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非合理的で感情的な人間に対する想像力が事業を成功に導くキーであるという話

自社が狙っているターゲットが真に解決したい不満・不便・不安・不都合・不快感はどこにありますか?この問いのポイントは、「真に解決したい」という部分にあると思っています。

マーケティング界隈でよく取り上げられる事例として、サラダマックの逸話があります。女性向けのアンケートで今後食べたい新メニューはありますかという問い対して、ヘルシーなメニューと答えた女性が多かったことをふまえて開発したサラダマックが、なんとまったく売れなかったという逸話です。

この逸話のポイントは、顧客自身もそれに気づいていない(気づいてるけど、強がってる?かっこつけてる?)、無意識の本音があるというところにあります。つまり、アンケートでは女性らしくヘルシーなメニューが欲しいと答えたけれど、実際にマックに行って真に解決したい不満は、ストレスフルな取り繕われた生活環境からの解放だったりするわけです。たまには後先考えず肉汁あふれるバーガーにかぶりつくことで日々の抑圧から解放されたいのです。

この本音のことをマーケター界隈では、かっこよくインサイトと言ったりしています。このインサイトは先述したとおり本人すら気づいていなかったりする隠された本音であり、指摘されてみて「そうだね」なんて反応できるものは本当のインサイトではないということになります。

そんな言葉にできない「欲求」や「願望」が人々の無意識の中にたしかにあって、それを「もしかして、これじゃないですか?」と手にとってみせる。それが真を食ったものであればあるほど、人はハッとしたりドキッとしたりする。そのハッとやドキッが強ければ強いほど、人の意識変容、行動変容が促されます。

人間というものは、往々にして非合理的かつ感情的なものです。そんな人間の特性に対する想像力が事業を行ううえにおいては必要不可欠であり、事業を成功に導くキーであるとも言えます。この想像力をフルに発揮して、ターゲットが持っている本音を的確に捉え、言葉やビジュアルという形に落とし込み、効率的かつ効果的に届けるという作業こそがマーケターの役割と言えるでしょう。マーケターというのは、想像力と創造力が求められるクリエイティブな仕事なんです。

toB、toC、マスターゲット、ニッチターゲットの違いによってマーケティングの必要性は変わるでしょ?という質問に対する回答は一言。変わりません。


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