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ユルすぎるマンハッタンの接客

日本はお客様天国のサービス大国ということで、海外からの観光客からもとても評価が高い。それはなぜだか知ってますか?

それは、アメリカを含む諸外国の”接客対応”が、日本に比べていい加減というか、マイペースすぎ(ユルすぎ)だからなんですっ!
(個人的な経験では、隣のカナダとかは、イギリスがらみの部分もあるせいか、もう少しお行儀がいいようにも思える対応だった。)

マンハッタンのスーパーで見たあり得ない光景

例えば先日、閉店間際に行ったTrader Joes(米国で若者にも人気のチェーン系スーパー・通称トレジョ)のレジで、店員の人が仕事中にお腹が空き過ぎたのか、終わるのを待ちきれなかったのか、同店で売られているプレッツェル(小麦粉のスナック)をチーズデイップ(オレンジがかった黄色の液体状チーズ)に付けてポリポリ食べながらレジ打ちの対応をしている光景に遭遇した。

日本だとかなりタマげるところだと思うけど、こっちでは結構あるあるである。(なんかダジャレみたいになってしまいました。苦笑。)

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Trader Joes内の様子

トレジョ(Trader Joes) では、レジは一箇所に固まっていて、20人近いスタッフが、それぞれのマシーンの前に立ってお客さんを待ち受けている。

その中で、どのレジに行くのかは、レジコーナーの入り口に立っている店員さんからの指示によって決まるので、私たち顧客は、その指示を聞いてからそこに進む。

なので、並んでレジを待っている段階では、果たして誰に当たるのか、どのレジに行くのかはわからない。

レジの人たちは、常にカジュアルな雰囲気で、お客さんを待っている間は、となりのレジの店員の人と楽しく冗談を言いあったりして、談笑しながらお客さんを待っていたりする場合も普通にある。

そんなわけで、レジの人たちの接客も、基本的にはカジュアルなので、対応がユルいのには私もある程度は慣れていた。

とは言え、今日のレジの女性はあまりにも堂々とプレッツェルにチーズをつけて食べながら、同時にチェックアウトの作業もしていたので、やはり、それは多少はアンユージュアルな状況ではあった。

でも、よく見ると、ひょっとして彼女は妊婦さんかもしれず、それで何かを口に入れないと我慢ができなかったのかもしれない。
とは言え、これは日本では絶対に見ることのない光景だろうとは思う。

呆れるぐらいにユルい接客対応

このお店のみならず、アメリカのドラッグストアなどでは、もはや呆れて笑うしかないぐらいのユルユルな接客態度を見ることは珍しくない。

最近はドラッグストアは機械による支払いが増えているので、そういう状況に遭遇することも多少は減っては来ているものの、機械対応が苦手な人たちの為に用意された人の接客カウンターでは、例えば、接客中でも携帯を普通に取ったりする従業員の姿を見ることは、実は決して珍しくはない。

そして、もちろん、電話の主は仕事関係者ではない。つまり、プライベートフォンコールを目の前にお客さんがいても、気にせず取ったりする。

そして、そこで電話を取った従業員は、”今仕事中だからあとで掛け直すね。”と言ってすぐに電話を切るのではなく、そのまま接客の手を止めて、電話の相手と少し話し込んだりすることすらもあるのだ。

特に、相手が彼女(ガールフレンド)だったり、お母さんだったりすると、彼らは何の躊躇もなくお客さんの目の前で電話を取る場合は少なくない。

ここまで堂々とマイペースな接客をされたら、みんなもはや文句を言うのがバカらしくなるのか、マンハッタンではこういうのは、”日常茶飯事”の一つとして結構普通にスルーされていたりもする。

ドラッグストアで働いている人たちの間の基本的なルールみたいなのは、具体的には私には分からないのだけど、日本でいう店長(マネージャー?)みたいな人がその場にいたとしても、やる事さえやれば、そういうのにいちいち細かい文句は言わないって事なのかもしれない。
つまり、そういう接客でもオッケーという水準という事になる。

日本発のユニクロの接客教育はユルいアメリカでは厳しすぎる

それに比べると、近年アメリカでも人気のユニクロなんかは、さすがに日本発のせいもあってか、接客の教育も普通に行き届いていて、(まあ当たり前と言えば当たり前かもしれないけど)お客さんに何か聞かれた時の従業員のサポートは、普通に敏速でナイスだ。

ここでは服屋さんでも結構接客がいい加減なところも少なからずあったりするので、ユニクロが最初にNYにできた時は、「アメリカ人の人たちは、日本式のレベルの高い厳しい接客教育でも果たして大丈夫なんだろうか。。」と逆の立場から私の方がそんな事を心配してしまったりしたぐらいだ。
そのぐらいユルくてなんぼな接客がNYでは普通なのだ。

肩の力を抜くのは日本人には必要かも?

そんなわけで、”お客様は神様”式の厳しい接客教育のサービス大国日本に比べると、アメリカは、随分とユルいというか、マイペースな接客でもオッケーな部分は多い。

ただ、日本のように、普段から”キッチリしないといけない”という義務感で真面目に働きすぎて体調不良に陥ったり、場合によっては追い詰められてやめてしまう、というような状態から考えると、多少ゆるくても、楽観的に働ける方がまだ希望があるような気はしなくもない。
(そして、個人的には日本でブテイックに入った時に、何も買わないのに付き纏われるのは、はっきり言って勘弁してほしいと思う。アメリカでは見るだけなら放っておいてくれる。)

とはいえ、アメリカほどマイペースになるのも極端だから、常にそのやり方を目指せとまで言うつもりは特にないけれど、正しいかどうかはさておき、大事なのは、こんなにもマイペースで生きていても回っている世界も実際にはあるって事実なんだよね。

だから、日本のお店も、もう少しみんなが肩の力を抜いて、緊張しすぎないで接客できる場所になって行くことをもう少しだけ考えてみてもいいんじゃないかなあって思うことはたまにある。



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