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橋 (1959) 独

ベルンハルト・ヴィッキ監督

ドイツ映画ということもあって
私の知っている 有名な俳優さんは だあれも出ていませんが
反戦映画の傑作と言われていた作品でしたので
一度は観てみたいと思っていた映画。

とても、良かったです。
でもジャスミンの記事は いつものようにネタばれなので
あ、俺ちょうど、今からこのDVD観ようと思ってたのよね
という人は ここでスルーしてくださいね。

          〇

第二次世界大戦末期。
ドイツの田舎町にある学校に通う生徒たち。

勉学に、スポーツに、ボート造りに、初恋に・・
まだまだ無邪気な15歳の日々を 過ごしていた彼らに
ある日、突然 召集令状が届く。

敗色濃厚となった軍が
対象外だった学生まで 徴兵することにしたのだ。
その日は即下校 早くも翌日入隊である。 

だが戦争に憧れを 持っている生徒たちは
大いに喜び、興奮する。
「宿題やって来て損したな!」

母ひとり 子ひとりの 貧しい洗濯屋の少年
初恋の真っただ中だった 理髪店の少年
裕福な地主の息子である少年。
父親との確執に悩んでいた少年・・・などなどの 7人である。

生徒たちを心配する 担任の教師は軍に出向き
せめて 彼らを後方に残してくれるよう頼む。

そんな教師や親たちの想いをよそに
少年たちは祖国を守るためと 雄々しく入隊して行った。

しかし軍隊で 軍事訓練を受け始めた わずか翌日
米・英連合軍の攻撃が いっそう激しくなり
部隊は早急に 戦地に赴くことになる。

ここでも、いよいよ前線で戦えると
意気を高くする 少年たちだったが

だが、まだ訓練もろくに受けてない
新兵の少年たちは
戦闘には足手まといと 判断した指揮官は

彼ら7人に 戦略上価値のない
既に近々、爆破が予定されている
町の入り口にある 古い橋の守備を命ずる。

その橋は 少年たちの家の近くにあり
よく戦争ごっこをした 幼い頃からの遊び場であった。
平和で楽しかった 思い出の詰まった橋であった。

何も知らない少年たちは
偶然にも 自分たちの橋を守り抜くという
与えられた任務に 改めて団結心を強くする。

数日後、不意に 頭上に敵機が飛んで来る。
一瞬、身構える少年たちだったが
敵機はそのまま通り過ぎ
一人だけ慌てて地面に ひれ伏した仲間を笑っていると
そこへ敵機は 再びUターンしてきた。

そして機銃掃射により 別の一人が死んだ。
はじめて 仲間が死んだ!
これは 戦争ごっこじゃない!

これを発端にして
米・英軍の一部隊が この橋から侵入し
少年たちは彼らだけで 敵軍と真正面から戦うことになる。

それでも死に物狂いで戦い 敵の戦車も撃破するが
しかし一人、また一人と 仲間が死んで行く。
3日前まで机を並べ 冗談を言い合っていた友達だ。

以前、クラウスは学校で ガールフレンドのことで
カールと口論になり カールを殴った。

今、ふたりは組んで 銃撃していたが
そのカールが 撃たれて死んだ。
カールの姿を見たクラウスは 突発的に精神が錯乱。

「許してくれ、殴る気はなかったんだ!
 君が彼女の悪口を言ったから つい殴ったんだ!」

そして
「僕がカールを殺した、カールを殺したんだ!」
叫びながら 敵陣に向かって走り出したクラウスは
一斉射撃を受け倒れた。

後に残ったのは ふたりの少年兵。
そこに橋を爆破する任務の ドイツ兵がやって来るが

何も知らされていなかった少年たちは
あくまでも橋を守ろうと
味方のドイツ兵と諍いの末、撃ち合いになり
ひとりが撃たれた。

最後に ひとり生き残った少年は
放心したまま 長い橋の上を
息絶えた友の体を引きづって歩いて行く。

この生き残った少年が のちに作家となり
彼が偽名で書いた「自叙伝」に基づき
映画化された作品だそうです。

映画のおしまいには
「あまりに些細な出来事で 軍の記録には残っていない」
というテロップが最後に流れます。

監督のベルンハルト・ヴィッキさんは俳優でもあり
『夜』『パリ・テキサス』『女猫』など
数々の作品に出演している ハンサムな方です。


     


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