ウルシを育ててみませんか?
ウルシを自宅で育ててみませんか?
私は7年前からウルシの種や苗の販売をしています。
もともとは林業家向けに販売していたのですが、一般の方からも時々問い合わせがあり、ネットショップでも取り扱いを始めました。
ウルシを種から育てている人はあまりいないと思います。
漆の産地であるこの岩手県でも細々とウルシの苗を作っている方がいたのですが、数年前に廃業してしまいました。現在は地元の森林組合や企業が苗作りをするようになりましたが、それも漆の需要が高まって以降のことです。
漆の需要がほとんどなかった頃、どんどんウルシの木が切られていきました。ウルシを植えても将来性がないし、漆掻き職人も減っているし、見切りをつけた方が多かったのです。数ヘクタールの規模でウルシが植えてあったところがすべて伐採されてブロイラーの鶏舎が建っていたのを見た時には驚愕しました。
その直後に文化財に国産漆を使用する方針が示されたのですが…なんともったいないことでしょう。
漆の需要がなくても、ウルシの木は植えていかなければならないと私は確信していました。当時から自宅のプランターに種をまいて育てていましたし、耕作放棄地や放置山林があれば見に行ってウルシの適地かどうか確認したりしていました。
漆を増やすためには、まずは1粒の種をまかなければなりません。
ウルシはなかなか発芽しない植物で、10粒に1粒芽が出ればいいほうです。種の周りにはロウが付いていてこれを落とさないとなかなか芽が出ません。ウルシの発芽率を高める研究は昔から行われていましたが、近年漆の需要が高まったことがきっかけであちこちで発芽率を高める研究や実証が進められました。その結果、発芽率が向上するケースが増えているようです。
私も以前より発芽する確率が高くなったと感じています。
皆さんもウルシを発芽させて、苗を育てて、それを植えるところから始めてみませんか?
自宅にある植木鉢やプランターで育てることができますよ。
育った苗を植えるところがなければ、岩手をはじめ東北の適地をご紹介しますし、こちらで引き取って育てることもできます。ぜひお気軽に。
国産漆を育て後世に継承するための活動を行っています。ご支援をよろしくお願い致します。