続々・ デンタルフォビアな日々・NY歯科事情 その2
前回、前々回と、冷房なしのアパートのコンディションでいきなり発生したデンタルエマージェンシーによる怒涛の日々について語った。
そして、それはまだ終わってはいない。。
参考までに、こちらは前回の投稿記事です。
https://note.com/jasminflower/n/n0d9e22938256
近代的な高層ビルの上の階とは思えない展開
さて、前回の投稿の最後に書いた、やっと見つけたミッドタウンのホリステイックデンタルに、私はドキドキしながらも足を運ぶことになった。
そこは、一階に大きめのスペースのバナリパ(バナナリパブリック)が入っていたりするような、キラキラでモダンな高層ビルの上の方の階に位置していて、なんだかサイトののんびりしたイメージとは随分違う。
そして、上の方の階まで行き、ブザーを鳴らしてそっと歯科医院の扉をあけると、その近代的な建物とは裏腹に、中の待合室は、花柄の壁紙で、昔からある郊外の歯医者さんのようなローカルな雰囲気が漂っていた。
部屋の角には私が自宅でも使っている馴染みのあるヒマラヤンピンクソルトのライトが置いてあり、そこはかとなくお香(もしくはアロマ)の匂いがした。
その小さな待合室をぐるっと見渡すと、壁にぶら下げられたポケットには、様々な種類の3つに折り畳まれた明らかに手作りと思えるコピーのフライヤー(チラシ)が差し込んであった。
そこにはアマルガムをセラミックに交換する治療のフライアーだけでなく、オゾンを吸いながらの治療、その他、身体に優しい治療のお勧めなどが入っていたのだけれども、よくよく見ると、そこにあったのはそれだけではない。
ニューエイジ系デンタル?
何とメデイテーションから音叉ヒーリング、レイキ、エネルギーヒーリング、などのパンフレットもあった。これはやはり、普通の歯医者ではない。
私はやや緊張しながらも、それらのパンフレットをごっそりと手に取り、中を開いて読もうとしたところで、丁度名前を呼ばれた。
そして、診察台に座ると、受け付けにいた女性から紙の前掛けをつけられた。
彼女が去ったあと、そこでしばらく待っていると、60代後半ぐらいのメガネをかけた優しい笑顔の女性の歯科医が現れた。
その柔和で穏やかな雰囲気は、何でも機械的に進めてなんぼの合理的なNYUのシステムでテキパキ働いている歯科医たちとは全く違った風情だった。とりあえずは怖そうな緊張感のある先生じゃなかったので、私もかなり安心した。
そして私は、質問されるがままに今までの経過を話し、最後にNYUの専門の歯科医師に緊急に神経治療が必要だと言われたけれども、NYUでは神経治療の予約が9月まで取れなかったので、途方に暮れてしまってここに相談に来たことをざっくりと説明した。
アロマやホメオパシーに理解があるホリステイックデンタル
そのあとに、自分が今まで家庭療法で使ってきたアロマオイルやホメオパシーのアマゾンの商品ページを彼女に見せたところ、「素晴らしいは。よく探せたはね。あなたの処置は正しいは。」と何とお褒めの言葉までいただいた。(涙)
やっぱりホリステイックドクターだと話が早い。
彼女は私がNYUの歯科で「4時間ごとのタイレノールとアドビル」のゴリ押し攻撃にすっかり疲れ切っていることを即時に理解してくれたようだった。
そして、先生は、NYUで撮ったレントゲンや治療経過などの必要な資料を見た後、「では、とりあえず内診してみましょう」と言って、細かく中が見える顕微鏡のようなレンズを使って歯の様子を見て驚いてこう言った。
NYUデンタルの完全な誤診
「NYUの教授は、本当にこれが神経治療で治せるって言ったの?オーマイガット!信じられないは!あなたの歯はすでに真ん中から割れてるのよ。これは神経治療では治せません。抜歯しかないのよ!そんなことも分からなかったのかしら。。」と訝しげに首を傾ける。
それを聞いて、私も「またしてもNYU。。。」と心の中で呆れはしたものの、結局解決策は抜歯しかなかったと言うことで、神経治療の$2500~$4500ドルと言う支払い不可能な高額治療から逃れられたことだけで、相当ホッとしたのは確かだった。
とはいえ、抜歯も高い歯科だと$900近くはかかるけれども、せいぜい$500から$600程度が平均なので、IVの麻酔を使ったりするのでなければ、流石に$1000を超えることはない。
そんなわけで、抜歯は専門になるのでその歯科ではできないと言うことで、結局その先生にデンタルオペ(抜歯、神経治療、インプラントなど)の専門家がやっている歯科医院を紹介されることになった。
色々話をしてなぜか音叉ヒーリングを受けることに
そして、自然治癒のハーブやアロマの話をきっかけに、その先生とは色々な話をすることができた。食や健康の話、ケミカルデトックスの話から、果ては政治的なアジェンダの話にまでなった。
最後に私が、音叉セラピーのフライヤーを見たことと、実は私も今回の痛みを軽減するために、自宅にある音叉を使ったりもしてみた、と説明したところ、「まあ、あなたも音叉セラピーに興味があるのね!」ととても興奮気味に喜んでくれて、「では、最後にフリーでショートミニッツの音叉セラピーをやってあげましょう。」と言って、私は診察台に寝たままで(もっと言うならば、紙の前掛けをつけたままで。笑)、その場で音叉の音の嵐を浴びることになった。
なんだか、日本ではとても考えられないすごい展開だ。
どうやら彼女の場合は、過去に生活環境の問題で体調を崩したことがあって、その時にたまたま音叉セラピーに出会ってそれを完治した経験があり、その後に音叉セラピストの勉強をして自分でも出来るようになったと言う事らしい。
それにしても、歯医者の診療台でいきなり初診で歯科治療とは関係なくヒーリングをやるって言うのがなんともぶっ飛んでいてさすがにアメリカだ。
そして、これはとても不思議な体験だったけれども、音叉ヒーリングをしてもらってなぜか痛みが嘘のように消えた。
それには自分でもものすごく驚いたので、やはりちゃんとやれば音叉ヒーリングと言うのはかなり効果があるんだなと思った。(あるいは先生がゴッドハンド?のプロなのか、どちらかだと思う)
お会計の時に聞かされたとんでもない真実
最後に受付でお会計をする時がやってきたのだけれど、私はその日はクリーニングを追加する予定はなかったので、現金で用意していた準備金が20ドル足りなかったため、結局、銀行に行ってお金を引き出してから、戻ってきて残額も現金で払うという事になった。
彼女たちは、「もちろん、あなたのことは信用しているは。銀行はツーブロック下のストリートにあるから、遅くとも1時間以内には戻ってくると思って待ってるはね。」と言われてお金を取りに外に出ることになったのだけど、その前に聞かされて驚いた話がある。
今回、私はたまたまプライスを聞いてから通院したので、クリーニング以外の支払い用の現金は用意していたのだけれど、この歯科を訪れる人たちの中には、「お金がないまま来てしまったから、銀行に取りに行って戻ってきます」と言い残してそのまま帰って来なかった人たちが過去に何人もいたというのだ。。。
そう考えるとニューエイジ&スピ系=ホスピタリティーのある優しい人たち、と言うのを最初から利用価値があると平気で考えるような人たちが、残念ながらこの街には一定数いるってことになる。。。
つまり、彼女たちが料金設定をそんな風に厳しい形にしてしまったのはこのような理由があってのことなのだそうだ。。
しかし、ホント、アメリカってすごいよなあと改めて思わされる話だ。
ついに専門家の予約を取る
そんな訳で、翌日私はホリステイック歯科で紹介された抜歯の専門家のところに電話して予約を取ろうとしたのだけれども、またしても紹介された先生がヴァケーションか人気がありすぎたかで、3週間以上先しか予約が取れないと言うことだった。。。
でも、ここで負けてはいけないと、私も緊急なんです、2週間以上何も噛めなくてずっと流動食なんです!ほっぺたも歯茎も感染して腫れ上がって痛くて眠れません!(クーラーなしで、とは言えなかったけど。。)と食い下がったところ、受付けの人が、その場にいた別の歯科医と話をさせてくれて、結局、紹介された先生の代わりに、その先生の予約を数日後に入れることになったのだが、またしても予想外の展開が。。。(続く)