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分科会医療系専門家の愚劣①

朝日新聞デジタルの「コロナ5類 専門家たちの葛藤」がなかなか興味深い。

これを見ていると、昨年ごろを境に政治が医療系専門家に見切りをつけていたことがよく分かる。

最初の兆しが見えたのは2022年1月25日のようだ。

 この日、政府は分科会に対し、行動制限をともなう「まん延防止等重点措置」の対象地域を21道府県に広げる案を示した。(中略)
 医療系の委員らが賛成を表明するなか、真っ向から反対したのが、経済系の大竹文雄・大阪大特任教授だった。議事録に発言が残っている。
「私は今回の政府提案には反対です」
「措置の前提として、コロナは肺炎の発生頻度が季節性インフルエンザに比して相当程度高い、という条件があります」
「オミクロン株が条件を満たしているか、疑問があります」

連載第1回

このころから医療系専門家と、経済系を含めた医療系以外の専門家との意見の隔たりが顕在化してきた、という。そこで、

尾身氏らは4月の分科会で、感染対策と社会経済のどちらを重視するかで政策パターンを分けた「四つの選択肢」を示した。

連載第1回

しかし、尾身によると

「議論を深めましょう」と政府に呼びかけましたが、その後、分科会は開かれませんでした。

連載第2回

おそらく政府としては、2021年12月のオミクロンあたりから、陽性者を如何に減らすことしか考えていない上に、他の問題に関してあまりにも無知な分科会の医療系専門家が邪魔になってきたのだろう。政府担当者である新型コロナウイルス感染症対策推進室長の迫井正深氏によると

(政府が)一番重視したのは、社会経済活動を可能な限り維持することです。行動制限をできる限りしないで、いかに感染対策を講じるか。当然、より効果的、効率的にする必要があります。
(中略)
行政としては、専門家の意見をきちんと聞いて政策を作っていく。(中略)
ただ、いくつかの場面で「呼吸が合っていない」と見えてしまったことはあったのだと思います

連載第7回

そりゃあそうでしょうな。正直、こいつら(医療系専門家)とでは議論がで成り立たない、と思ったのではないか?
 実際、まん防の対象地域拡大に反対した大竹氏の発言はあまりにも常識的であり、明らかに専門バカな医療系と噛み合うと思えない。以下、大竹氏談。

 コロナ対応では、感染対策と社会経済どちらが優先か、という「トレードオフ」があるので、科学だけでは決められない問題でした。 
(中略)
 どちらを重視するかは、価値観に依存するからです。
 トレードオフがある問題に対して、科学者の意見だけで決めるというのは、科学者の価値観を人々が受け入れる、ということを意味します。
 どんな社会的影響があっても、感染者数を減らすべきだという共通の価値観があれば、感染者数を減らすための専門家の提言に従えばいいかもしれません。
(中略)
 しかし、異なる価値観がある時に、一部の科学者の価値観だけで物事を決めるべきではありません。
 コロナも、早く他のリスクと比較できるようにしないといけなかった。具体的には、特措法に「季節性インフルエンザと比較して」と書いてあるわけです。
 私たちは生きる上でいろんなリスクがあるので、「コロナのリスクはその中のどれくらい」と比べられる情報提供をして、その上で政治的、つまり民主的な意思決定をするべきです。
 しかし、実際にはこの共通理解が持てなかったと思います。

連載第3回

そしてついに、政府は分科会(正確には分科会の医療系専門家)の意見を聞くのを辞めたようだ。

7月には濃厚接触者の待機期間の短縮について、専門家に諮らないまま公表した。
 そして、提言(注)公表から3週間後の8月24日。岸田文雄首相は、今後「ウィズコロナ」にかじを切っていくと表明した。
 9月には療養期間の短縮が公表されたが、事前に専門家には諮られなかった、と尾身氏は話している。

連載第1回

(注)ちなみに提言とは以下の内容である。

8月には(中略)阿南英明氏が中心となり、「専門家有志」として、感染者の全数把握、濃厚接触者の特定を段階的にやめるなど、5類移行も念頭に置いた提言を公表した。この提言は、専門家の中で議論が重ねられ、文言修正は80回ほどに及んだ。だが、ここでも意見の一致は難しく、最終的に名前を連ねないことを選んだ専門家もいた。

連載第1回

議論、といいつつ、あまり実りのある議論ではなかったようだ。提言をまとめたアドバイザリーボードの一員である阿南英明氏によると

調整は難航しました。細部の言葉遣いを含めて、いろんな意見が出ました。
(中略)
「提言を出さない方がいいのでは」という専門家もいました。でも私は感染状況にかかわらず、半年先を見据えて示すべきロードマップだと考えていました。
発表の時期は厚生労働省の人らと調整を重ねてきましたが、「もう少し時間をください」などと言われ、ずれ込みました。
(中略)
7月上旬に提言を出すと同時に、具体的な議論が進んでいたら、もう少し早く5類に移行できたのでは、という思いはあります。

連載第5回

そして、政府は11月29日、5類移行に向けて「早期に議論を進める」と表明した。政府は一応筋をとおすために、分科会にお伺いをたててみた。
そこでも以下のようだったらしい。

12月14日と1月11日。医療系の専門家たちが示した評価や提言は、5類移行後も残るリスクを数多く指摘したものになった。
「コロナの超過死亡が増加しており、要因を解明する必要がある」
「後遺症の問題も考慮すべきだ」
「『コロナは終わった』とみなされ、市民の中で感染対策が行われなくなる可能性がある」

連載第1回

でも、医療系専門家たちも「まだこんなこと言ってるよ、馬鹿かこいつら・・・」と思われていたのは分かっていたようだ

ただ、メンバーの間に、手応えはなかった。「政府はもう5類移行を決めていたから、(提言に)急速に関心を失っているようにみえた」。メンバーの一人はそう打ち明ける。

連載第1回

そして・・・

 1月27日、分科会で専門家の総意として5類移行への賛同が示された約2時間後、官邸で政府対策本部が開かれた。

連載第1回

政治が医療系に見切りをつけてから5類に落とすことができるまで、1年以上もかかったのだ。長すぎるよ・・・

ちなみに朝日の論調は、政治の責任にしたくて仕方ないようだ。
医療系専門家には責任がないと言いたいようだ。

議論は十分に尽くされたのか。
(中略)
感染対策と社会経済活動の両立をどうとるのか。突き詰めると、「重症者や死者はどの程度許容されるか」という議論にならざるをえない。
それは個人の価値観の問題でもあり、専門家が踏み込むべきではない。選挙で選ばれた政治家が責任をもって判断し、国民への説明責任も果たすべきだ。だが、それが十分にされているとは言えない――。
朝日新聞の取材に対し、尾身氏をはじめ、複数の専門家がそう指摘した。

連載第1回

そりゃあそうだろうなあ!
なんせメディアは医療系専門家を使って煽りまくってたからなあ!
医療系専門家の責任を問われたら自分たちに火の粉が降りかかってくるのは確実だからなあ!
しかもお得意の政治批判に結び付けることもできるからなあ!

それから、医療系専門家たちよ。
政治に責任があるのなんて当たり前なんだよ。
でも、あんらたらに責任が無いと言われてもなあ!
あんたらメディアに出まくって自分の意見を言いまくっていたよな?
勝手に記者会見もしてたよな?
尾身に至っては、首相といっしょに記者会見したりしてたよな?
自分たちが世論に影響を与えていたの、そしてその世論が政治の判断に大きな影響を与えていたことも、わかってたよな?
あんたら、完全に踏み込んでいたんだよ!責任問われて当たり前だろうが!
どこまで面の皮が厚いんだよ。いい加減にしろよ!!!

こんな詐欺師どもを金輪際信じてはいけない!!!!

コロナ論5より
コロナ論5より


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