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変化し続けることが生存確率を高める話

首都圏のJR主要駅構内で営業していたジューススタンド「HONEY'S BAR(ハニーズバー)」が、2023年8月末をもって、全店を一斉に閉店。17年間におよぶ歴史の幕を閉じた。

17年間利用され続けてきたことを考えれば、消費者への価値提供は間違いなくできていたはずだ。それでも全店を一斉に閉店するということは価値を提供し続けられなくなった構造的な問題があるはずだ。

自分自身がハニーズバーを利用したときの、インサイトは、電車の乗り換え時の喉の乾きと、なんとなく最近果物食べてないなというビタミン不足感だった。早く提供されること、高価過ぎないこと、美味しいこと、冷たいことは最低限に備えておくべき条件であった。そして、ハニーズバーの独自性は新鮮なフルーツをその場でミキシングしてくれること。それらの価値を提供してくれていたのは間違いない。

では、どのような構造的な問題があったのかと考えているかは、以下のとおり。すべて個人的見解なので真偽のほどはさだかでないけれど。

①スムージーパックなどの選択肢が増えたことによる独自性の薄れ

②キャンペーンなど、顧客化、ロイヤル化を促す継続的な施策を打っていなかったこと

③原材料高で高価過ぎないという最低条件を維持するのが難しくなっていたこと

④人的オペレーションと店舗が必要なので、固定費を抑えるにも限界があったこと

消費者の心理は時代とともにうつろいゆくもので、新規カスタマーの獲得、リピートしてくれるロイヤルカスタマーの獲得を意識して自分たちも変化していかなければならないというわけである。

成功体験を積むと、その成功法則に固執してしまうことはよくあることだと言われるが、変わらず生き残り続けるためには、変わり続けなければならないということをハニーズバーが教えてくれるのだ。


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