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機能だけじゃない!!自動車選びにおける情緒的便益と自己表現的便益の伝え方とは?

消費者の買う理由となる、具体的な利益や利便性をもたらす「便益」は、次の3つにカテゴライズすることができます

1.機能的便益:
商品やサービスの機能面の便益のことです。例えば、スポーツドリンクの便益は、運動時の水分補給であり、銀行ATMの便益は、わざわざ窓口に行かなくてもすぐに現金を引き出せるというものです。機能的便益は、コモディティ化(一般化)しやすく差別化が難しいという特徴があります。

2.情緒的便益:
購買や使用にあたって肯定的な感情を得られる効用です。例えば、エナジードリンクを飲むと爽快でエネルギッシュな気持ちになったり、高級車に乗ることで優雅さや興奮を覚えたりするなどです。情緒的便益は、コモディティ化(一般化)しにくく差別化につながりやすいという特徴があります。

3.自己表現的便益:
人は自分のイメージを他者に伝えるときにブランドを用いることがあります。この時のブランドによる効用が自己表現的便益です。自己表現的便益は、消費者とのリレーションが強くなるという特徴があります。

自動車業界のマーケティング

自動車は、複数の店舗をまわって最終的に購入を決める「買い回り品・専門品」の分類に位置します。また、日常の足として使う軽自動車やオートバイは別として、趣味性の高い自動車に関しては、機能的便益を重視して理性的に選ぶよりは、情緒的便益や自己実現的便益も加味して情緒的に選ぶ傾向があります

人が自動車を購入する際のインサイトとして、誰もがうらやむ車を買うことで、自分が成功者であることを確認したい、見せびらかせたいという本音があるからです。


そして、自動車においては、純粋想起者(選択肢を与えずに思いつく)は、助成想起者(自動車メーカーの中から知っているブランドを選択)と比べて購入意向が10倍にも上ると言われています。マーケットシェアの大きい企業ほど広告予算が潤沢で、それが想起や購入検討に有利に働く構図です。


ただし、グローバルトップのメーカーでなくても、強い印象を残して想起上位に入り込むことは不可能ではありません。

SUBARU(スバル)は情緒的側面を押し出したストーリー性のあるCM動画で定評があります。ドラマのような長編CMシリーズを日本テレビ系「金曜ロードショー」で放映しているので、観たことある方も多いかと思います。

人生や家族にスバル車をひも付け、「安全技術といえば……」で想起につながるCMを配信しています。買い替えは当分先のドライバーにも、こうしたコミュニケーションアイデアに日々接触してもらうことが、購入検討リストに残る最初の関門突破には欠かせません

ブランド接触を増やすという意味では、SNSのタイムラインにどれだけブランド露出があるかも重です。

広告とSNS(タイムラン型UGC)で思い出してもらい、公式サイトと検索型UGC(レビューサイト)で便益や独自性を理解してもらうという流れになります。


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