選挙直前の混乱の中のハロウインの日 in NY
今日はNYはハロウインで、通常ならば、アメリカでは毎年Xマスの次ぐらいに盛り上がるイベントの日だ。この日は小さい子供達も大人たちから気合の入ったメイクをしてもらってコスチュームで変身して、”Trick or Treat?"(いたずらされたいか?それともお菓子か?)とおどけてキャンデイをもらいに行くのを何よりも楽しみにしているはずだ。
大人たちも、本来ならばみんなで楽しく弾けていられるある意味最も楽しいはずの日だったけれど、選挙前の緊張感とコロナの第二波警戒状態が重なっている上に、今日は気温が冬並みに下がっている。そして、もちろん恒例のハロウイーンパレードは今年は中止なので、仮装して街を歩いている人たちの数も例年よりは圧倒的に少ない。
今回の選挙は、やはり国民の真剣度が非常に高いのもあり、NYエリアでは、期日前投票に来る人たちの数が圧倒的に多く、平均3時間待ち以上で、長い地域では8時間並んでの投票にまでなっている。ここまでの事態は今までにないことだと思う。
そして、前回つぶやいたように、今回の大統領選挙に関しては”どちらの候補者に決まっても暴動は避けられない”と見ている市民は多く、6月にGeroge Floyd氏のことで暴動や略奪行為が爆発してしまったときの街の状態を知っている人たちは、やはり完全には安心できない気持ちでいると思う。
ミッドタウンでは有名デパートのMacy'sを始め、他の有名店舗などは、暴動が起こった際の破壊行為や略奪に備えて、再び店のデイスプレイやドアのガラス部分をベニア板で覆い始めている。ちなみに投票日の夜の暴動を警戒してGurdian Angels(犯罪防止NPO)もパトロールに回るようだ。
実は私もこの日、ハロウインは一年のうちで最もお気に入りの1日だったし、この日ばかりは羽目を外して大人たちが仮装して朝まで遊び歩いても全然大丈夫な日だったので、街にはいつも楽しい空気が溢れ返っていた。そして、パレードを終えてからユニオンスクエアの広場に流れてきた人たちの写真を撮るのが私は毎年とても楽しみだった。
今年は仮装する人の数もそれほど多くはなかったけれども、夕方に買い物に出たときに楽しいコスチュームの三人組に出くわしたので、とりあえず一枚写真を撮らせてもらった。この日にここぞとばかりに張り切ってコスチュームを着て仮装している人たちは、声を掛けると満面の笑みでポーズを作って写真を撮らせてくれる場合が多い。撮影した後は、ハッピーハロウインと笑顔で言い合って別れるのだけど、そういう瞬間に生まれる知らない人同士の出会いの中にある暖かい空気が私はとても好きだ。
だから、来年はもっと普通にみんながハロウインを楽しめるように戻っていたらいいなあと心から思う。そうであったとすれば、きっとこの国は意見の衝突による戦いではなく、もっと違った未来をみんなが見始めるているはずに違いないから。
様々なプロテストの中心としていつもみんなが声を上げる場所になっているユニオンスクエアには、何年か前からガンジーの像が立てられていた。そして、今日その前を通りかかったときに、誰かがガンジーの手にオレンジの百合の花を持たせていた。
こういう愛のある行為に出くわした瞬間に、どんなに現状がひどく見えたとしても、未来への希望だけは絶対に捨ててはいけないと心から思う。
Happy Halloween! この国の未来へ。
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