画なので)。
では早速はじめていきましょう!
(ここから口調が変わります、Twitter投稿のため(=文字数を稼ぐため)に「です・ます」調を封印しているからです)
キャラ
18/20点
人の人格や個性を形成するものとはなにか。
それは過去、すなわち「経験」に他ならない。そしてそれは自分自身の行動のみでなく周囲、とりわけ家族など近しい周囲の人間たちから齎される影響は非常に大きい。
本作のキャラクターは皆、そんな「経験」によって形成された複雑な個性を有している。その者の過去が現在を形成し、作中で描かれる未来へと繋がっていく。
どこまでも「悪」に抗う者がいれば、どこまでも「悪」に堕ちていく者もいた。
本作最大の魅力はその変遷の圧倒的な説得力だ。我々プレイヤーが目を背けたくほど真摯に、そして凄惨に描かれるその過去が、否応なく我々にそのキャラクターを「理解」させる。無論、敵味方問わずである。
ある種強制的に植え付けられた深い「理解」が、作品への深い没入感を生む、本作の本領と言えるだろう。
音楽・SE
19/20点
タイトルや主人公の趣味がクラシック鑑賞であることからも分かる通り、本作はBGMとして以上に音楽に重きを置いた作品だ。多くの劇中歌がクラシックの名曲を効果的にアレンジしたものであり、それらは浮くことなく作品に調和している。
SEに関しても他作品に見られるような収録音声の音量差や編集ミスによって生じる不快感はなく、当たり前のようでいて難しい点をしっかりとクリアしてるのは好印象である。
イラスト・背景
18/20点
恋愛AVGのグラフィックは、ヒロインの女性的な魅力を引き出すだけの装置なのか。
答えは否だ。
特に本作は愛憎、喜怒哀楽といった感情のぶつかり合いを卓越した筆致で描き切った傑作であり、公式が謳っている通り「ヒューマンドラマ」という側面が非常に強い。
本作のイラストは「可愛い」「艶かしい」というような美少女の魅力だけではなく、登場人物たちの「怒り」や「悲しみ」なども含めた強い感情を、瞳や表情に宿す人間的な魅力を引き出すものだった。
ただし、衣服の描画を中心として、やや描写の粗い部分もあった点から満点は避けさせて頂くこととする(実況プレイとしては非常に楽しめた点ではあったのだが。)
シナリオ・世界観
18/20点
冒頭から対峙する、冷酷無比な犯罪者である"魔王"と、魔王を追い自らを"勇者"と呼ぶヒロインの宇佐美ハル。
本作のシナリオはそんな2人を中心とした「頭脳戦」を主軸とした良質なミステリーだ。
主人公の暮らす都市を巻き込む大犯罪を企てる魔王の動機は?手段は?そもそも、"魔王"とは誰か?
そんな数多くの「謎」とそれに関するヒントをテンポ良く散りばめ、物語は加速度的にその魅力を高めながら核心に迫っていく。
特筆すべきは終盤の展開の素晴らしさ。魂の込もった登場人物たちの台詞の数々、より生々しい本心は地の文で補完し、プレイヤーの感情を揺さぶるBGMが舞台の温度を更に上げていく。
文章と声とBGMとが高水準にまとまり「作品」を作り上げる、本作の最終章はノベルゲームの一つの到達点だと言えるだろう。
ただし、ムカデ方式のAVGの性質とも言えるのだが、各章ごとの盛り上がりにどうしても差が出てしまい、"勇者"宇佐美ハルを除いたとしても、ヒロイン間の中で扱いに格差が生じてしまった点を踏まえ、満点は避けることとする。
システム
17/20点
セーブ、ロード、バックログ等々、プレイ中の基本的な操作は問題ない。
だが、ディスクレスでプレイできないのはやはりマイナスと言わざるを得ないだろう。
2024年の現在だからというわけでなく、2005年発表の『車輪の国、向日葵の少女』の頃から指摘され続けていた点である。
その3年後に発表された本作でもこの問題に着手していない点を考慮し、上記の点数とさせて頂きたい。
総評
キャラ:18
音楽・SE:19
イラスト・背景:18
シナリオ・世界観:18
システム:17
★総合:90点
『G線上の魔王』、本作は非常に不利な立場にあった。なぜならば私が本作のシナリオライター・るーすぼーい氏の手掛けた前作『車輪の国、向日葵の少女』をプレイし感銘を受けたからこそ、本作に手を伸ばしたからだ。
それはすなわちプレイヤーが相当な期待感や警戒心を持って臨んでいる状態であり、並の伏線や仕掛けであれば作中の発表前に読み解かれてしまう恐れがあった。
だが本作はやり遂げた。
時に王道に、時に邪道に描かれていく物語の見せ場や核心は心地よく、我々に新鮮な驚きと感動を与えてくれた。
今後プレイする皆さんも是非ともストーリーの行く末を予想しながら読み進めて欲しい。
総評(note追記)
ここらでひとまず口調を戻します、読み返してみると大分偉そうですね笑
完走してみての感想なんですが、本作のストロングポイントは総合力の高さにあるのかなと思います。
シナリオ良し、演技よし、音楽よしと全てのノベルゲームが喉から手が出るほど欲しい要素をすべて高水準にまとめあげており、先述の通りノベルゲームというジャンルの一つの到達点を見たような、そんな満足感がある傑作でした。
そしてそれだけでなく、圧倒的な描写力で描き切った終盤の怒涛の展開。冒頭から丁寧に丁寧に打ち込んできた各所に点在する楔(伏線)を一気に線で結び絵(真意)が浮かび上がった時のような感覚はカタルシスと呼ぶに相応しく、本作のストロングポイントに「瞬間最大風速の高さ」を挙げる方が多いのも納得です。
全ての要素を高いレベルでまとめる「総合力の高さ」と、唯一抜きん出て並ぶ者のない圧倒的な「瞬間火力の高さ」をどちらも持っている、これで面白くないわけがない。剣盾のザシアン、SVのカイリューですよこいつぁ
さてさて、私の初見プレイ時の映像はツイキャスのアーカイブに残してあります。
"あの"シーンで怒り、"あの"シーンで驚き、"あの"シーンで泣きじゃくる成人男性が見られますよ笑
ぜひプレイ後に作業用BGMにしてみてくださいね。