愛の反対は無関心だから
マンハッタンで今起こっていること
ここのところNYでは連日ウクライナを支援するプロテストが続き、ダウンタウンの有名ウクライナレストランでは、母国への支援すら始まっている。レストランの外は、彼らの同志であるウクライナ人の人たちで長蛇の列だ。
かと思えば、この戦争の煽りを受けて、マンハッタン内にある有名ロシアレストランは、連日完全な閑古鳥どころか、顧客が寄り付かないという悲劇的な状況も始まっている。(ちなみに他のアメリカの都市でも同じようなことが起こっているらしい。)実際ロシア人の人たちは、ここでは黙って首をうなだれるしかない。
でも、実際には、ロシアとウクライナは、ソビエト連邦崩壊以後の複雑な歴史の経緯の流れに巻き込まれる前は、もともとは親戚同士のような関係だった部分さえある。だから、今でも両国の血が入っている人たちというのがそれぞれの国にそれなりに存在しているし、両国民の多くは、元から単純に憎み合っているとはとても思えない。
激しすぎる情報戦の中で何を信じるのか
今の状態は、情報戦によって起こった複雑過ぎる真実をあたかも煙の中に覆い隠すような政治的報道や、悲惨な部分の現場の状況報告だけがひたすら世間(世界の他の国々)に向けて様々な場所から発信され続け、ある意味では人々の想念を二分するかの如くに被害者と加害者という戦いに向かって何かが動き出しているかのようだ。
そんな今だからこそ、みんなに本気で考えて欲しいことは、どんな形でもいいから、自分の目や耳で何が真実かを知ろうとして欲しいってことだ。色々な情報というものを、自分の五感や直感を使って探っていくことは、今はとても重要だ。
人から言われたからそれが本当なのか。偉い人が言ってるから真実なのか。多くの人が言ってるから本当の事なのか。
それらは本当に正しいのか。
どうやったらより本当の一次情報に近づけるのか、その事だけを今は真剣に考えてみて欲しい。
誰だって戦争なんて嫌だ。
私が知る限りでは、実際に多くのロシア人たちは、戦争なんて望んでないし、ウクライナ人を嫌っているわけでもない。国内で戦争反対のデモをすると、今はみんなが握りつぶされて逮捕されてしまう。現地では戦争という言葉を使うことすら、許されていない。
そして、すでに7000人以上の民間人の人たちが、戦争反対のプラカードを掲げ、様々なところで逮捕されている。しかも、場合によっては、懲役20年もの重い刑に処せられる可能性すらある。
すでに一般に報道されていることだけど、SNSも完全に遮断され、クレジットカードさえ普通には使えない。だから、実際には経済的制裁の煽りをうけて、食料不足もすでに始まっている。実のところ、内戦状態の戦火にはいないだけで、民間のロシアでは、ウクライナ同様に想像を絶する深刻な救援物資のサポートが必要な状況下にあるのではないだろうか。
一方、ウクライナでは民間人の男性は、侵略が始まっても移民として国を出ることが許されず、いつ戦わされることになるかわからない状態を待たされている。ウクライナには内戦に対応する準備としてすでに何年も前から徴兵制度があった。そのせいで、民間人の大人の男性たちは、軍人ではなくとも内戦での戦い方を教育されていて、すでに武器を渡されているのが今の状況だ。(つまり、民間人は彼らの意思とは関係なく、自ら戦えと国から言われているのと同じ状態だと想像する。)
だから、難民として他の国に渡ることが許されているのは女性や子供たちだけだ。そうなると、家族は離れ離れになるしかない。
でも、だからと言って彼らだって最初からロシアと戦うことを考えていたわけでは全くなかっただろう。
知ることや知ろうとすることは愛だから
私たちは他の外の国から両国の様子をみるしかない立場にはいるけれど、せめて、みんなが本気で嫌がってることが何で引き起こされてるのか、それについて、本当に自分で色々と調べて良く考えて見て欲しい。
どちらの国民もこんな風な戦争状態や憎しみ合うことを望んでいる訳ではない。
そうだとすれば、何のためにこんなことが起こっているんだろう。
誰が何のためにこの状況を作っているんだろう。
それを自分なりに理解することは、そんなに簡単なことではないかもしれないけど、でも、理解しようと色々と調べてみることは誰にでも出来る。日本にいる両国出身の人たちの生の声を聞くこともできる。
世界を理解するために今私たちが出来ることは、今本当に何が起こっているのかを知ろうとすることしかない。知ることや、理解しようとすることこそが愛だ。
愛の反対は憎しみじゃなくて無関心だから。
だから、本当の世界平和のために、少しでも世界を変えていけるために、今はできるだけ多くの人に、愛を選んで欲しいと私は思う。